エンジニアリングチェーンにおける「DX」の進め方コラム
- 1~今さら聞けない「DX」と現在の推進状況~
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デジタルトランスフォーメーション(DX)は、「何かアプリやシステムを導入すればDXだ」と思われている方がまだ多いようです。DXとは、『データとデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセスを変革し、企業の競争力を高める』ことと定義されています。単純な情報や業務のデジタル化ではありません。DXによって、ビジネス戦略とITシステムを迅速かつ柔軟に変革していく企業を「デジタル企業」と呼びます。。
- 2~本格的にDXをはじめる5つのポイント~
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DXの推進には「経営トップのリーダーシップ」が不可欠です。
テレワークの導入率を例に考察します。東京オリンピック・パラリンピックへ向け、テレワークの導入が急務とされていましたが、2020年3月の時点では東京都内のテレワーク導入率は24.0%と低いものでした。しかし、コロナ禍の緊急事態宣言発出で、状況は一変し、各企業のトップが動きます。翌月のテレワーク導入率は62.7%と、たった1か月で大幅に増加する結果となりました。このように、これまでは何の疑問も持たず、変革の必要性を感じることのなかった企業文化も、経営トップのコミットメントの下では、速やかに変革することができるということが示されました。 つまり、経営トップのリーダーシップが、DXの最も大きな推進力だということです。
- 3~VUCA時代において製造業がとるべき戦略とは~
- VUCA(ブーカ)とは、 Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字から成る造語です。元々、冷戦終了に伴う複雑化した国際情勢を示す用語でしたが、社会環境の複雑性が増し、想定外の出来事が起こる、予測不能な現在の状況を表す言葉として用いられています。
- 4~PLMシステム導入による変革ステップ~
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不確実性が高まっている現在、膨大な投資はリスクを伴います。小さく始めて、小さな効果を素早く出しながら進めることで、投資規模を抑えつつ、変革の実感を繰り返していくことが、エンジニアリングDXの成功の秘訣です。Step1で設計開発部門のPDMレベル。Step2、3で部門をまたがるPLMレベル、Step4で昨今の新技術を使うレベルへと拡大していきます。目的や対象業務を絞って段階的に進めていきます。PLMパッケージの標準機能を最大限活用し、段階的に業務へ適用することで短期的に効果を積み上げます。