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グループ会社全体の共通基幹業務システムを構築した大規模プロジェクト製造業向けソリューション・導入事例

~業務情報の一元化と可視化を図り、業務スタイルの変革を狙う~

日鉄ケミカル&マテリアル株式会社様のケース

日鉄ケミカル&マテリアル株式会社

日本製鉄グループで化学事業分野の中核企業である日鉄ケミカル&マテリアル株式会社(以下、日鉄ケミカル&マテリアル)様は、業務情報の一元化や業務の変革を目的としたグループ会社向け共通基幹業務システム再構築に、MCFrame XA 生産管理・販売物流・原価管理を採用されました。生産管理は、化学業界の多様な製造形態を1つのシステムで網羅しています。

  • 経営の「見える」化・スピード化
  • BPRの推進
  • トレーサビリティの確保
  • リードタイム短縮
  • 在庫削減
  • 営業・販売力強化
  • 事務生産性向上
  • システム開発工数の削減

お客さまのご要望

  • 高付加価値業務へのシフト
  • 業務標準化の促進
  • 情報連携・情報分析力の強化

お客さまが実現できたこと

  • データの一元管理による情報の可視化・共有化・リアルタイム化
  • 属人化業務の排除と業務標準化・内部統制の促進
  • 品質管理機能・対応力の強化

システム導入背景とねらい

日鉄ケミカル&マテリアル様では、グループ会社や事業部門で統一されたシステム基盤が存在していませんでした。例えば、生産管理システムが存在しない事業部門ではExcelファイルでの属人化業務を行っていたり、グループ会社間や部門間の情報連携が非効率であったり、と課題を抱えておられました。

そこで日鉄ケミカル&マテリアル様では、業務改善活動に着手し、業務面・システム面を包含した10年後のグループのあるべき姿を策定されました。その一環として、各事業の戦略策定や実行、ビジネスモデルを支えるシステムの再構築に取り組まれました。システム再構築の基本方針は、競争力ある業務環境の提供を目指し、情報と業務を繋げ、業務を高速化・可視化することでした。

外部環境変化への適応

これまでのシステムは導入から数十年経過しており、その間の繰返し改修によって複雑化し、拡張性が低いシステムとなっていました。ゆえに、事業環境や業務の変化に対し、システム機能が追従できない状態で、何とか人手で補完している状況でした。システムを適切に維持・成長できるような"拡張性・柔軟性のあるシステム基盤"を整える必要がありました。

高付加価値業務へのシフト

現場では、情報の入力・収集・伝達作業に追われ、業務改善や戦略策定など付加価値のある活動に時間を創出できていませんでした。また、品質問題や需要の急変動などのイレギュラー業務に対し、すぐに対応できる仕組みがなく、多くの時間を費やしていたことも、付加価値業務へシフトできない要因でもありました。

業務標準化の促進

グループ会社や事業部門により、業務のやり方が異なっていました。これは、システムが共通化されていないことも一因であったため、今回の共通システムの構築・利用を発端にし、業務の共通化・標準化を、スムーズに効率よく推進することを狙いとされていました。

情報連携・情報分析力の強化

別々のシステムにデータが保管されていたり、各人のExcelで保管されていたりと、情報のローカル化が顕著でした。ゆえに、情報の収集や連携に手間と時間を要し、情報分析に時間がかかる状態でした。また、収集できる情報にも限りがあったため、分析精度がどうしても低くなってしまう課題も抱えておられました。

システム導入の効果

データの一元管理による情報の可視化・共有化・リアルタイム化

MCFrameを中核としたグループ共通システム基盤により、データの一元管理が実現されました。これにより、現状を正確に表す情報が可視化され、受注/在庫/生産状況の一気通貫での情報がリアルタイムに共有できるようになりました。具体的には、リードタイム短縮と在庫圧縮、生産計画の迅速化につながっています。また、MCFrameの各種実績情報をBI(ビジネス・インテリジェンス)へシームレスに連携させた情報分析の仕組みも整い、素早い経営判断につながっています。

属人化業務の排除と業務標準化・内部統制の促進

手作業での管理業務や属人化業務がシステム化されたことで、業務の標準化やルールが確立されました。画面単位、データ単位に担当部門が明確化され、いつ・誰が・何を行うのか(何を行ったのか)・前後作業は何か、が部門内/部門間で整理されました。また、契約・発注・検収・単価遡及など主要な承認ワークフローや、権限管理・操作履歴管理がシステム化されたことで、内部統制をシステム面からサポートする基盤が構築されました。

品質管理機能・対応力の強化

MCFrameを導入したことで、ロットごとに、製品から原料、原料から製品と、正逆のトレースが行えるようになり、品質管理が強化されました。品質問題が発生した場合、これまでは原因究明と次のアクションに時間がかかっていましたが、すぐさま問題点の把握が可能になり、生産調整など次のアクションを素早く判断できるようになりました。
こういったイレギュラー業務が迅速化されたことで、別の高付加価値業務へ時間が割けるようになっています。

お客さま導入担当者の声

業務システムプロジェクト
戸早孝之氏(左) 守田和彦氏(右)
業務システムプロジェクト 戸早孝之氏(左) 守田和彦氏(右)

事業形態の違う3タイプの開発をStep-1、2と2Stepでの実施、更に販売、物流、原価と多岐に渡る分野を一つのプロジェクトとして推進していただき、当初予定通りに2014年4月に本番稼働を迎えることが出来ましたこと感謝しております。
本番稼働しMCFrameで入力状況、物の動きが見えるようになりました。特に先行したStep-1の事業ではBIツールとの連携により、販売計画・受注実績・販売実績、中間品・製品在庫を瞬時に集計・比較が可能となり在庫低減に貢献しています。
今後更なるデータ活用により業務改革を図って行きたいと思います。

システム構成

本システムの導入は2期に分けて、実施されました。まず、ステップ1として、事業規模が大きく、かつシステム化のニーズが高かった3事業を先行導入対象とし、MCFrame上に3タイプのモデルを構築いたしました(2013年4月本番稼働)。
ステップ2では、ステップ1の3タイプを全事業に展開するとともに、原価管理を導入いたしました(2014年4月本番稼働)。

MCFrameを中核とした共通システム基盤

MCFrameを中核とした共通システム基盤
MCFrameを中核とした共通システム基盤
  • 販売・生産・購買データをシームレスに連携させたSCM基盤にMCFrameを配置
  • 工程計画(スケジューラ)にAsprova/数理技術ソリューションを配置し、計画業務を強化
  • 各業務データの分析は、OracleBIEE、またOracleDB+キヤノンITソリューションズ開発Excelツールにより実現

日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 様プロフィール

設立
昭和31年10月
資本金
50億円(平成27年3月末現在)
従業員数
1,847名(連絡 平成27年3月末現在)
決算期
3月
株 主
日本製鉄株式会社
  • 本記事の内容は、取材時点のものです。

ご採用頂いたソリューション・製品

基幹システム
AvantStage は、国内企業へ多くの導入実績があり評価の高い国産パッケージ/ソリューションを、業務領域ごとに厳選・連携させた『企業の事業基盤となる戦略的な基幹業務ソリューション』です。
mcframe
mcframeは、製造業に特化した純国産の生産管理・販売管理・原価管理パッケージです。多くの導入プロジェクトや運用経験で蓄積されたノウハウを、標準で使うことができます。キヤノンITソリューションズでは、「機能ではなく『価値』を届ける」という想いのもと、mcframe認定技術者による高い技術力と豊富な導入実績で培われたノウハウをもって、お客様へ業務変革を一緒に実現いたします。
Asprova
Asprova(アスプローバ)とはキヤノンITソリューションズ株式会社の基幹システムコンセプトであるAvantStageの生産スケジューラソリューションであり、アスプローバ株式会社が開発をおこなっています。日本国内では2458サイト、海外では1004サイトへの導入と国内・海外での支援体制も充実しております。市場のニーズをとらえ毎年機能を拡張し、2018年には「ものづくり日本大賞」で経済産業大臣賞を受賞しました。熟練者のノウハウに依存してきた製造業の様々な生産スケジューリングを超高速に立案し、多くの効果を提供いたします。
  • 2023年6月現在

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キヤノンITソリューションズ株式会社(製造・流通ソリューション事業部門) 製造ソリューション事業部