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マシンビジョン市場動向・2023年予測(1) [2021.12.23]
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シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第31回)
マシンビジョン市場動向・2023年予測(1) [2021.12.23]

マシンビジョン市場動向・2023年予測

今回は、マシンビジョン(画像処理システム)の市場動向についてご紹介いたします。

「画像処理システム」市場動向(WorldWide・国内)

マシンビジョン(画像処理システム)市場は、「検査アプリケーション」、「単体装置」、「観測・測定機器」、「AI・ディープラーニング応用製品」の領域で市場予測が行われています。
「検査アプリケーション」は、成形品や部品部材などの外観検査装置で、ウエハ、FPD、Web(シート)、印刷、飲料容器、自動車部品などターゲット別の検査装置やシステムが該当します。「単体装置」は、装置やシステムに必要な、撮像素子、カメラ、レンズ、照明、筐体型やボード型の画像処理装置を含む構成素材になります。「観測・測定機器」は、画像測定器、デジタルマイクロスコープ、工業用X線検査装置、3次元測定器などの観測測定機器の領域で、最後の「AI・ディープラーニング応用製品」は、昨今話題のAI技術をベースにしたハードウェア及びソフトウェアを含む応用製品で、2017年辺りに登場し、5年成長率で10倍以上をほこる急成長領域となります。

市場動向(WorldWide)

「画像処理システム」市場動向(WW)

図1 「画像処理システム」市場動向(WW)


最初に、WorldWide(WW)の状況と予測をご紹介いたします。「検査アプリケーション」は、2019年実績6,154億円(WW)で画像処理システムの中で最大の市場となっています。成長率は、2019年から2023年で約1.5倍と予想されています。「単体装置」は、2019年実績、5,655億円(WW)で、予測成長率は、約1.3倍となっており、「検査アプリケーション」に次ぐ大きな市場となっています。「観測・測定機器」は、2019年実績、1,884億円で、予測成長率は、約1.07倍と大きな飛躍はないものの一定の需要のある領域となっています。「AI・ディープラーニング応用製品」は、2019年実績、72億円(WW)、予測成長率は約12.87倍と、成長率もさることながら、技術面においても、これまで人しか行えなかった目視検査の代替から工場、ビル、スマートシティなどでの自動化・無人化を促進する技術として注目されています。

市場動向(国内)

「画像処理システム」市場動向(国内)

図2 「画像処理システム」市場動向(国内)


続いて、国内市場をご紹介いたします。市場規模はWWの約1/5~1/4となっており、WWとは若干異なり、市場規模は、「単体装置」、「検査アプリケーション」、「観測・測定機器」、「AI・ディープラーニング応用製品」の順になっています。画像処理システムの素材提供を行う「単体装置」が、2019年実績、1,137億円(国内)で最大の市場で、予測成長率は、2019年から2023年で約1.2倍となっています。「検査アプリケーション」は、2019年実績、955億円(国内)で、成長率は、約1.1倍と、WWに比べ若干低い予想となっています。「観測・測定機器」は、2019年実績、371億円(国内)で、一定の需要のある領域であるものの、予測成長率は、約0.98倍と、1倍を切る成長との予測です。「AI・ディープラーニング応用製品」は、2019年実績、22億円(国内)、予測成長率は約9.63倍と、AI技術関連は、国内市場においても、高成長領域となっています。
国内では、画像処理システムの素材提供を行う「単体装置」が、2019年実績、1,137億円(国内)で最大市場となっています。予測成長率は、2019年から2023年で約1.2倍となっています。「検査アプリケーション」は、2019年実績955億円(国内)で、成長率は、約1.1倍と、WWに比べ若干低い予想となっています。「観測・測定機器」は、2019年実績、371億円(国内)で、一定の需要のある領域であるものの、予測成長率は、約0.98倍と、1倍を切る成長との予測となっています。「AI・ディープラーニング応用製品」は、2019年実績、22億円(国内)、予測成長率は約9.63倍と、AI技術関連は、国内市場においても、高成長領域となっています。

「単体装置」市場動向(国内)

「単体装置」市場は、「産業用カメラ」「処理装置」、レンズや照明などの「キーコンポーネンツ」で分類されています。まずは、「産業用カメラ」についてご紹介いたします。産業用カメラには、最大規模のFA用エリアカメラを中心に、FA用ラインカメラ、赤外線カメラ、マルチスペクトルカメラとハイパースペクトルカメラ、4K監視カメラ、産業用ToFカメラに分類されています。

「単体装置」市場動向(WW・国内)

図3 「産業用カメラ」市場動向(国内)


特にFA用エリアカメラは、2020年の世界的パンデミックによる半導体製造への影響により、大きく低下となるも、国内においては、少子化、人手不足解消に向けた自動化や無人化促進により、大きく成長するものと予測されています。一方、Web外観検査や印刷検査などシート状検査で利用されるFA用ラインカメラは、大きな飛躍はないものの一定の需要のある領域となっています。また、赤外線カメラは、コロナ禍によるスクリーニング(体温測定)特需により、2020年から2021年に高需要となるも、必要箇所への導入と共に、従来からの構造物検査用途に落ち着く予測となっています。

規模拡大が期待されている領域としては、新規性の高いカメラ市場となるハイパースペクトルカメラと産業用ToFカメラが挙げられています。ハイパースペクトルカメラは、高波長域を高分解能で撮影できるカメラで、塩と砂糖、ペットとプラスチックなど、可視光領域では弁別困難な素材や物質分類に利用されています。ToFカメラは、1ショットで奥行き情報を輝度値で撮影できる3Dカメラで、従来からあるステレオ方式や光切断方式のように撮像後の処理が不要であるため、3Dデータ活用領域の拡大を牽引するデバイスとして注目されています。

産業用エリアカメラについては、コラム( 第4回第7回第9回第10回
産業用ラインカメラについては、コラム( 第4回第8回第11回
ハイパースペクトルカメラについては、コラム( 第18回第19回第20回 )をご参照ください。

「FA用エリアカメラ 解像度別」需要予測

「産業用カメラ 解像度別」台数(WW)

図4 「FA用カメラ 解像度別」台数(WW)


FA用エリアカメラ解像度別の需要予測では、2019年から2023年の成長率で、3M~5M(300万画素から500万画素)帯が2.26倍で、113万台(2023年予測:WW)を占める予測となっています。また、それに伴い、ボリュームゾーンも、VGAなど2M以下の解像度から3M~5M帯が主流となるとの予測です。実際、画像処理システム構築に関するご相談で最も多いのが、撮像に関するものですが、ご案内する解像度も3M~5M帯が最も多い状況です。外観検査では、ベルトコンベアなど高速搬送中の対象ワークを検査するためには、撮像時のブレを防ぐためグローバルシャッター方式のカメラが必須とされていますが、近年、ロボットアームでの搬送など所定の場所で一時的に停止させる運用も増えており、低コストで高画素なローリングシャッター方式カメラの需要も高まりつつあります。

「処理装置」市場動向(国内)

「処理装置」市場動向(国内)

図5 「処理装置」市場動向(国内)


続いて、「処理装置」についてご紹介いたします。処理装置には、近年主流となってきた、汎用IF(EthernetやUSBなどのインターフェース)をもつ「画像処理装置(筐体型)」を筆頭に、画像ボードベースの「画像処理装置(ボード型)」、カメラに内蔵CPUを搭載して画像処理を行う「画像センサ」、3D情報を取得する「3Dデジタイザ」があります。「画像処理装置(筐体型)」が、2019年実績290億円(国内)、2023年に328億円(国内)と約1.2倍の成長が予測されています。「画像処理装置(ボード型)」は、汎用IFの台頭により衰退を危惧されてきましたが、高速且つ安定なデータ伝送に対する需要は多く、特にCoaXPressボードの利用が堅調で、今後も一定の需要が継続されるとの予測となっています。

さらに、「画像センサ」と「3Dデジタイザ」については、プロセッサの高密度化による小型デバイスでのエッジ処理への移行や、処理装置の高速化に伴い2Dから3D処理に対する需要が増えきたことから、「画像処理装置(ボード型)」市場と同等の規模となるとの予測となっています。

産業用エリアカメラについては、( 第4回第7回第9回第10回第25回
産業用ラインカメラについては、( 第4回第8回第11回
ハイパースペクトルカメラについては、( 第18回第19回第20回 )をご参照ください。

キーコンポーネンツ市場動向(国内)

「キーコンポーネンツ」市場動向(国内)

図6「キーコンポーネンツ」市場動向(国内)


最後に、「キーコンポーネンツ」についてご紹介いたします。「画像処理用 LED 照明」は、2019年実績163億円(国内)、2023年に195億円(国内)、「画像処理用 レンズ」は、2019年実績122億円(国内)、2023年に146億円(国内)、「産業用イメージセンサ」は、2019年実績41億円(国内)、2023年に50億円(国内)と、成長率は、共に約1.2倍と予測されています。照明やレンズは、半導体製造装置や食品などの三品業界向けでの利用が有望視されています。産業用イメージセンサについては、製造ラインの日本回帰の流れもありますが、人件費や人手不足から限定的とみられ、コスト以外で差別化が進むと見られています。

産業用レンズについては、( 第26回第28回
産業用照明については、( 第27回第29回第30回 )をご参照ください。

今回のまとめ

今回は、マシンビジョンの市場動向について、全体市場規模及び、単体製品となる産業用カメラ、画像処理装置、キーコンポーネンツを中心に紹介させていただきました。中でも、AIの躍進、赤外線カメラの特需、ハイパースペクトルカメラとToFカメラの市場、以前は衰退とされていた画像ボードの復活など、気づきとなるものもあったのではないでしょうか。今後のイメージング技術は、外観検査など従来型の固定状態での検査の”眼”から、自動化や無人化を促進するAGV/AMRなど搬送や物流で利用される移動の”眼”、さらに、認識の”眼”を加え、人の代替となるサービスロボットでの活用など、クロスインダストリ領域での利用にも注目が集められています。来年度は、AI市場動向から量子コンピューティングなどの新しい技術情報についても解説したいと思います。それでは、本年も残り僅かとなりましたが、お身体に気をつけ、良いお年をお迎えください。

 

筆者紹介

シニアアプリケーションスペシャリスト 稲山

稲山 一幸(いねやま かずゆき)

エンジニアリング事業 シニアアプリケーションスペシャリスト

1992年住金制御エンジニアリング入社、Matrox社製品の国内総代理店立ち上げに参画、以降25年マシンビジョン業界に携わる。
2013年~2016年、キヤノン株式会社にてマシンビジョン関連の新製品開発のソフトウェアリーダとして従事。現在は、エバンジェリストとして活躍中。

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