- コラム
【ホワイトペーパー】エンジニアリングチェーンにおける「DX」の進め方 3
~VUCA時代において製造業がとるべき戦略とは~
昨年からコロナウィルスの影響により、我が国の製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速が期待されましたが、実際はうまく進んでいないようです。
4回のシリーズでお届けする本誌では、製造業、特にエンジニアリングチェーンにおける「DX」に着目し、その進め方をお伝えします。
今回は、 「2020年版ものづくり白書」を読み解き、環境や状況の激しい変化による予測不可能な「VUCA時代」を勝ち抜く戦略を解説します。
1.VUCAとは
VUCA(ブーカ)とは、 Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字から成る造語です。元々、冷戦終了に伴う複雑化した国際情勢を示す用語でしたが、社会環境の複雑性が増し、想定外の出来事が起こる、予測不能な現在の状況を表す言葉として用いられています。
2020年版ものづくり白書では、世界各国の政策や国際情勢、事業環境の急激な変化などの予測しづらい事態を「不確実性」と総称し、世界における不確実性指数の推移を挙げています(右図)。新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、不確実性はますます高まっていると言えるでしょう。
政策をめぐる不確実性の高まりは今後も続くと考えられ、「ニューノーマル(新常態)になりつつある」と、 IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は警鐘を鳴らしています。
このようなVUCA時代に日本の製造業がとるべき戦略として、 下記が提起されています。
1. 企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)強化
2. 企業変革力を強化するDX推進
3. 設計力強化
次の章より、1つずつ内容を確認していきましょう。
2.企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)の強化
「企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)」とは、デビッド・J・ティース・UCバークレー校ビジネススクール教授により提唱された言葉で、下記の3つの能力から成ります。
感知(センシング):脅威・機会を感知する能力
補足(シージング):機会を補足し、既存の資産・知識・技術を再構成して競争力を獲得する能力
変容(トランスフォーミング):競争力を持続的にするために企業全体を変容させる能力
企業変革力とは「変化する環境や状況の中で持続的に変革する企業の能力」を指しており、「我が国の製造業の戦略は、企業変革力の強化にある」とし、「ダイナミック・ケイパビリティを強化するには・・・
ダイナミック・ケイパビリティを強化するには何が有効であると提唱されているのでしょうか?また、企業変革力とDX推進はどのように関係しているのでしょうか?
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目次
1.VUCAとは
2.企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)の強化
3.企業変革力を強化 する DX 推進
4.設計力強化
5.エンジニアリングチェーンにおけるDX の第一歩
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