次世代探求型学習の環境を支えるICT活用基盤の構築教育機関向けソリューション・お客さま事例
青翔開智中・高等学校様のケース
同校は、学びたいテーマを自分で決めて調査・研究を進め、他の生徒や先生と議論を重ねて導いた成果を発表することで課題解決能力を身につける「探究型学習」を学びの中心に据え、ICT教育・図書教育・アクティブラーニングを支える独創の空間プランニングを施した、私学版フューチャースクールの好事例として各方面から注目を集めている。
図書活用とICT活用を融合させる“探究型学習”の実現に向け、実績やノウハウに裏打ちされた自らの意見や考えを提案。図書=アナログとICT=デジタル 新たな“探究型学習”を実現しました。
- 顧客満足度向上
- 設備・資産の有効活用
- パフォーマンス・可用性向上
お客さまが実現できたこと
- 青翔開智が目指す“探究型学習”をICT活用の側面から具現化
- 生徒のiPadを一括管理するタブレットPC管理カートシステムなどの導入
お客さまのご要望
- 図書活用とICT活用を融合させる“探究型学習”の実現を目指している
- 将来的なICT活用体制の基盤を築きたい
まさに理想形!私学版フューチャースクールが、2014年、鳥取に誕生!
2014年の春、鳥取市国府町にあった旧国立鳥取病院跡地に、県東部では初となる中・高一貫校が開校した。道路と敷地を区切る塀など一切ないオープンな空間に、左右に緩やかなカーブを描いて拡がる2階建ての清楚な校舎を構える。それが青翔開智中学校・青翔開智高等学校だ。
校舎内に一歩、足を踏み入れると、その斬新な空間創りに目を奪われる。大きな吹き抜けを施した校舎1階中央部には、図書館を兼ねた“ラーニングセンター”と呼ばれる多目的スペースがあり、豊富な書籍や新聞、雑誌が並ぶ。同時に、生徒同士が議論しやすい形状の机やイス、さらには生徒所有の端末をつないでネット閲覧し、情報共有しながら調べ物や意見交換ができる大画面モニターを置いたスペースまで設えられている。学内どこにいてもネットにアクセスできる無線LANも完備。階段や廊下などいたるところに本棚があり、気になる本をいつでも手にとれ、フリーアドレスで好きなように利用できるオープンスペース、壁一面がホワイトボードの教室など、生徒が思いついたらすぐ行動できる場もふんだんに用意されている。
1人1台のiPad、全学無線LAN等、積極的なICT活用で探究型学習を
理想の教育環境創出に向けた同校の取り組みは、教育界や関係者はじめ多方面から耳目を集め、開校まもない同校には取材や見学の依頼が多数寄せられている。先述のユニークな学びの環境づくりだけに止まらない。同校実践の“探究型学習”スタイルや考え方に触れたいという依頼が多い。
「“探究型学習”は他校でいくつもの実践例があります。しかし、それらとは異なる特徴があるからでしょうね」と横井氏は、その独創の“探究型学習”について語る。
図書=アナログとICT=デジタル 新たな“探究型学習”を提案
こうした同校の“探究型学習”への取り組みを、同校創設の企画段階からICTの専門家としてサポートしてきたのが、キヤノンシステムアンドサポートとキヤノンITソリューションズだ。同校とキヤノングループが接点を持ったのは、ちょうど図書類などの活用による従来型の“探究型学習”から、図書とICTの融合による“探究型学習”でよりよい学びの環境づくりを目指そうと同校が舵を切った2012年の頃だった。
「図書というアナログとICTというデジタルを融合させた“探究型学習”の目的や意義を伝え、私たちがゼロスクラッチで臨む意気込みと共に、複数のSIerやベンダーに設計図面へ手書きで機器構成やリクエストを書き込んだ、かなり乱暴な仕様書を渡しました。正直、わかりづらかったと思います。戻ってきた内容は、甲乙付け難いものばかり。その中でも、建学の精神を理解し、特に新しい“探究型学習”に寄り添ったシステム開発を、自分たちならこうする/こうしたい、と提案されたものがキヤノンでした」(織田澤氏)
青翔開智が目指す“探究型学習”をICT活用の側面から具現化
キヤノンシステムアンドサポートが同校のRFPを受け取り、最初に感じたのは“国内で例を見ない、図書とICTの融合に挑むこのプロジェクトに、ぜひ参加したい”という想いだった。そこでアナログとデジタルの融合を促す複合機、PCやタブレット、手カメラで資料を投影する短焦点プロジェクターなどの提案を策定。情報基盤の構築関連ではグループでも定評があり、特に教育関連での実績を数多く積むキヤノンITソリューションズが支援した。重要視する情報基盤の核=無線ネットワーク関連・サーバ周りでは、生徒数増加や将来の運用体制にも柔軟に対応できる拡張性と可用性を考慮。教育現場の運用でかゆいところに手が届く工夫では、生徒のiPadを一括管理するタブレットPC管理カートシステムなどの導入企画をまとめた。ツールでも、デバイスに縛られず課題などの配付・提出や生徒間コラボ、自由度の高い校内ポータルの作成が可能なGoogle Appsを採用。無線環境の下、どこからでも先生や生徒のデスクトップが共有可能なAppleTVも提案した。
同校ならではの取り組みで独創の探究型学習を追求する
図書とICTの融合による同校ならではの“探究型学習”の特色は、まだまだある。
「さらに“探究型学習”で磨きをかけた自分の思索、興味・関心、適正などを糧に次の舞台、つまり大学進学や海外留学といった飛躍のステージへ到達する、そのサポートにも注力しています。たとえば、生徒たちが本物に触れる機会を少しでも多く与えようと、大学や企業の研究者にご協力を要請。見学や取材などの場を設定け、Skypeなどの活用でネット越しに海外の識者と意見交換する場も日常的に設けています。また、大学進学については、高2の後期から同じ運営母体の「あすなろ予備校」の講師による授業や、特別対策講座を学校内で実施予定。わざわざ塾や予備校に行かずとも、当校にいながら受験のプロが対策を伝授する、私たちならではの仕組みも採り入れました」(横井氏)
図書とICTの融合による同校ならではの“探究型学習”の特色は、まだまだある。
「教科学習の重複をなくし時間に余裕を持てる中・高一貫のメリットとして、生徒たちがじっくり探究に取り組める点も大きいと考えています。これまで多くの“探究型学習”への取り組み事例がありますが、そのほとんどが時間的・人員的な問題から、単発や散発で終わらざるを得ない状況と聞いています。私たちは、中学1年~高校2年前期までの4年半、週2時間の探究の授業をカリキュラム化しました。テーマの設定→探究計画立案→情報収集→情報の整理・分析→論証→発表・評価という“探究型学習”のプロセスで、互いの探究を評価する部分と、プロセス全体の繰り返しに重きを置いてます。自分の探究の成果を振り返りながら次の課題を見つけ出し、より高次な探究に移行するなど、上昇のスパイラルに乗って探究活動を継続するのが狙いです」(織田澤氏)
同校ならではの取り組みで独創の探究型学習を追求する
図書とICTの融合による同校ならではの“探究型学習”の特色は、まだまだある。
「教科学習の重複をなくし時間に余裕を持てる中・高一貫のメリットとして、生徒たちがじっくり探究に取り組める点も大きいと考えています。これまで多くの“探究型学習”への取り組み事例がありますが、そのほとんどが時間的・人員的な問題から、単発や散発で終わらざるを得ない状況と聞いています。私たちは、中学1年~高校2年前期までの4年半、週2時間の探究の授業をカリキュラム化しました。テーマの設定→探究計画立案→情報収集→情報の整理・分析→論証→発表・評価という“探究型学習”のプロセスで、互いの探究を評価する部分と、プロセス全体の繰り返しに重きを置いてます。自分の探究の成果を振り返りながら次の課題を見つけ出し、より高次な探究に移行するなど、上昇のスパイラルに乗って探究活動を継続するのが狙いです」(織田澤氏)
世界に通じる人材輩出の拠点として鳥取発の新たなモデルケースに!
そんな同校は、開校からまだ半年強にも関わらず、すでに大きな手応えを感じている。
「鳥取から日本の教育の底上げに貢献したい!」(織田澤氏)と前例のない新しい試みに果敢に挑む同校。その取り組みを租借し、同校の最適なICT環境構築を担うキヤノングループ。両者のコラボによる新たな“探究型学習”の手法確立への挑戦には、いくつものヒントが隠されているはずだ。
青翔開智中学校・青翔開智高等学校 様プロフィール
- 設立
- 2014年
- 所在地
- 鳥取県鳥取市国府町新通り3-301-2
- 生徒数
-
63名
-
※
2014年4月1日現在。開校年のため中・高共に一期生の1年生のみ。
-
※
1951年に鳥取市東町に「鶏鳴塾」として始まった学校法人「鶏鳴塾予備校」と、1982年に鳥取市南吉方に私塾「あすなろ教室」としてスタートした個人立各種学校「あすなろ予備校」が、1995年に合併して誕生した「学校法人鶏鳴学園」が新たに運営する、鳥取県東部地区初の併設型中・高一貫校。
-
※
本記事の内容は、取材時点のものです。
ご採用いただいた製品・ソリューション
- 文教
- 大きく社会が変化する中、大学をはじめとする教育機関においても、学習環境や学習スタイルに大きな変化が求められています。少子化が進む中、子供たちがよりよい社会を育めるように資質や能力を養うことができるように、私たちは、ICTサービスを通じて質の高い教育環境の実現に貢献していきます。私たちは、数多くの教育機関に対し研究・教育・学生サービスのためのソリューションを提供し、お客さまと共に真の価値向上を共創しています。
- 長年文教市場に特化した営業とSEが、貴学に最適なクラウド移行を支援します。またコロナ禍で急務となっている遠隔授業環境を、当社独自開発による教育支援情報プラットフォーム「in Campus シリーズ」で実現いたします。
- iPadソリューション(文教)
- iPadは、教育分野において電子教材の活用という新しい可能性を拡げています。画面に直接指で触れる直感的なインターフェイスは学生に新たな表現の自由を与え、メディアコンテンツを利用したインタラクティブな授業は学生の知的好奇心とイマジネーションを刺激します。また、過去の振り返りがスムーズに行える点も大きな魅力。学習効果を上げることはもちろん、講義情報から出欠管理、学生個々の履修課程や習熟度まで、包括的に一元管理できるツールとしても機能します。
- Appleソリューション(文教)
- キヤノンITソリューションズは、アップルジャパン合同会社から教育市場に特化したシステム構築・ソリューションを提供できるパートナー「Apple Education Value Added Reseller」として認定されています。
macOSおよびiPadOSを中核とした情報システムの構築、端末管理などを中心に、全国の教育機関様向けに豊富なAppleソリューションの導入実績を誇ります。
お客様のご要望に合わせ、設計・導入から保守までワンストップでサービスを提供いたします。 - ネットワーク/セキュリティソリューション(文教)
- ネットワーク製品は、文教分野でも多くの導入実績のあるCisco・HPE製品をはじめ、国内外のさまざまな製品をマルチベンダーとして提供しています。各社製品の特長を組み合わせることで、お客様の要望にお応えします。
- 学内環境のクラウド化に関しても、オンプレミス環境からデータセンターへの移行、各種パブリッククラウドの利用など、学外ネットワークへの接続性と安全性を考慮しお客様に最適なソリューションを提案します。
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