MRシステムの基盤ソフトウェア「MREAL Platform」の新バージョンを販売開始
検証精度の向上を実現し、製造現場におけるものづくりを支援
- ニュースリリース
2021年7月16日
キヤノンITソリューションズ株式会社
キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:金澤 明、以下キヤノンITS)は、現実映像とCGをリアルタイムに融合するMR(Mixed Reality:複合現実感)システムの基盤ソフトウェア「MREAL Platform 2021」を2021年7月16日より販売開始します。
キヤノンの光学技術を駆使したMRシステム「MREAL」は、仮想のCGと現実空間とを違和感なく融合し、自由な視点から体験できる映像技術です。MREAL Display、MREAL対応表示アプリケーション、その他デバイスを接続する基盤ソフトウェア「MREAL Platform」で構成され、自動車メーカーをはじめとする製造業において、デザインや設計データの試作回数を減らし、コスト削減を可能にする業務支援ツールとして活用されています。

MREALシステム構成図
このたびの基盤ソフトウェア新バージョン「MREAL Platform 2021」では、アルゴリズムの最適化や空間特徴位置合わせ性能、マスキング精度の向上により、検証精度を大幅に強化しました。加えて、機能モジュールを8分割し、サブスクリプションライセンス※1と併せて、必要な機能を必要な期間、組み合わせてご利用可能とし、システムの低価格化を実現しました。
これらの機能改善により、ハード・ソフトの連携を加速するとともに、ユーザー個別の多種多様な課題解決の期待にお応えし、製造業におけるものづくりを支援していきます。
キヤノンITSは、ものづくり企業としての生い立ちを生かし、長年の研究開発で培った先端技術を強みに、お客さまのニーズに最適なソリューションをワンストップでご提供しています。業務に役立つ多様な商品群や最新のITスキルを駆使した付加価値サービスとともに、お客さまのビジネスと社会の発展に貢献できるエンジニアリング事業の拡大を推進していきます。
- ※1 サブスクリプション1年契約と3年以上契約の2タイプ

<MREAL Platform 2021の主な改善内容>
1)空間特徴位置合わせ強化
- アルゴリズム及びデータ構造の大幅な改善により、安定性を向上
1ピクセル以上の動的ジッター:3.7%→2%以下(キヤノン評価測定条件下) - 特徴点位置合わせのバージョンアップ
体験エリアが従来比の2倍(基準マーカーを中心に空間を動き回るケース) - 登録MAPに更新機能を追加
体験中の環境変化に対し、登録MAPを更新することでより安定した体験が可能 - 体験環境の条件耐久性強化
従来位置合わせが不安定だった反射物が多い環境でも体験が可能(床・ガラス等)
2)カラーマスキング強化
- 立体形状検出精度の向上
手の傾きや指の形をより忠実に再現 - 長物形状検出精度の向上
色認識アルゴリズムの刷新によるチラつき抑制
3)ユーザーインターフェース簡易化
- Configuration Tool UI刷新
直感的かつ簡単操作で、ユーザーの迷い時間を削減
ポカミスの防止や自動設定などにより、初期設定時間を短縮 - Preview Tool 刷新
2モードのプレビュー画面で設定状況を一目で把握 - ハンドマスキングツール刷新
使用時のガイドを設定し、登録手順がよりわかりやすく
色抽出アルゴリズム刷新によりノイズ軽減、抽出レベルを向上 - マニュアルアクセス刷新
初心者にもわかりやすい、操作の流れに合わせた構成に変更
設定画面からアクセスしやすくし、マニュアル閲覧の手間を削減
4)新カメラデバイス連携
- 4K USBカメラへの対応(Logicool Brio Ultra HD Pro Webcam対応)
複数視点映像活用により、MR体験の新たな気づきをもたらす
5)HMD Mirroring Toolの追加
- 体験者映像の共有
HMD体験者の映像を外部ディスプレイに表示し、多人数で情報を共有
6)機能モジュール構造化とサブスクリプションライセンスの導入
- 基本の8モジュールに分割(2つのコアと6つの機能モジュール)
- サブスクリプション1年契約と3年以上契約の2タイプを用意
- 現行ユーザー向けに2種類のアップデート品を用意
<MREAL Platform 2021のラインアップ>
サブスクリプション製品(※1年契約と3年以上契約の2タイプ)
コアモジュール | 説明 | 価格(税別) |
---|---|---|
MRP Core for HMD | 基本機能を備えたモジュール | オープンプライス |
MRP Core for Additional Camera | USBカメラによる客観視点映像の処理に特化したモジュール |
機能モジュール | 説明 | 価格(税別) |
---|---|---|
MRP Color Masking | カラーマスキング機能を利用する際に必要なモジュール | オープンプライス |
MRP Target | ターゲット設定をする際に必要なモジュール | |
MRP Collision Warning | 衝突警告を利用する際に必要なモジュール | |
MRP Tracking sensor (Vicon) | 光学式センサVicon用のモジュール | |
MRP Tracking sensor (OptiTrack) | 光学式センサ OptiTrack用のモジュール | |
MRP Tracking sensor (VRPN) | 光学式センサ VRPN用のモジュール |
<MREAL Platform 2021の製品仕様>
推奨環境
オペレーションシステム | Windows 10 Pro(64bit)日本語/英語 |
プロセッサー | ベースクロック 3.9GHz以上、8コア以上 |
メモリ | 32GB以上 |
グラフィックス | NVIDIA Quadro RTX5000相当 |
※詳細は販売店にお問い合わせください
対応センサ
HMDモーションセンサ | MREAL S1(内蔵) MD-20(内蔵) MD-10(オプション) |
トラッキングセンサ | Vicon、制御ソフト:Vicon Tracker Natural Point Optitrack、制御ソフト:Motive VRPN(Virtual Reality Peripheral Network)に準拠しているセンサ対応カメラ |
対応カメラ
マーカーキャリブレーション用 | 下記の要件を満たすカメラ ・焦点距離(20mm-28mm) ・フォーカスモード |
|
MREAL体験用 | MREAL Display | MREAL S1 / MD-20 / MD-10 |
その他デバイス | Logicool Brio Ultra HD Pro Webcam Microsoft Surface Book3 |
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- ニュースリリースホームページ:canon.jp/newsrelease
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現実空間に、開発中の新型車や建設予定の建物が、実際に目の前にあるかのように現れます。
キヤノンが開発したMRシステム「MREAL」は、現実映像とC G を違和感なく融合し、自由な視点から体験できる映像技術です。
光学技術と映像技術を結集した「MREAL」により、幅広い分野にソリューションを提供しています。
- MREAL Display 1997年から開発がスタートし、これまでの様々なユーザーニーズの変化に応えて改良され、用途に合わせた2つの機種をご用意しています。
- MREAL Platform MREAL Platformは、MREAL対応表示アプリケーションとMREAL Display、その他デバイスを接続するMREALの基盤となる専用ソフトウェアです。位置合わせに必要な位置姿勢情報、センサシステムとの連携、カラーマスキングなど、システムの各種設定を行います。
- MREAL表示アプリケーション MREALの表示には現実空間にCGを表示するためのMREAL対応アプリケーションソフトウェアが必要です。キヤノン製のMREAL専用アプリケーションに加え、各種3D-CADや3Dソフトウェアに対応可能なアプリケーションラインナップをそろえております。
- MREAL Visualizer MREAL Visualizerは現実映像に3D-CGを表示する専用ソフトウェアです。MREAL Display装着者の位置姿勢計測情報を元に、現実映像に3D-CGを合成します。
- MR Plug-in for Unity
◆MRコンテンツ制作の作業効率を大幅に向上
多くの開発者に利用されているゲームエンジン「Unity」。
既存プロジェクトにインポートするだけで、Unityで制作した高精細3Dグラフィックスを手軽にMREAL用コンテンツに変換できます。
◆MREALの基本ソフトウェア「MREALプラットフォーム」の主要機能に準拠
自身の手を仮想画像上に重ねるハンドマスク機能、透明モデルを設定することで現実物体と仮想物体の位置関係を正しく重ね合わせるオブジェクトマスキング機能など、MREALならではの機能を標準的に活用できます。 - XVL Studio Pro for MREAL
XVL対応ハイエンド3Dビューワ「XVL Studio Pro」のMREAL向け専用ソフトウェアです。
「XVL Studio Pro」が搭載する多彩な機能(工程機能・干渉チェックなど)で表示したデータをMREALで確認できるようになります。
仮想空間においてより現実的に、車、建設機械、造船等の大規模製品や製造設備のデザインレビュー、デジタルモックアップさらに作業環境の検証やメンテナンス作業の体験等が行え、製造業はもとより、建築、建設土木分野まで幅広い分野での活用が可能となります。
・実際の組立工程順と連動したバーチャル工程検討
・作業者の部品組み付け時に、動的な干渉チェックを仮想空間で実現
・3Dモデルへ検証結果を直接記録
■販売元: キヤノンITソリューションズ株式会社
■開発元: ラティス・テクノロジー株式会社 - XVL Studio Hybrid for MREAL
点群データをそのままXVLとして取り込み活用可能な「XVL Studio Hybrid」のMREAL向け専用ソフトウェアです。点群を含む大容量の3Dモデルの検証がMR空間で行うことができます。
■販売元: キヤノンITソリューションズ株式会社
■開発元: ラティス・テクノロジー株式会社 - 人物合成映像システム