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デジタルでつなぐ!社内外コミュニケーションを一元管理で加速しよう
キヤノンITソリューションズ 共想共創フォーラム2025イベントレポート

ビジネスの拡大やスピード向上において、社外ステークホルダーとのコミュニケーションは欠かせない要因です。しかし、未だに多用されている電話/Fax/メールでの情報連携では、対応履歴がバラバラに管理されて状況が追いづらく、対応漏れや重複といったリスクが存在します。これらに代わる「スマートデバイス&クラウド時代の手段」で、デジタル化と一元管理を容易にし、さらには社内システムへとつなげることで「顧客体験価値の向上を目指す」その実現例をデモを交えて紹介します。

キヤノンITソリューションズ株式会社
西日本ソリューション事業部 西日本ソリューション営業本部 第一営業部
石塚 雅也

キヤノンITソリューションズ株式会社
西日本ソリューション事業部 西日本ソリューション開発本部 第六開発部
東 篤志

セミナー動画(視聴時間:26分30秒)

社内外コミュニケーションの課題

現代のビジネス環境では、社内外のステークホルダーとの円滑なコミュニケーションが、業務のスピードと品質を左右する重要な要素となっています。しかし、依然として電話・FAX・メールといった従来の手段に頼った情報連携が多くの現場で行われており、そこには見過ごせない課題が潜んでいます。
たとえば、電話の不在着信による連絡の行き違い、FAXの受信確認の遅れ、メールの埋もれによる見逃しなど、誰もが一度は経験したことのある“ちょっとしたミス”が、業務の遅延や対応漏れを引き起こし、最終的には取引先からの信頼を損なうリスクにつながります。業務担当者は、複数のツールを使い分けながら、メモや添付ファイルなど点在する情報を整理し、Wチェックやステータス管理を行う必要があります。こうした複雑な業務環境のまま、取引先や案件数が増加すれば、担当者の負荷は限界を迎え、組織全体の信頼性にも影響を及ぼしかねません。

デジタル化促進のためのポイント

社内外の情報連携を効率化し、業務品質と信頼性を高めるためには、単なるツールの導入ではなく、業務全体の「デジタル化」と「一元管理」を前提とした仕組みづくりが不可欠です。
デジタル化促進においては、三つのポイントに着目しました。

  • 従来手段の“長所”を理解し、活かす

    電話・FAX・メールにはそれぞれ利点があります。たとえば、電話は即時性、FAXは操作の簡便さ、メールは履歴管理と添付機能に優れています。これらの“使われ続けている理由”を理解したうえで、短所を補い、長所を活かす代替手段を設計することが重要です。

  • スマートフォンの活用

    スマートフォンは、操作の手軽さと高い普及率(世帯別使用率90%以上)を背景に、業務連絡の即時性と柔軟性を提供します。チャット、カメラ、GPSなどの機能を活用することで、従来の電話・FAX・メールに代わる直感的なコミュニケーションが可能になります。また、スマートフォンの直感的な操作性により、社外ステークホルダーも導入時の心理的負担が軽減され、利用の定着が期待できます。

  • クラウドによる情報の集約と共有

    クラウドは、物理的なインフラを必要とせず、スモールスタートで素早く、柔軟な環境構築が可能です。特に、ファイル保管や社内ポータルとしての利用が進んでおり、情報の保存・共有・履歴管理に最適です。クラウド上に構築された「コミュニケーションプラットフォーム」により、社内外のやり取りを一元化し、履歴付きで蓄積・活用することができます。
    これらのポイントを踏まえ、「スマートフォン×クラウド×UX設計」を指向し「コミュニケーションプラットフォーム」による解決を図りました。

これにより、コミュニケーションだけでなく、情報活用の幅も広がります。

業務フローの統合と効率化

プラットフォーム上では、見積依頼から回答、社内決裁、発注までの一連の流れが完結できるようにしています。具体的には、

  • 見積依頼の送信と回答の受信
  • チャットによる双方向コミュニケーション
  • ファイルのアップロードと履歴管理
  • AI-OCRによる文書の自動読み取り
  • 社内ワークフローとのAPI連携による申請・承認処理

これにより、業務の進捗が可視化され、対応漏れの防止と業務効率の向上が実現します。

他システムとの連携

プラットフォームは、REST APIを活用して社内外の各種システムと連携可能にしました。たとえば、

  • Microsoft SharePointとの連携による文書の自動保管
  • Outlookとの連携によるタスク・予定の管理
  • 基幹システムや営業支援ツールとの連携による業務の拡張性

これにより、コミュニケーションだけでなく、情報活用の幅も広がります。

コミュニケーションプラットフォームのデモンストレーション

本セッションでは、社内外の受発注業務における情報連携を効率化する「コミュニケーションプラットフォーム」の操作を実演しました。

  • 見積依頼の送信(社内ユーザー)
  • 見積回答の作成・送信(仕入先ユーザー)
  • 社内での回答確認と決裁申請処理
  • 社内ワークフロー発注システムとの連携・承認
  • SharePointへのドキュメント自動格納
  • スマートフォンによる直感的な操作とカメラ連携

この一連の流れを通じて、電話・FAX・メールに依存しない業務スタイルの実現と、情報の一元管理・履歴管理の有効性が紹介しています。

柔軟なしくみを短期間で構築することができるローコード開発

ここまでご紹介した「コミュニケーションプラットフォーム」は、キヤノンITソリューションズが自社開発したローコード開発ツール「WebPerformer」および「WebPerformer-NX」を活用して構築いたしました。

二つのツールの特徴

  • WebPerformer

    データ志向で堅牢な業務システムの構築に適したツールです。20年以上の開発実績があり、約1,500社への導入実績を誇ります。

  • WebPerformer-NX

    ユーザー視点で直感的な操作性を重視したアプリケーションを生成可能。画面設計や操作性に優れ、現場主導の開発に最適です。この2つのツールを組み合わせることで、利用者の目的や業務内容に応じたアプリケーションを、迅速かつ柔軟に構築することが可能となりました。

REST APIによるシステム連携

ローコード開発ツールは、外部のWebサービスと連携するための「REST API」機能を標準で備えており、以下のような連携が可能です。

  • 外部サービスをREST形式で呼び出す
  • REST形式で利用可能なWebサービスプロバイダの作成
  • 社内ワークフローやSharePointなどの既存システムとのシームレスな連携

これにより、開発者は“簡単に”そして“スピーディーに”周辺システムと連携するアプリケーションを構築できます。

「コミュニケーションプラットフォーム」の構築に活かされた、二つのツールのメリット

スマートフォンのデバイス機能を活かしたUX設計

デモでは、FAX送信に代わる手段として、スマートフォンのカメラ機能を使って見積書を撮影・送信する操作を紹介しました。これは、スマートフォンが持つ「直感的な操作性」と「多機能性」を業務アプリに組み込むことで、利用者に“使いたくなる”体験を提供する好例です。

  • カメラ機能による文書送信
  • GPS連携による位置情報の活用
  • その他デバイス機能(マイク、通知、センサー等)との連携も可能

WebPerformer-NXでは、こうしたスマートフォンの機能を柔軟に取り入れたアプリケーション開発が可能です。

アプリライブラリによる開発効率の向上

WebPerformer-NXには、すぐに使えるアプリケーションの「ひな型」が格納された「アプリライブラリ」が用意されています。開発者はこのライブラリからテンプレートを取得し、業務に合わせてカスタマイズすることで、短期間かつ低コストで高品質なアプリケーションを構築できます。

  • 初期設計の手間を削減
  • 品質の均一化とスピード開発を両立
  • 現場主導のアジャイル開発にも対応

デジタル化された情報の活用と連携技術

デモでは、スマートフォンで撮影された書類画像をOCR処理し、社内ワークフローへ連携する一連の流れが紹介しました。このように、デジタル化された情報は単なる保存にとどまらず、業務プロセスの自動化・効率化に活用されます。

  • AI-OCRによる自動読み取りと入力補助
  • REST APIによる社内システムとのシームレスな連携
  • SharePointやOutlookなど外部サービスとの統合も可能

これらの技術を組み合わせることで、業務の一元化と情報活用の高度化を実現しています。

まとめ

本セミナーでは、社内外のステークホルダーとの情報連携における課題を起点に、業務の信頼性と効率性を高めるための「デジタル化」と「一元管理」の重要性をお伝えしました。さらに、この柔軟な仕組みを短期間で構築可能にするローコード開発ツール「WebPerformer」および「WebPerformer-NX」の活用事例もご紹介し、現場主導での業務改善の可能性を具体的に紹介しました。

今後も、業務の現場に寄り添いながら、使いやすく、使いたくなる仕組みづくりを通じて、皆様のビジネスの成長を支援してまいります。


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