診療報酬改定や多様な勤務形態など、医療現場の複雑な要件に内製化開発で対応。DXによる経営基盤の強化に貢献 導入事例

埼玉県上尾市にある上尾中央総合病院を中心に、1都6県に28の病院と21の介護老人保健施設を開設している上尾中央医科グループ（AMG）。
​その本部である上尾中央医科グループ協議会に置かれた医療情報企画部は、医療および経営データの収集や分析、活用など、同グループのデジタル活用をリードする戦略部門です。同部の特徴の1つが、多くのシステムを内製で開発していることです。内製開発にシフトしたきっかけは、グループウェアでした。導入しているグループウェアの一部に経営データを報告する機能があり、厚生労働省が実施する2年に1度の診療報酬改定を受け、システムの一部を見直す必要が出てきました。
「まずパッケージの改修を検討したのですが、相応のコストが必要となる。しかも、どんなにコストをかけて改修しても、AMGの業務に完全にフィットするわけではない。それなら、一から自身で開発した方が合理的。そう考えて内製開発にシフトしました」とAMGの稲田 浩之氏は背景を振り返ります。

現在、医療情報企画部にはWebPerformerを扱える部員が6人います。専任ではなく他業務との兼任ですが、これまでに約60種類ものシステムを内製開発しています。ほとんどの開発は、プロトタイプを作成し、ユーザー部門と要件をすり合わせながら改修を重ねるアジャイル型で進めています。
「WebPerformerなら、イメージレベルの要望でも数日で動く画面をつくることができます。『この項目を追加したい』といった要望も、すぐに反映でき、ユーザー部門にも好評です」と、AMGの齊藤 正明氏は語ります。これまでにWebPerformerで開発したシステムは、人事システムや勤怠システム、職員ポータル、ストレスチェック、レポート集計などです。なかでも、人事システムはAMGの経営を支える重要なシステムです。「従来、職員が施設間を異動すると職員番号が変わってしまうため、データ管理の連続性が保てないという課題がありました。そこで、1人の職員を1つのIDで一元的に管理できるようWebPerformerで新たに開発しました」と稲田氏は語ります。 ​