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BPO×ITの最適解は「内製化」だった~事業部門でのローコード開発~キヤノンITソリューションズ 共想共創フォーラム2025イベントレポート

システム開発は専門部署や外注先が行う—そんな常識が、IT人材不足の影響を受けて変わりつつあります。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を展開する事業部門が、自らローコード開発ツールを用いて業務システム開発を内製化した事例を紹介します。BPOの現場で、なぜ「内製化」が最適解となったのか?事業部門主導で、即応力のあるIT活用に関心のある方、ローコード導入を検討中の方におすすめのセッションです。

キヤノンITソリューションズ株式会社 
デジタルビジネス営業本部 事業企画部 部長
佐本 真司

キヤノンITソリューションズ株式会社
デジタルビジネス統括本部
高橋 嘉文

セミナー動画(視聴時間:28分36秒)

行政機関向け申請審査業務の内製化事例

本セッションで紹介したのは、行政機関の補助金申請審査業務を対象としたアウトソーシング案件において、事務局業務とそれを支えるシステムを事業部門が自ら内製化した事例です。申請受付から審査、進捗報告、精算までの一連の業務を、クラウド型ローコード開発プラットフォーム「WebPerformer NX」で構築。申請者と事務局がシステム上で直接やり取りする仕組みを実現しました。

なぜ「内製化」だったのか

従来の外部委託型では、業務設計とシステム設計が分断され、改善の柔軟性やスピードに課題がありました。そこで、業務とシステムを一体で設計・運用できる体制を構築するため、事業部門による内製化に踏み切ったのです。特に、短期間での初期リリース、頻繁な仕様変更、要件の不確定性といったといった難しさを抱えており、従来の方法では対応が困難と判断されました。

内製化に向けた準備と体制

内製化にあたっては、かかる開発費用はどう処理するのか?かかったコスト相当額を契約上適切に回収できるのか?セキュリティ面、品質面のチェックはどのように行うのか?など、社内関係者との調整・合意形成も重要でした。経理・法務・情報セキュリティ・品質監理などの部門と情報連携し、IT部門が関与する開発と同様の管理体制を整備したことで、開発を担当するメンバーが安心して進められる準備が整えられました。
ツール選定においては、ノーコード製品も検討されましたが、拡張性や柔軟性の観点からWebPerformer-NXが選ばれました。クラウド上で動作し、インフラ構築が不要である点、細かな要件にも対応可能な自由度、国内ベンダーならではのサポート体制が決め手となりました。

内製化プロジェクトを支えたローコードプラットフォーム・WebPerformer-NX

WebPerformer-NXは、クラウドネイティブな開発環境とセキュアな実行基盤を備え、インフラ構築や運用管理の負担を軽減でき、企業間業務やコミュニケーションのデジタル化に適したローコード開発プラットフォームです。ハンズオン動画や定期的な体験セミナーを開催しており開発のハードルを下げる環境が整っています。

アジャイル型開発による柔軟な推進

プロジェクトではアジャイル型の開発スタイルが採用され、業務設計、画面設計、ロジック実装をほぼ並行して進められました。デザインについてはポリシーを明確化して統一感のあるUIを実現する一方、定形外の業務や例外対応といった後から出てきた要件については随時柔軟に対応し、追加改修もシステムを止めることなく行われました。
開発メンバーとしては、SE経験者に加え、入社間もない開発未経験の社員も携わりました。Eラーニングや実践的なアプリ開発を通じて短期間でローコード開発に習熟し、戦力として開発チームに貢献できたといいます。さらにWebPerformer-NX認定パートナー企業の支援も加え、プロジェクトを成功に導きました。

クラウド型DX推進プラットフォームの活用例

顧客との間で発生する不特定多数のやり取りを効率化し、
社内DXをも推進するために必要な「新しい開発」の在り方とは?

導入前

キヤノンマーケティングジャパン株式会社のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業ではこれまで、業務のデジタル化を含めたBPOオペレーションの設計を行う際には、顧客指定のベンダーが開発したシステムを使っていました。BPOプロジェクトはスタート期間が1~2か月程度と短いことが多く、頻繁な改修が必要にも関わらず、システム開発の時間が限られてしまうことも問題となっています。

今後の展望

今回の成功を踏まえ、他のアウトソーシング案件にもローコード開発の展開が検討されています。スマートフォンによる申請や生成AIによるコード提案機能の活用なども視野に入れ、より価値の高いサービス提供に向けた取り組みを進めていくという今後の展望が語られました。

本セッションでは、事業部門による内製化の実践が、業務とシステムの一体化を可能にし、柔軟性・スピード・品質を兼ね備えた業務改革を実現することが示されました。WebPerformer-NXは、こうした挑戦を支えるプラットフォームとして、今後も企業のDX推進に貢献していきます。

クラウド型DX推進プラットフォーム WebPerformer NX

WebPerformer-NXロゴ画像

WebPerformer-NXは、業務担当とIT担当が共に業務のデジタル化を進められるよう支援し、その先にあるビジネスの変革を促すDX(デジタルトランスフォーメーション)推進プラットフォームです。アプリケーション開発の効率化・高度化を支えるだけではなく、多様で複雑な業務プロセスのデジタル転換をも促します。
時代のニーズに合わせた業務変革を加速させ、DX実現を目指す皆様の歩みを、WebPerformer-NXが支援いたします。


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キヤノンITソリューションズ株式会社 (デジタルイノベーション事業部門) デジタルビジネス統括本部 デジタルビジネス営業本部