シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第29回)「産業用照明について その2」コラム
公開日:2021年9月30日
前回、第27回「産業用照明について」では、マシンビジョンで利用される産業用照明の光源についてご紹介致しました。今回は、続いて、光の特性と、その特性を利用した照明手法についてご紹介いたします。
光の特性と照明手法
特に、明視野では、鏡面素材の場合に、照明自体の映り込みが発生するため、外観検査では、照明の映り込みの発生しない暗視野での撮像が一般的です。 (図3)
しかし、曲面形状の鏡面素材など、どの位置にカメラを設置しても、正反射をとらえる明視野となる場合は、拡散板や偏光フィルタを用いた撮像方法が取り入れられています。(図4)
偏光技術については、第9回「偏光カメラ その1」と第10回「偏光カメラ その2」で紹介しています。
今回のまとめ
産業用途における、高精度要求に対しては、背景と欠陥(キズや汚れなど)をよりコントラスト高く撮影する照明を含めた撮像技術が重要となります。今回は、光の特性とその特性を利用した照明手法についてご紹介しましたが、 次回は、照明手法を用いた照明機器についてご紹介いたします。
筆者紹介
稲山 一幸(いねやま かずゆき)エンジニアリング事業 シニアアプリケーションスペシャリスト
1992年住金制御エンジニアリング入社、Matrox社製品の国内総代理店立ち上げに参画、以降25年マシンビジョン業界に携わる。
2013年~2016年、キヤノン株式会社にてマシンビジョン関連の新製品開発のソフトウェアリーダとして従事。現在は、エバンジェリストとして活躍中。
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