給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは?企業が管理する必要性や注意点を解説トレンド情報
公開日:2025年3月15日
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは、給与所得者が扶養する家族の人数や状況に変更があった場合に、その内容を申告するための書類です。
この書類は、給与所得者だけでなく、給与を支払う企業にとっても重要な書類となります。なぜなら、この書類に基づいて、給与から源泉徴収される所得税や住民税の額が決まるからです。
つまり、この書類が正しくなければ、給与所得者は過少または過大な税金を納めることになりますし、企業も税務署から指摘や課徴金を受ける可能性があります。
そこで今回は、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書について、企業が管理する必要性や注意点を解説します。企業の人事や経理を担当する方は、ぜひ参考にしてください。
目次
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは?
以下では、扶養控除の制度や給与所得者の扶養控除等(異動)申告書について解説します。
扶養控除とは
扶養控除とは、給与所得者が自分以外の家族を扶養している場合に、その家族の数や条件に応じて、所得税や住民税の課税対象となる所得額を減らすことができる制度です。
扶養控除の対象となる家族は、配偶者、子供、父母、祖父母、兄弟姉妹などで、一定の要件を満たしている必要があります。
扶養控除の種類には、基本的な扶養控除、配偶者控除、寡婦控除、ひとり親控除、特定扶養親族控除などがあります。
扶養控除等(異動)申告書の目的と内容
扶養控除等(異動)申告書とは、給与所得者が扶養控除などの諸控除を受けるために提出する書類です。
扶養控除等(異動)申告書には、給与所得者の氏名や住所、扶養する家族の氏名や生年月日、その年に扶養家族に変更があった場合の異動月日や事由などを記入します。
扶養控除等(異動)申告書は、国税庁が作成した標準様式であり、個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」と統合されています。
扶養控除等(異動)申告書の提出方法と期限
扶養控除等(異動)申告書は、給与を支払う会社や団体に提出します。
扶養控除等(異動)申告書の提出は、原則として次のタイミングです。
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✔給与所得者が新たに就職した場合は、就職した年度内に提出する
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✔給与所得者が既に就職している場合は、その年度内に扶養家族に変更があった場合や翌年度以降も引き続き扶養家族がいる場合は、その年度末までに提出する
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✔給与所得者が退職した場合は、退職した年度内に提出する
扶養控除等(異動)申告書を提出することで、給与から源泉徴収される税金を適正に計算することができます。また、年末調整や確定申告の際にも必要な書類です。
扶養控除等(異動)申告書を提出する必要がある人とは?
扶養控除等(異動)申告書を提出する必要がある人は、以下のような人です。
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✔給与所得者で、扶養控除や配偶者控除などの諸控除を受けるために、勤務先に申告する人
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✔兼業している人で、主たる給与の支払者に対して申告した人
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✔兼業している人で、主たる給与が控除額よりも少なく、従たる給与からも控除を受けようとする人
扶養控除等(異動)申告書は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日までに提出する必要があります。
また、申告書の記載内容に変更があった場合には、その変更の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに再度提出しなければなりません。
扶養控除等(異動)申告書は、給与から源泉徴収される所得税や住民税の額を決める重要な書類です。正しく提出することで、自社や各従業員の税負担を適正化することが可能です。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を企業が管理する必要性
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは、給与所得者が扶養控除や配偶者控除などの諸控除を受けるために、勤務先に提出する書類です。この書類によって、給与から源泉徴収される所得税や住民税の額が決まります。
企業がこの書類を管理する必要性としては、以下のようなものがあります。
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✔給与所得者の扶養家族に変更があった場合、その年の年末調整までに異動申告書を提出することで、過不足なく正しい税額を徴収できる
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✔給与所得者の扶養家族に変更がない場合でも、毎年12月に翌年分の申告書を提出することで、翌年の源泉徴収額を予め把握できる
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✔企業には、給与所得者から提出された申告書をもとに、源泉徴収票や給与支払報告書などの必要な書類を作成し、税務署や市区町村に提出する義務がある
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✔企業は、給与所得者から提出された申告書を保存し、税務調査などの際に必要に応じて提示する義務がある
以上のように、企業は給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を管理することで、正確かつ円滑な源泉徴収業務を行うことができます。また、給与所得者も自分の税負担を適正化することが可能です。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を企業が管理する際の注意点
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を企業が管理する際は、以下のような注意点があります。
申告書は、給与所得者が扶養控除や配偶者控除などの諸控除を受けるために、勤務先に提出する書類です。この書類によって、給与から源泉徴収される所得税や住民税の額が決まります。そのため、企業は給与所得者から提出された申告書をもとに、源泉徴収票や給与支払報告書などの必要な書類を作成し、税務署や市区町村に提出しなければなりません。
また、企業は給与所得者から提出された申告書を保存し、税務調査などの際に必要に応じて提示する義務があります。
企業は、給与所得者の扶養家族に変更があった場合に、その年の年末調整までに異動申告書を提出することで、過不足なく正しい税額を徴収することが可能です。また、給与所得者の扶養家族に変更がなくても、毎年12月に翌年分の申告書を提出することで、翌年の源泉徴収額を予め把握することができます。
そして、企業は申告書の記載内容に誤りや不備がないかを確認し、必要に応じて訂正や補足を求めることができます。
企業は、申告書の記載内容に基づいて控除を適用することができますが、その際には、控除の要件や条件を十分に理解し、適切な判断を行うことが必要です。
【企業向け】扶養控除等(異動)申告書に関するよくある質問Q&A
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Q1請求された年分以外の扶養控除等(異動)申告書を入手する方法は?
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A1
請求された年分以外の扶養控除等(異動)申告書を入手する方法は、国税庁のホームページからダウンロードすることができます。こちらのページにアクセスして、必要な年分の申告書を選択してください。また、記入例や外国語版もありますので、ぜひ参考にしてください。
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Q2請求された年分以外の扶養親族などがいる場合はどうすれば良いですか?
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A2
請求された年分以外の扶養親族などがいる場合は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日までに、扶養控除等(異動)申告書を給与の支払者(会社)に提出する必要があります。また、中途入社の場合は、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日までに提出するように促します。
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Q3請求された年分以外の扶養親族などがいなくなった場合はどうすれば良いですか?
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A3
請求された年分以外の扶養親族などがいなくなった場合には、その異動の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに、異動の内容等を記載した扶養控除等(異動)申告書を給与の支払者(会社)に提出する必要があります。そこで、申告書には異動事由や異動日などを明記するように伝えましょう。
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Q4扶養控除等(異動)申告書はいつまでに提出しなければなりませんか?
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A4
扶養控除等(異動)申告書は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日までに提出させましょう。中途入社の場合は、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日までに提出するように促します。また、当初提出した申告書の記載内容に異動があった場合は、その異動の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに異動の内容等を記載した申告書を提出してもらう必要があります。
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Q5扶養控除等(異動)申告書はどこに提出すれば良いですか?
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A5
扶養控除等(異動)申告書は、給与の支払者(会社)に提出する書類です。この申告書は、本来給与の支払者を経由して税務署長及び市区町村長へ提出することになっていますが、給与の支払者に対して税務署長及び市区町村長から特に提出を求められた場合以外は、提出する必要はありません(給与の支払者が保管しておくことになっています)。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書のまとめ
このように、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、従業員を雇用する企業が保管・管理すべき重要な書類です。そこで、クラウド会計システムを活用して、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の管理を簡素化するのがおすすめです。
例えば、クラウド会計システムに給与所得者の個人情報や扶養親族の情報を登録しておくことで申告書の記入を自動化することができたり、クラウド会計システムに給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を電子的に保存しておくことで、必要な時にすぐに参照したり印刷することも可能です。
適切なクラウド会計システムを導入することで、企業の人事管理や経理のプロセスを効率化し、正確な管理を行うことができるでしょう。
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