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【第4回】テレワークで気を付ける事(勤務管理編)[2022.11.11]
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コラム|日本テレワーク協会によるテレワークトレンド解説
【第4回】テレワークで気を付ける事(勤務管理編)[2022.11.11]

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テレワークの労務管理については、2021年3月に厚生労働省が「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を公表しました。時代の変化に則してしっかり記載されていますので、テレワークで困ったらまず参照してみることをお勧めします。

1.「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」について

全文はこちら(厚生労働省HP PDF:569KB)をご覧ください。予め調べたい内容がある場合は、関連するキーワードでページ内検索が解決の近道となります。そうでない場合は、まず、巻末に付加されているチェックリストを用いて各項目について確認してみてください。チェックリストは事業者用と労働者用に分かれています。
事業者用チェックリストで◎がついている項目は、記載の通り事業者に実施が義務付けられている項目です。万が一、漏れているものは無いか、運用しているはずが忘れられていないか、定期的にチェックしていただくことをお勧めします。労働者用チェックリストを用いると、ご自分のテレワーク環境を確認することができます。ご自宅での作業環境については、【図表1】を参考に、できるところから少しずつ整備していくことをお勧めします。特にテレワークでは体を動かす機会が減り、テレワークの日数が多くなると腰痛がおこりやすいという結果も発表されています※1。テレワーク時のちょっとした工夫として、アラームをかけて1時間ごとにストレッチを行ったり、気分転換を兼ねて時々作業場所を変えてみたりすると良いでしょう。図書館や喫茶店でできる作業がある場合は、まとめて1~2時間近所に出かけて作業するのも効果的です。

従来の働き方との違い(例)


2.テレワークでの勤務管理の課題と解決策

まずは復習も兼ねて、テレワークであっても出勤して勤務にあたる場合でも、法定労働時間は1日に8時間を超えない、1週間で40時間を超えてはいけないこととなっています【図表2】。制度としては、みなし労働時間制や高度プロフェッショナル制度など、労働時間にある程度しばられない例もありますが、該当するケースは多くありません。ですので、管理者の方だけでなく、働く一人一人が1日8時間労働を再認識して仕事の計画をたてる必要があります。その上で、テレワークでは管理者と部下がお互いに「目の前にいない」という状況になりますので、どのように勤務管理を行うべきかを見直す必要があります。

従来の働き方との違い(例)


テレワーク中に労働時間を把握する事例としては、WEB会議を常時接続する、アプリを使って音声のみを常時共有する、WEB会議でおでこから上だけを常に表示する、といった様々な工夫を行っている企業があります【図表3】。WEB会議を常時接続するのは嫌がられるのではないかという意見もありますが、実施している企業さんに伺うと、そういった感覚の方はそもそも入社してこられない、と言われます。音声のみを共有しているIT企業では、プログラミングをしながら会話ができるので、職場に居る時とそん色ないという意見もあります。また、一歩進んでテレワークサポーターのような勤務時間を見える化できるツールを用いると、本人確認ができてセキュリティも配慮されています。テレワーク時の勤務管理は管理職の長時間労働の要因の一つとなっていますので、管理職の稼働削減にも役立ちます。さらに画面ののぞき込み検知機能があることで、図書館や喫茶店でできる作業の幅も広がります。

従来の働き方との違い(例)


3.ワーケーションやブレジャーの際の勤務管理

さて、テレワークの一つであるワーケーションやブレジャーについて、お話させていただきます。基本的に、特別な管理が必要なわけではありません。出張を私的旅行と組み合わせたブレジャーの場合は、私的旅行部分に該当する費用は個人負担、該当する時間は休暇となります。観光庁が出張中に私的旅行を組んだ場合の往復旅費の事例を出しています【図表4】ので、ご自分の全日程を書き出してみて「旅費で計上」部分は勤務、それ以外は休暇と認識すると確認しやすくなります。また、労災適用範囲や税務処理の考え方も「労災や税務処理に関するQ&A」※2に記載されていますので、是非ご確認ください。

勤務管理は、これまでのやり方をそのままテレワークで行うことはできません。見えない、聞こえない、感じ取れない部分はツール等で補完する必要があります。また、役員や管理職の方に率先してワーケーションやブレジャーも試していただき、スマートな働き方の理想像を見せていかれることに期待します。

従来の働き方との違い(例)



 

筆者紹介

一般社団法人日本テレワーク協会 事務局長 村田瑞枝

村田 瑞枝(むらた みずえ)

一般社団法人日本テレワーク協会 事務局長

1991年日本電信電話株式会社入社。人事部人材開発室を経て、マルチメディアビジネス開発部に所属。以降、25年間WEB戦略策定及び実施サポート、システム構築、デジタルマーケティングなどインターネット関連業務に携わる。中小企業診断士。1級ファイナンシャルプランニング技能士。ファイナンシャルプランナー(CFP)、WEB解析士、ロングステイアドバイザー。2020年4月より現職。

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