欠品なき在庫削減の実現を支援する需要予測・需給計画ソリューション
サプライチェーン計画ソリューション SCPlanet
多拠点・多段階かつ複雑な制約条件にも対応。一気通貫なPSI計画立案を実現
近年ビジネス環境にさまざまな変革が訪れており、サプライチェーンの複雑化も一層顕著になってきています。
製品ニーズの多様化、安定供給のための生産拠点の再編や多拠点化、厳しさを増す物流課題への対応が事業継続・成長に不可欠となってきています。
これらの時代の変化に対応できる生産計画・物流計画の全体最適とレジリエンス強化に応える、それがサプライチェーン計画ソリューション「SCPlanet」です。
- 需要波動にも追従・対処できる強靭(レジリエンス)な生産・物流計画の立案を行いたい
- 製造工程・物流拠点のそれぞれで在庫レベルが不均一であるため適正化を図りたい
- 計画業務を担う要員不足や属人化などに対応するべく、計画業務の最適化(DX化)したい
- 複雑な制約条件を形式知化し、計画業務の標準化を図りたい
SCPlanetによって実現するサプライチェーン計画業務の改善ポイント
サプライチェーン計画が複雑化する背景
- リスク回避目的や契約条件違いによる複数の調達先
- 多段階連鎖や副生成物をもつ製造工程
- 需要波動や不測時の安定供給を果たす複数工場での並行生産
- 需要市場と輸送コストから配置された複数のマザー倉庫
- 地理特性と災害時ルート確保を考慮した多層の分散デポ
生産計画・物流計画の立案における課題
- 工場-工程-倉庫間の調整・連携を円滑にしたい
- 散在する在庫情報を一元管理して計画立案したい
- 担当者に集中している計画立案ノウハウを形式知化したい
- 需要波動や突発事態に応じて臨機応変に計画変更したい
- 中間在庫の偏在による在庫過多や供給不足を改善したい
市場のニーズに応えるべく事業は常に追従・変革を求められます。また、事業を取り巻く外部環境も大きく変化し続けています。
この状況下で、並行生産や調達/出荷先、輸送手段をリスク分散するなど、サプライチェーンにおけるモノの流れを常に把握して、最適な計画立案を行うことは極めて困難と言わざるを得ません。
キヤノンITソリューションズでは、長年のOR技術(Operations Research)とサプライチェーン計画システムの経験に基づき、システムを構築するためのフレームワークを独自開発しました。
生産計画・物流計画の分野で企業の課題解決と最適なオペレーションを達成するソリューションとして、サプライチェーン計画ソリューション「SCPlanet」を提供いたします。
▼▼ SCPlanetによる課題解決事例はコチラをご覧ください ▼▼
サプライチェーンの業務的意思決定を行うための「PSIネットワーク」
SCPlanetの神経系統である「PSIネットワーク」は意思決定知の変革を促します。
それは計画において意思決定を求められる際に、どの意思入れをすれば、どのように変化するか、という在庫推移をシミュレーションできるため、需給業務における計画担当者の頭脳が判断を行うための俯瞰情報を瞬時に示して未来戦略の決定をサポートします。
<動画解説> PSI計画 ~生産性か? 在庫バランスか?~ [所要時間:4分39秒]
川下でおこる在庫数変動を吸収する余力(欠品回避バッファー)は、川上に遡るほど[ブルウィップ効果]により在庫過多になりがちで、上流の調達部材や仕掛在庫などが積みあがってしまう、という課題も散見されます。
ここでは、複数工場での並行生産を例にした意思決定のプロセス例を動画で解説しています。
SCPlanetのコアとなる[SCPコアライブラリ]とは
SCPlanetのエンジンを成す[SCPコアライブラリ]は、これまでの個別SCP案件で培った計画系システム開発の経験・技術・ノウハウを共通フレームワークとしてSIコア化したプラットフォームです。
多数の製造工程・物流行程によって成るサプライチェーンをモデリングした「PSIネットワーク」をメモリ空間上に構築し、生産計画・物流計画に共通する需給連鎖構造をベースとしております。
これにより、お客さまのサプライチェーンに柔軟に対応でき、適正なサプライチェーン計画の立案が可能となります。
サプライチェーン業務のモデリングと意思決定
生産工程や物流行程は各社さまざまですので、SCPlanetのソリューションではお客様のサプライチェーン構成要素を[SKU]と[工程]にあてはめてモデリングします。これにより、意思決定構造分析による暗黙知の形式知化を行うことができ、どこをどのように押さえるべきかを明らかにして、サプライチェーン業務にSCPlanetで活かすイメージを設計します。
【1】構成要素:SKU
在庫の管理単位(例:モノ×場所)で、日単位あるいは週単位の在庫推移を管理するノードを表します。(時系列にPSI情報を管理します)
メモリ空間上に構築されたPSIネットワークにあるSKU要素のPSI値は、瞬時に連鎖して更新される仕組みです。
(1)P値またはS値を変更する都度、I値の以降未来を再計算
(2)P値を変更した場合、前工程のS値を連動更新
(3)S値を変更した場合、後工程のP値を連動更新
つまり、サプライチェーン上の在庫推移を瞬時に伝播する神経系統のような振る舞いをします。
【2】構成要素:工程/行程
モデリングにおける[工程]とは、前段および後段のSKUとの関係や、部品の所要量、そこでのLT(リードタイム)や製造能力などの情報を定義します。
このノードでは、複雑な各種制約条件などを設定することができます。
- 生産計画を担う[工程]ノードでは、効率よく生産するための完成入庫のタイミングと量を計算するための情報を定義します。その際、生産設備の能力や必要となる部品在庫、段取り替えや材料ロスが最少となるよう、そして、個々の業務における制約条件に合致させるなど、様々なファクターが考慮されます。
また、SCPlanetは、目的生産物以外にできる副製品(連産品)といった “出力が2種以上” にも対応ができる仕組みです。 - 物流計画を担う[行程]ノードは、輸送行程での能力キャップや制約条件などを設定することができるため、引っ張り元(輸送元/発地元)の考慮が可能となります。たとえば、複数の工場で並行生産している場合に、どちらの工場倉庫から、いくら輸送してくるか、といったことも条件設定を加味して計算することが可能となります。
多段階工程が連動する生産計画
製品によっては、原料を工程で処理して仕掛、それをまた次工程で処理する。という工程連鎖により製品を製造していく形態があります。その場合、生産計画については、下工程からの要求量をもとに、工程間のPSIを連動させ、最終的に上工程の必要量を算出し立案していきます。
こうした連鎖的な生産計画の特性をふまえ、SCPlanetでは、部品構成情報やリードタイム等より、上工程/下工程の計画連動と計画立案の自動化を実現します。
<動画解説> 工程を遡って計画立案するイメージ
この解説動画では、3段階の工程において、日ごとにどのように連鎖して更新されるかを説明しています。
出荷数が新たにインプットされたとき、各工程ではどのように計画数に反映されているか、をイメージできます。
[所要時間:2分50秒]
需給調整:PSI画面(事例イメージ)
SCPlanetは、お客さま企業の事業や既存システムにジャストフィットできるようにするため、パッケージソフトのような固定の形態を持っていません。
SCPlanetの適用にあたっては、お客さま企業の事業を深く理解し、お客さまと生産・物流でのあるべき意思決定の姿を共創し、既存システムと調和するように具現化します。
そのため、SCPlanetは高度な計画エンジンを含む計画基盤をライブラリ化したフレームワーク構造となっており、お客さま固有の制約条件に柔軟に対応しつつ、一貫性のある生産計画・物流計画の立案ができる仕組みを実現します。
SCPlanetに組込みができるオプション機能
SCPlanetは、フレームワーク構造をもったライブラリ群で構成されていますが、お客様の要件に応える様々オプション機能が用意されています。
例えば、最適な輸送/配送計画を立案するための下記オプション機能があります。
幹線輸送(1次輸送)計画オプション
工場在庫を各マザー倉庫へ、あるいは物流センターから地域拠点倉庫へ、といった幹線輸送(1次輸送)において、輸送方法や輸送量の上限値を考慮したうえで、最適な輸送計画を立案できます。
積載量・時間軸(輸送タイミング)・拠点軸(どの工場倉庫から運ぶか)の3次元でシミュレーションを行い、物流コスト(輸送・在庫)の最適化を実現します。
- 在庫量と輸送区間のコストを踏まえ、どの工場/倉庫からどれだけ補充するかを計画
- 未来の物流量と、物流リソースとの比較により物流の平準化を実現
輸配送(2次輸送)計画オプション
積載率、走行距離、所要時間などの各種評価指標を自動計算し、効率の良い輸配送計画を立案。ベースとなる「配車SIコア」は、約30種の制約条件判定機能を搭載しており、お客さまの実績データを元に輸配送の最適化シミュレーションを実施して構築します。
地図表示機能は、複数のルートを比較表示でき、配送順や届け先のまとまり度合いを見ることができます。
- 拠点間配送: 工場・倉庫などの拠点間配送(1箇所積み/1箇所下し、複数運行)の形態に対応
- 配送オーダ分割・集約: 1車分を超える配送形態で、適正な分割・集約を実現した配送計画を立案
- ※ 輸配送計画オプションは、単独のソリューションとしてもご提供しております。
SCPlanetの活用イメージ例
SCPlanetは、お客さま企業の事業や既存システムにジャストフィットできるようにするため、パッケージソフトのような固定の形態を持っていません。SCPlanetの適用にあたっては、お客さま企業の事業を深く理解し、お客さまと生産・物流でのあるべき意思決定の姿を共創し、既存システムと調和するように具現化します。そのため、SCPlanetは高度な計画エンジンを含む計画基盤をライブラリ化したフレームワーク構造となっており、お客さま固有の制約条件に柔軟に対応しつつ、一貫性のある生産計画・物流計画の立案ができる仕組みを実現します。
需要予測ソリューションとの連携
SCPlanetはデマンドによる供給計画を投入することで、多段階・並列の複雑な生産計画・物流計画を立案できる、ということが真髄でありますが、供給計画は、フォーキャストに基づく高精度な需要予測を行う必要があります。この需要予測は人知によるところが大きく、計画のブレを生じさせる要因となります。
キヤノンITソリューションズは多くの導入実績を誇る独自技術による需要予測・需給計画ソリューション「FOREMAST」を提供しており、その需要予測エンジン「FOREMAST/DP」を使用することで、出荷実績に基づく精緻な出荷予測を行えます。この予測値をSCPlanetに連携することで、供給計画の立案が大幅に簡略化され、属人性の排除や論理的な未来予測により、生産計画・物流計画の精度向上を図れます。
活用事例
導入に向けての検討プロセス(PoC/業務設計の必要性)
計画業務は難度が高く、期待通りの成果が得られるか非常に気になるところです。例えば、段取替え最少化で生産性UPを目指す一方で、在庫数抑制が必要、生産能力条件と需要を意識した前倒し生産が必要、など… 様々な制約条件や複雑な判断が存在しています。そこで導入検討にあたっては、まずPoCでの検証を行うことをお勧めしています。