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「産業用カメラの変遷」 [2021.02.26]
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シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第25回)
「産業用カメラの変遷」 [2021.02.26]

Visual SLAM技術イメージ

今年に入りマシンビジョン導入に向けて、特に撮像に関するご相談が増えてまいりましたので、改めて、産業用カメラの変遷、最新ラインアップおよび、撮像技術についてご紹介いたします。

産業用カメラの変遷

Baumer社製産業用カメラの変遷

図1 Baumer社製産業用カメラの変遷

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今回は、産業用カメラ業界でも膨大なラインアップ(200モデル以上)を誇るBaumer社製品を例に、産業用カメラの進化過程と最新ラインアップ、撮像手法についてご紹介します。図1は、縦軸を撮像素子(CCD素子及び、CMOS素子)、横軸をデジタルインターフェースとして、同社シリーズを表記したものです。近年の産業用カメラの技術進化は、同社含め、まずは、CCD素子からCMOS素子へと撮像素子の変革が大きく、図1のフレームグラバを必要としない下段(CCD素子)から上段(CMOS素子)へと移行しています。さらに、カラー対応は、従来の3版式からベイヤー構造の登場にて、より高解像度なカラーカメラの製造が可能となりました。撮像素子やカメラ構造については、コラム第4回をご参照ください。

さらに、撮像の高速化に関しは、デジタルインターフェースの進化、産業用インターフェースでは、CameraLinkからCoaXPressへ、さらに、従来は画像データの転送は困難であった、データ通信系インターフェースのUSBやEathernetなども高速化が進み、より取り扱い易くなってきました。特にEathernetでは、10GigEが登場し、高速高解像度なカメラが登場しています。デジタルインターフェースについては、コラム第5回をご参照ください。さらに、過酷な条件下での動作する耐環境性に優れた構造や、偏光カメラなど、カメラ内で偏光処理を行い、後段の画像処理のCPU負荷を軽減させる構造など、機能面への進化も進んでいます。

最新の産業用カメラについて

最新のハイエンドカメラとして、Baumer社製品では、10GigE対応超高精細カメラ「LXTシリーズ」が登場しています。最新の高精細SONY社製素子「Pregius」や、Gpixel社製素子「GMAX」など高精細素子を搭載した高速長距離伝送が可能なカメラシリーズです。最大解像度モデルは、「VLXT-650M/I」で、6500万画素(9344x7000)18fpsを実現しており、高速フレームレートでは、800x620画像で最大1600fpsを達成しています。高解像度から高速高フレームレートまで様々な用途で利用できます。また、防水・防塵(IP65/67)、温度帯域0~65℃といった耐環境性と、システム化しやすい、フラッシュコントロール制御から、固定焦点が主流となる産業用カメラにおいても、オートフォーカス対応を実現するため、設定値で瞬時にフォーカシング可能なリキッドレンズ(図3)対応や、一眼レフ用AFレンズ対応モデル(M58マウント対応)も準備されています。

Baumer社製10GigE超高速高解像度カメラ「LXTシリーズ」

図2 Baumer社製10GigE超高速高解像度カメラ「LXTシリーズ」

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「LXTシリーズ」の高速撮像用途

図3 「LXTシリーズ」の高速撮像用途

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リキッドレンズCORNING社製「Varioptic lens」

図4 リキッドレンズCORNING社製「Varioptic lens」

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Baumer社製 10GigE対応産業用カメラ「LXTシリーズ」
  • センサ:SONY社製CMOS「Pregius」/ Gpixel社製「GMAX」
  • 解像度:3M~65M ピクセル
  • インターフェース:10GigE
  • 最高フレームレート(800x620時):1600fps
  • 帯域:モノクロ(8bit/10bit)、カラー(BayerRG8/BayerRG10)
  • レンズマウント:Cマウント/M58マウント
  • 外部入出力:デジタルINx2 、デジタルOUTx4
  • 電源:M12 コネクタ
  • サイズ(横×縦×高さ:mm):60×60x99.7
  • 重量(g):485
  • 環境:耐熱 0~65℃ / 保護等級 IP40~IP65/67

今回のまとめ

今回は、産業用カメラの変遷について、具体的なカメラの進化過程と最新モデルを例にご紹介しました。次回は、撮像技術について、周辺技術となる、レンズ選定や照明技術についてご紹介します。

 

筆者紹介

シニアアプリケーションスペシャリスト 稲山

稲山 一幸(いねやま かずゆき)

エンジニアリング事業 シニアアプリケーションスペシャリスト

1992年住金制御エンジニアリング入社、Matrox社製品の国内総代理店立ち上げに参画、以降25年マシンビジョン業界に携わる。
2013年~2016年、キヤノン株式会社にてマシンビジョン関連の新製品開発のソフトウェアリーダとして従事。現在は、エバンジェリストとして活躍中。

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