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システム開発現場の進化に貢献するローコード開発~WebPerformer20年の歩みと挑戦~キヤノンITソリューションズ 共想共創フォーラム2025イベントレポート

ローコード開発ツール「WebPerformer」は今年、リリース20周年を迎えました。これまでお客さまの市場や業務環境の変化に応じることでどのように進化してきたか、これからはどのような未来を見据えているのか。さまざまなシーンで活用されている事例を紹介します。さらに、迫りくる社会課題に対し、ローコード開発がどのように解決できるのか?その提供価値について、最新技術とともにお話しします。

キヤノンITソリューションズ株式会社
デジタルビジネス営業本部 事業企画部 ローコードエバンジェリスト
宮﨑 陽子

セミナー動画(視聴時間:29分35秒)

はじめに

本セッションでは、キヤノンITソリューションズが提供するローコード開発ツール「WebPerformer」の20周年を記念し、その歩みと今後の展望について紹介しました。2005年のリリース依頼、多くの企業の業務改革を支え、現在では約1,500社のお客さまに導入されるまでに成長しています。20年にわたり現場の声に耳を傾け、技術革新と市場ニーズに応じて進化を遂げてきたWebPerformerの魅力を、導入事例を交えてお伝えします。

DXを成功に導く、ローコードプラットフォーム

急成長するローコード市場とその背景

~WebPerformerシリーズが描く、開発現場の未来~

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、ローコード開発市場は急速に拡大しています。2022年度から2027年度にかけてのCAGR(年平均成長率)は14%と予測され、2025年には市場規模が1,000億円を超える見込みです。WebPerformerは、こうした市場の成長を牽引する国産ローコード開発ツールとして、柔軟性と拡張性を兼ね備えた開発基盤を提供しています。

WebPerformerの進化と市場での評価

WebPerformerは、JavaベースのWebアプリケーションを自動生成する開発ツールとして誕生しました。2008年のリーマンショック以降、少人数・短期間・低コストでの開発ニーズが高まる中、アジャイル開発やデブオプスとの親和性を高め、進化を続けてきました。9年連続で「シェアNo.1」の評価を受け、UI/UXの向上やマルチブラウザ対応、SPA構成の実現など、時代の要請に応じた機能強化が図られています。

  • デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「ローコード/ノーコードプラットフォーム市場動向 2024年度版」 <『設計・コード生成型』ライセンス市場動向より>

導入事例:現場の課題を解決するWebPerformerの実力

基幹システムからのマイグレーションに活用

LPガスおよびウォーターサーバー事業を展開する、ある老舗企業では、20年以上にわたりオフコン上で稼働していた基幹システムの老朽化が深刻な課題となっていました。独自言語で構築されたシステムは保守性が低く、変更に多大な時間を要する状態であり、サブシステム間の情報連携も不十分でした。その結果、同一情報を複数箇所に手入力する非効率な業務が常態化し、特定の担当者しか扱えない処理も多く、属人化が進行していました。

このような状況下で、このお客さまから求められたのは「既存資産を活かしつつ、安全かつ段階的に移行できる開発基盤」でした。選定されたのがWebPerformerです。選定理由としては、ローコードによる迅速な開発、旧システムのデータベース活用による段階的マイグレーション、事前のハンズオン体験による開発のしやすさが挙げられます。

導入に際しては、複数回の説明会の実施、画面上から直接アクセス可能なマニュアルの整備、サポートフォーラムの開設など、ユーザー支援体制を強化。これにより、比較的スムーズな新システムの定着が実現しました。

導入の成果として、旧システム資産を活かしつつ、リスクを抑えた段階的マイグレーションの成功、データの一元化による業務の二度手間・三度手間の大幅削減、経営指標の迅速な作成による戦略的意思決定スピードの向上が挙げられます。

Excelマクロ開発に変わる、アジャイル開発スタイルに対応

ある保険業のお客さまでは、Excelのマクロを使って業務に対応していることに限界を感じられていました。営業部門の要望に迅速に対応するため、少人数チームで「まず動かす」ことを重視した開発を推進、継続することが課題でした。

スピード感のある対応、Excelマクロの延長線上でも理解できる操作性、柔軟な機能拡張が可能な点が評価され、営業IT推進室が主導して、アジャイル開発スタイルに対応可能なWebPerformerを導入。
社内システム「見安箱」による要望収集と優先順位付けを現場主導で行い、導入後は、「完璧を目指す前にまず動かす」というアジャイルの本質に基づき、70点の完成度でリリースし、フィードバックを受けて改善するという運用を徹底。社内では「ワンクリックツール見安箱」というシステムを構築し、開発要望を投稿・共有。共感の多い順に対応することで、現場主導の優先順位決定が可能となりました。

成果としては、1年間で24システムを内製化。業務の即応性が飛躍的に向上し、他部門からの開発依頼も増加しました。社内での開発スピードの認知が向上、リリース後の修正も容易で、業務改善のサイクルが迅速に回る体制を構築しました。

紙・Excel・FileMakerによる煩雑な管理業務からの脱却

テレビ番組や動画編集を専門とするポストプロダクションを行うお客さまでは、、東京・大阪の複数拠点でスタジオスケジュール管理を紙・Excel・FileMakerで分散管理しており、非効率な運用が課題でした。スタジオ数の増加と24時間稼働体制の中で、管理業務は「複雑なパズル」と化していました。

WebPerformerの導入によるSPA(シングルページアプリケーション)で刷新。柔軟な機能実装とAPI連携による拡張性、SPA構成によるスマートフォン対応、UIエディターを用いた画面設計の現場即決が評価されました。

導入の成果として、スマートフォン対応のスケジュール共有が実現、紙・Excel・FileMakerによる煩雑な管理業務からの脱却、人事・請求など外部SaaSとのAPI連携による他業務の効率化が達成されました。

WebPerformerの技術的進化と今後の展望

WebPerformerは、設計情報をもとにJavaベースのWebアプリケーションを自動生成するだけでなく、設計書出力やテスト支援機能など、システム開発全体の自動化を推進しています。今後は、生成AIとの連携により、開発担当者に加え、業務担当者に向けての負荷軽減や品質向上を目指すべく検討を進めています。

生成AIとローコード開発の融合によって、より柔軟で持続可能な開発体制の構築が期待されます。WebPerformerは、現場主導の開発を支える実践的なツールとして、これからも進化を続けてまいります。

ローコード開発ツール・WebPerfomerについて詳しくは、こちらをご覧ください。

ローコードで超高速開発
Webアプリケーション自動生成ツールでシステム開発革新を

WebPerformerロゴ画像

導入社数累計1,500社以上、WebPerformerは、Webシステムを素早く開発できるローコード開発プラットフォームです。
直感的な開発、素早いリリース、自動生成による品質の均一化などにより開発期間が短縮でき、システムを利用するビジネス部門と開発部門との共創型開発を実現し、ビジネス環境の変化にも柔軟に対応したシステム構築が可能となります。


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キヤノンITソリューションズ株式会社 (デジタルイノベーション事業部門) デジタルビジネス統括本部 デジタルビジネス営業本部