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PLMとはPLM(Product Lifecycle Management)/PDM

PLMとは?

PLM(Product Lifecycle Management)は、エンジニアリングチェーンにおける製品ライフサイクル全般の開発情報や開発プロセスを統合的に管理する手法です。

PLMシステムでは、設計情報、3Dデータ、図面、BOM、属性情報、コストなどを一元管理し共有することで製品の品質向上、製品原価の低減、製品競争力の向上などお客様の企業戦略を実現するために多くのメリットをもたらします。

開発から調達・製造まで対応するmcframePLMの概要図

製造業でPLMが注目される背景

製造業では、企業の収益最大化はもちろんのこと、市場需要の変化への迅速な対応、製品の品質向上、業務効率化、コスト削減などが強く求められています。その主な要因としては以下の3点が挙げられます。

ニーズの多様化

顧客ニーズが多様化し変化し続けるため、製品ライフサイクルが短縮し、コストを回収できないケースがあります。

そのため、市場や顧客ニーズの変化に対応するとともに、コスト削減の取り組みが重要です。

事業環境の急激な変化

デジタル技術の急速な進化や新型コロナウイルスによるパンデミックなど、近年はこれまで経験したことがない変化が起きています。変化の激しい現代では、変化に対して迅速かつ柔軟に対応するものづくり力が求められています。

グローバル競争の激化

現在は日本国内だけの競争ではなく、グローバル競争が激化しています。競争が激化するなかで、企業が優位性を獲得し利益を生み続けるためには、高品質の製品を低コストで製造し、需要のある市場に投入する必要があります。

こういった時代背景のなかで、エンジニアリングチェーン全体の情報を一元管理し、環境変化への迅速な対応とQCD向上を実現するものづくり基盤として、PLMが期待されています。

PLMシステムの基本機能

PLMシステムの代表的な機能は以下の通りです。

  • マスタ管理

    図面や品目、ドキュメントのマスタデータを管理します。

  • BOM管理

    各種BOM(部品表)データを管理します。設計BOM以外に、製造BOM、サービスBOMも一元管理します。

  • 設計変更管理

    製品の設計変更などを履歴付きで管理し、関係者への伝達をスムーズにします。

  • ワークフロー管理

    レビューやリリースの承認ワークフローを管理します。

  • プロジェクト管理

    製品開発プロジェクトの進捗状況を管理します。

マスタデータを中心にワークフロー、設計変更情報、BOM、プロジェクトが繋がる概要図

PLMシステム導入のメリット

PLMシステム導入による主なメリットは、QCD(Quality・Cost・Delivery)の向上が期待できる点です。

製品の品質向上(Quality)

PLMシステムで一元管理された構成、ドキュメントを共有し、製品構成の分析結果や製造からのフィードバックを新たな製品開発に反映することで、設計段階での品質の作り込みを実現します。さらに、不具合情報も管理することによって、製品の品質向上に加えて、品質の一貫性保持が期待できます。

製造コスト削減(Cost)

PLMシステム上で図面や仕様書などを一元管理すると、必要なデータを探す工数は大幅に削減され、作業の手戻りも防げるため、材料費や人件費の削減に繋がります。また、BOMに基づき製品コストを表示できるため、原価を考慮した設計によりコスト削減が可能となります。

業務効率化とリードタイムの短縮(Delivery)

自社製品の企画から設計、生産、販売、保守までの一連の情報を相互に関連付けて管理可能になり、業務効率化に繋がります。

また、データを統合的に管理することで、より正確な生産スケジュールの立案が可能となり、リードタイムの短縮も実現します。

品質、費用、納期の相関図

PLMの具体的な導入事例

製造業界のみならず、幅広く活用されている3Dソリューション。導入に至る経緯や苦労、また導入後の成果やメリットはお客さまそれぞれ、多岐に渡っています。当社の設計ソリューションを活用され、 効果的なソフト導入により着実に成果を上げていらっしゃるユーザーさまの声をご紹介します。

ニッコウ電機株式会社様
グループ横断の部品・部材管理と経営層の意思決定を支援するタテ・ヨコ両方向の情報連携を実現
NGKエレクトロデバイス様
M-BOMとBOPを活かして散在する情報を一元化。パッケージ標準機能で要件をカバーし、わずか9カ月でPLMシステムを導入

まとめ

グローバル化に伴い市場の競争が日々激化している昨今、企業競争力を高めるために、PLMの活用は非常に有用です。

PLMでエンジニアリングチェーンを強化することで、部門間を横断した正確かつ効率的な情報共有が可能となり、DXを推進します。

自社の製品の品質向上や製造コストの削減、DX推進に向けてPLMシステムを導入してみてはいかがでしょうか。

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