アーキテクチャサプライチェーン計画ソリューション・SCPlanet
自由度が高く、柔軟な意思決定が可能なサプライチェーン計画を実現するSCPlanetのアーキテクチャなどをご紹介します。

サプライチェーン全体の需給連鎖構造を実現する【連鎖PSI基盤】
サプライチェーンの意思決定基盤となる「PSIネットワーク」

「PSIネットワーク」はSCPlanetの“神経系統”です。
原材料の調達から生産、物流、そして顧客に届くまでのサプライチェーンの流れを仮想空間上にモデリングし、PSI計画の変化が関連する工程・品目に及ぼす影響を適切に伝播させます。
この機構により、計画担当者が自身の意思決定に必要な情報を提供し、意思決定をサポートします。
PSIネットワークを具現化する「SCPコアライブラリ」

SCPlanetにおけるPSIネットワーク構築の基礎となる[SCPコアライブラリ]は、これまでのサプライチェーン計画システムの開発で培った技術・ノウハウを共通フレームワークとしてSIコア化したプラットフォームです。複雑に組み合わされた製造工程・物流行程をモデリングした「PSIネットワーク」をメモリ空間上に構築し、生産計画・物流計画に共通する需給連鎖構造をベースとしております。
これにより、お客さまのサプライチェーンに柔軟に対応でき、適正なサプライチェーン計画の立案が可能となります。
サプライチェーン業務のモデリングと意思決定
SCPlanetでは、お客さまのサプライチェーン構成要素を[SKU]と[工程]といった基本構成要素に分解しモデリングします。そのうえで、各工程において、どのような意思決定がなされるかを定義します。
このように、[SKU]と[工程]の連鎖をPSIネットワークでモデル化することで、意思決定相互の関係と最適化を行うポイント、内容が明らかになり、全体の適正化が可能となります。

構成要素:SKU
[SKU]ノードは、品目、場所などの情報から構成されます。[工程/行程]ノードにより関連付けられた[SKU]ノードのPSIの変化に応じて、自[SKU]ノードのPSIは適切に変化します。

構成要素:工程/行程
[工程/行程]ノードは、入力の[SKU]ノードと単位所要量、出力の[SKU]ノードと単位生産量、リードタイム、キャパシティなどの情報から構成されます。

【動画で解説】PSIネットワークとは?~意思決定プロセスや連鎖計画立案~
個社固有の制約条件を踏まえた計画立案を実現する【意思決定基盤】
お客さまの業務特性を考慮した「計画エンジン」を構築
SCPlanetでは、数理最適化を専門とするメンバーがお客さまへ業務ヒアリングや計画業務に利用するExcelファイルを分析・解析を行うことで、計画担当者の意思決定構造を可視化します。その上でお客さまの業務特性や制約事項を加味して、「人」と「システム」が協調して円滑な意思決定を実現できる「計画エンジン」を構築します。
事前検証を行うことで、より精度の高い計画立案を実現
計画エンジンは、単にお客さまの業務特性や制約事項を加味して作っただけでは、計画担当者の暗黙知となっているノウハウが織り込めず、実務で使えるものになりません。
キヤノンITソリューションズでは、計画エンジンの試作・検証(PoC)で、計画担当者に計画エンジンによる計画結果を評価いただくことで、実務で使える精度の高い計画を実現します。

パラメータによる制約条件の調整が可能
SCPlanetでは、形式知化されたさまざまな制約条件はパラメータとして定義されます。そのため、突発的に運用上の障害などが発生し供給能力の変化が生じた場合にも、適宜にパラメータを調整することで制約条件が変更され、供給能力の変更を加味した計画立案が実行可能となります。
柔軟な意思決定をサポートするUI/UX
SCPlanetは、計画調整のコクピットとなる需給調整(PSI)画面はもちろんのこと、計画立案に必要なマスタメンテナンス、一覧照会画面、生産計画指示書などの帳票機能など周辺機能までお客さまの要望に合わせて設計します。
それにより、高い操作性を実現し、お客さまの計画業務の効率化をサポートします。

SCPlanetの技術要素となる数理最適化
数理最適化とは、複雑な制約条件の下で目的の指標が最適化となる解を求める数学的な手法です。

数理最適化が計画業務改善に適している理由

需要変動、納期、生産能力、コスト、原材料や中間在庫など、さまざまな要素が複雑に絡み合うため、サプライチェーン計画の立案において、制約条件を厳密に満たしながら最適解を導きだせる数理最適化が適しています。
また、近年ではAIを活用した計画システムもありますが、AIは、どう判断してその結果に至った根拠が不明確(=「ブラックボックス」化)で、AIの結果に対しどう調整を加えていくべきかの意思決定に繋がらない、精度を向上させるための改善点がわからない「説明性の欠如」といった課題が上がってきています。
そのため、プロセスや根拠が明確(=ホワイトボックス化)である数理最適化の活用が求められています。
数理最適化を活用した生産計画システム事例
キヤノンITソリューションズによる、数理最適化を用いた生産計画システム構築の事例を一部ご紹介します。
導入システム名 | 業種 | 概要 |
---|---|---|
素材取合せ計画システム | 非鉄金属 | 非鉄金属の素材への多段階取合せを素材ロスや段取り替えを最小化するよう組み合わせるシステム |
素材取合せ計画システム | 化学 | 樹脂系素材への取合せ素材ロスや段取り替えを最小化するよう組み合わせるシステム |
プロセス生産スケジューリングシステム | 食料品 | 液体の調合(タンク)のタイミング・配管を計画するシステム |
組立て生産計画システム | 機械 | 機械部品の在庫を参照しながら日別生産数量を立案するシステム |
プロセス生産計画システム | 化学 | タンク在庫を見ながら日別の生産(配合・加工)を計画立案するシステム |
エネルギー配分システム | 化学 | プラントの熱源・電気等のエネルギーを供給するための計画システム |
プロセス生産計画システム | 化学 | 液体素材の日別在庫を参照しながら適切なタイミング・数量の生産を計画するシステム |
プロセス充填計画システム | 化学 | 液体素材の日別在庫と出荷量を参照しながら、出荷形態に応じた充填を計画するシステム |
プロセス生産スケジューリングシステム | 食料品 | 液体素材の生産順をスケジューリングするシステム |
素材加工生産スケジューリングシステム | 鉄鋼 | 鉄鋼素材の多段階加工工程に対し生産順をスケジューリングするシステム |
導入事例、ホワイトペーパーなど各種資料がダウンロードできます。
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キヤノンITソリューションズ株式会社 製造・流通ソリューション事業部門