課題処方[Problem Prescription]サプライチェーン計画ソリューション・SCPlanet(エスシープラネット)
ここでは、サプライチェーン計画業務において、多くの企業から伺う「あるある課題」への処方を呈示します。
サイロ化

計画業務における「サイロ化」という課題
サプライチェーンでは、多工場/倉庫、多段階工程、複数の製造ラインといった背景から、計画業務のサイロ化(相互共有や連携が取れていない状態)が起こりやすいと言えます。
サイロ化が顕著化すると、自工程/管轄範囲を優先しがちとなり、前後工程や他拠点との連携不足(頻度が低い)ことにより計画不整合が起こり、サプライチェーンが滞ったり、断絶したりする事態を招きます。

【サイロ化】の行く末...
サプライチェーンの連鎖崩壊
「脱サイロ化」への処方

サプライチェーン計画におけるサイロ化は、つながり方の違いにより「直列型」と「並列型」に分類され、それぞれに異なる対策が必要です。
直列サイロ(工程間の分断)
上下工程でPSI(入庫・出庫・在庫)情報が共有されず、計画が分断されることで、需要変動への対応が困難になります。
対策
PSI情報の見える化と、工程間の計画統合。ただし、問題規模と最適性のトレードオフに留意し、ボトルネック工程の見極めが重要です。
並列サイロ(同一レイヤー間の分断)
複数拠点で同じ品目を扱うにもかかわらず、計画手法が統一されておらず、ノウハウが共有されていない状態です。
対策
熟練者のノウハウを形式知化し、計画方法を標準化。グループ化の判断により、共通化可能な範囲で統合を図ります。
属人化

難易度が高い計画業務なために起こりがちな「属人化」という課題
サプライチェーン計画の立案は、多品種・少量・短納期化が進む時代においては非常に負荷が高く、考慮すべき制約条件も多数あり、難易度が非常に高い業務です。
さらには、社内外での不測要因による計画変更も頻繁に発生するため、都度のプラン変更を余儀なくされる故に、熟練した高いスキルを有する担当者へ依存する、という傾向は、多くの企業で抱える深刻な課題です。
そのため、後継者育成や業務代行が難しく、離職や退職によるベテランの不在は、事業継続に関わる重大な課題と言えます。

【属人化】の末路...
代替が効かない計画担当者
「属人化解消」への処方

属人化は、サプライチェーン計画において特に深刻な課題のひとつです。
企業ごとの組織体制や人材配置に起因するケースもありますが、それ以外にも、計画業務の複雑さや外部環境の変動により、特定の熟練者に依存せざるを得ない状況が生まれがちです。
このような属人化は、業務の継承や代替が困難となり、担当者の退職や異動が事業継続に影響を及ぼすリスクとなります。
この課題に対して、以下の2つの処方を提示します。
暗黙知の形式知化
計画担当者が持つノウハウは、経験に基づく非言語的な知識であることが多く、他者への伝承が難しいものです。まずはその知識を言語化・構造化し、共有可能な形式知として整理することが重要です。
制約条件の整理と明文化
計画立案には、納期・能力・在庫など多様な制約条件を考慮する必要があります。これらを体系的に洗い出し、汎化・明文化したうえで、形式知とあわせてシステム化することで、属人性を排除した計画業務の標準化が可能になります。
この取り組みには、SCP領域に精通したコンサルタントの支援を受けることで、より確実な成果が期待できます。
Excel依存

手軽なExcel計画!・・・その行く末に
ハマる“沼”(Excel弊害)
多くの企業では、サプライチェーン計画やPSI計画をExcelによって行われています。
確かに、自在に管理項目を設定できるので手軽で便利ではありますが、長らく時を経ると“様々な弊害”が表れ始めます。
[複雑な関数や数式の怪奇組合わせ][縦横無尽に絡み合うセル参照]、[野良システム化へ誘う禁忌のマクロ使用][同じような表の無秩序氾濫][煩雑でミス温床である”名物バケツリレー”]etc…etc…
こうなるともう、作った担当者しか理解不能であり、他者は手を入れることができず、つまり、属人化やサイロ化の元凶になる、とも言えます。

【Excel依存】の弊害...
共有・連携・保守・整合が困難
「Excel計画脱却」への処方

サプライチェーン計画では、スプレッドシート形式での参照や入力が適しているため、Excelは手軽で柔軟なツールとして広く使われています。
しかし、柔軟であるがゆえに長期的には計画の属人化やサイロ化を招きやすく、計画の共有・保守・整合性に課題が生じます。
Excelから脱却するには、同等の操作性と視認性を備えつつ、安易に改変されず、堅牢な計画システムへの移行が不可欠です。
ただし、単にPSI(入庫・出庫・在庫)表をシステム化するだけでは不十分であり、サプライチェーン全体が需給連鎖構造として連動し、拠点・工程間で適時に計画が連携される仕組みが求められます。
さらに、複雑かつ多様な制約条件を充足し、高精度の計画を立案する計画ロジックを組み込まなければ、単なる"データベース"に留まり、計画業務の高度化にはつながりません。
このような課題に対するフレームワークとして、PSIネットワークと数理最適化エンジンを融合した高度なSCPシステム「SCPlanet」の導入を提案します。
処方箋

よくある課題。されど、慢性化・重篤化しやすい治癒困難な課題
【サイロ化】【属人化】【Excel依存】これらはサプライチェーン計画業務では非常によくある課題であり、各企業においても頭を悩ませていることでしょう。
この3つの課題は、潜在的に業務に蔓延り、顕在化した際には、それぞれの課題に波及する要因となり負のスパイラルに陥ります。
抜本的な対策としては、これらの因子を排除して、サプライチェーン計画業務を高度化するための専用システムの構築こそが、“ベストプラクティス”となります。

多くの企業でこれら課題の取り組みをされています。

これまで多くの企業へサプライチェーン計画の課題解決をお手伝いしてきましたが、その多くの場合でこれらのベーシックな課題を解消したい、というご要望を多数伺っています。
それらのケースのいくつかを「利用シーン」という形で掲載しておりますので、ぜひこちらもご覧ください。
レポート
「サプライチェーン計画の最適化」
多拠点・多段階かつ複雑な制約条件を満たした最適な生産計画・物流計画を実現するには

本レポートは、アイティメディア社メディア「MONOist」の2024年12月2日に公開されたレポート記事をコンテンツとしてご覧いただけます。
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キヤノンITソリューションズ株式会社 製造・流通ソリューション事業部門