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「次世代のAIスマートカメラ」[2023.3.22]
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シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第39回)
「次世代のAIスマートカメラ」[2023.3.22]

次世代のAIスマートカメラ

前回第38回コラムに、クロスインダストリー領域に向けた、AGVやサービスロボットなど移動ロボットで利用されるイメージング技術、VSLAM(自己位置推定)技術について紹介しました。
その中で、ステレオセンサとIMU(ジャイロセンサと加速度センサ)を搭載し、リアルタイムに自己位置推定ができる小型デバイスについてふれましたが、今回は、シン・イメージング技術(自己位置推定技術+AI画像処理技術)に対応した、次世代AIスマートカメラについてご紹介いたします。

シン・イメージングとは

次世代ハイエンドAIスマートカメラ「SiNGRAY Stereo PRO」

次世代ハイエンドAIスマートカメラ
「SiNGRAY Stereo PRO」

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シン・イメージング(英:Shin Imaging)とは、クロスインダストリー(異業種間連携)による超スマート社会で利用される”移動性”、”携帯性”、”機動性”を備えた最新のイメージング技術を指します。 これまでのイメージング技術は、製造業を中心に、固定設置された産業用カメラを用いた外観検査が主な用途となっていましたが、スマート社会においては、AGV/AMRなどの自律走行車、空中や上空を利用するドローン、認識と駆動を利用するサービスロボットなどを利用した、自動化や無人化が進められています。

移動しながら画像処理を行うためのシン・イメージング対応デバイスとしては、今どこにいて、どの方向を向いているかを把握するための“自己位置推定技術”、また、移動しながら現れるさまざまなターゲットの識別や認識を行うための“2D及び3Dセンシング技術”、さらに、センシング映像に対する高度な画像処理を行うための“AI画像処理技術”を搭載したものとなります。
昨今、シン・イメージング技術対応デバイスは続々と登場していますが、本コラムでは、1例として、当社取り扱いのHMS社製「SiNGRAY Stereo PRO」をご紹介いたします。

次世代ハイエンドAIスマートカメラ「SiNGRAY Stereo PRO」

「SiNGRAY Stereo PRO」製品仕様

「SiNGRAY Stereo PRO」
製品仕様

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SiNGRAY Stereo PROは、2D、3Dセンサおよび、IMUを利用した自己位置推定処理と、AIプロセッサを搭載したハイエンドなAIスマートカメラです。
まず、センサとしては、1つのデバイス内に、2Dカラーセンサ、3Dステレオセンサ、3DToFセンサと、3種類のイメージセンサと、自己位置推定のためのIMU(ジャイロセンサおよび加速度センサ)を搭載しています。

さらに、OpenVINO対応のIntel AIプロセッサを搭載しており、センシングした2Dカラー画像や3D画像に対して、高度なAI画像処理を利用できます。
物体検出や分類、ポーズや、ジェスチャー認識などを1台のカメラに組み込み、実行可能です。認識機能までを含めたデバイス機器としてロボットなどに搭載したり、2Dや3Dセンシングで撮像した映像をリアルタイムに出力することで、外部機器での利用もできます。開発環境としては、Windowsおよび、Linux対応のSDKが用意しており、簡単に撮像制御から認識処理まで構築できます。

今回のまとめ

今回は、スマート社会に向けたシン・イメージング対応の次世代AIスマートカメラをご紹介しました。他社製品も含め、様々な業界・業種のDXに利用できる小型デバイスとなっていますので、ご興味のある方は、是非お問合せいただければと思います。

 

筆者紹介

シニアアプリケーションスペシャリスト 稲山

稲山 一幸(いねやま かずゆき)

エンジニアリング事業 シニアアプリケーションスペシャリスト

1992年住金制御エンジニアリング入社、Matrox社製品の国内総代理店立ち上げに参画、以降25年マシンビジョン業界に携わる。
2013年~2016年、キヤノン株式会社にてマシンビジョン関連の新製品開発のソフトウェアリーダとして従事。現在は、エバンジェリストとして活躍中。

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