『設計起因』の「そり」を低減するソフト

PD Advisor(東レエンジニアリングDソリューションズ株式会社による開発)は、樹脂流動解析をする前に「そり」を低減するためのソフトウェアです。プラスチックの発見より約200年、射出成形機が発明されて約100年、樹脂流動解析のシミュレーションが実用化されて約40年です。金属などに比べ、プラスチックにはまだ未発見の現象もまだあるとされています。そのため、多くの設計者・成形者の方が課題としている「そり」を完全に解決するソフトウェアは世の中にまだないというのが実情です。

しかし、「そり」の発生起因を明確にすることで、大きな改善効果が見込まれます。元来、「そり」は、大きく分けて『設計起因』と『成形起因』の2種類があります。PD Advisorは、『設計起因』の「そり」を低減することで、成形時に「そり」にくいプラスチック成形品を設計することができます。(『成形起因』の「そり」は樹脂流動解析ソフトの3D TIMONを用いてシミュレーションします。)

  • プラスチック成形品の『設計起因』の「そり」を削減したい設計者の方
  • 樹脂流動解析をしないで「そり」を低減したい方
  • 簡単操作でシンプルな結果出力CADデータを開いた後、最短3クリックで計算実行できます。射出成形の成形条件の入力や解析プロセスに悩むことはありません。主な選択は、樹脂の種類です。樹脂は25種類の中より選択します。例えば、ABS、ABS-GF20、PC、PA66などがあります。
  • プラスチック成形品のどの部分をどのように改善すれば「そり」が低減するか、模擬的に肉厚を変更後、自動的に結果表示『設計起因』の「そり」に影響している成形品の箇所を重要度毎に色別表示します。プラスチック成形品の「そり」を低減する肉厚対策案を自動的に計算できます。
  • モデル修正が可能モデリング機能を実装しているので、PD Advisorにてモデル修正ができます。また、対策形状やそり形状をCADデータにして出力することもできます。

収縮そり感度の利用

プラスチック成形品形状において『形状起因』のそりの影響度を右図のような特殊な指標(収縮そり感度)で計算結果を表示します。この指標において計算結果が赤色(収縮そり感度プラス)の場合は、収縮によって「そり」が大きくなることを意味します。そのため、「そり」が小さくなるような設計的工夫をします。例えば、プラスチック成形品の適切な位置の肉厚を薄肉化、リブを追加、などが対策手段です。

実際の運用イメージ

PD Advisorを用いた実際の運用例はこちらのようになります。ご参考ください。はじめから「そり」を低減した設計ができるので、成形後に設計変更の依頼が削減されます。

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