<XR×ものづくり>
もう、試してみました?
設計も試作も仮想空間で!
ものづくりの未来がここ
(=XR)にありますXR-MRコラム「MREAL MIRAI VALUE」

公開日:2025年9月10日
XR-MRコラム「MREAL MIRAI VALUE」
XR技術が、私たちにもたらす「うれしいこと」 今回は、「XR×ものづくり」についてです。
XR技術とものづくり ── 未来をつなぐ最強タッグ
「XR技術とものづくり」この二つの言葉を並べると、少し意外に感じるかもしれません。しかし、この組み合わせは非常に相性が良く、ものづくりの現場に多くのメリットをもたらしています。
設計段階での革命
製品や製造装置の設計では、試作品を何度も作り直すのが当たり前でした。形状の確認、使い勝手の検証、細かな変更──そのたびに材料費や加工費がかかり、時間も労力も消費されます。
しかし、XR技術を活用すれば、これらのプロセスをバーチャル空間で再現できます。3D CADデータをXR空間に表示することで、設計変更も即座に反映され、試作のたびに実物を作る必要がなくなります。
主なメリットは以下の通りです:
- 試作品を何度も作る必要がなくなる
- 材料費・加工費・輸送費などのコスト削減
- 試作品の完成を待つ時間が不要になり、製品リリースが早まる
これは、設計者にとっても、企業にとっても大きな変革です。
開発段階でも加速するイノベーション
XR技術の恩恵は、設計だけにとどまりません。開発段階でもその力を発揮します。
仮想空間でのレビューやフィードバックが即時できることで意思決定が迅速になります。また、遠隔地の関係者とも同時にレビューでき、移動時間の削減にもつながります。これにより、開発期間の短縮が実現し、よりスピーディーな製品化が期待できるのです。
サステナブルな未来へ
そして、見逃せないのが環境への配慮です。不要な試作品の廃棄が減ることで、資源の無駄遣いを防ぎ、地球にやさしいものづくりが実現します。サステナビリティが求められる今の時代において、これは非常に重要なポイントです。
XR技術は、単なる「便利なツール」ではなく、ものづくりの在り方そのものを変える可能性を秘めています。設計から開発、そして環境への配慮まで──そのメリットは多岐にわたり、未来のものづくりを支える大きな力となるでしょう。
オフィスや会議室にデジタル・モックアップを並べてレビュー
オフィス空間の企画・設計・構築において、日本のオフィス文化の発展に大きく貢献されているイトーキさま。そんな業界のリーディングカンパニーも、MREALを導入され、積極的にご活用いただいています。
実際のオフィスや会議室に、デジタル・モックアップを仮想的に配置し、空間の使い勝手やデザインをリアルタイムでレビュー。これにより、オフィス家具の企画・デザインプロセスの効率化を実現されています。さらに、MREALの導入によって以下のような成果が得られています
- 製品リリースまでの期間短縮
- 開発コストの削減
- デザイン品質の向上
試作や実物確認にかかる時間とコストを削減しながら、より高品質なオフィス空間を創出する、イトーキさまの取り組みは、まさに次世代のものづくりを体現する良い例といえるでしょう。
実際のインタビュー映像をご覧ください。
デジタル・モックアップにより「効率的な問題抽出」ができる
ダイキン工業さまでは、設計・製造プロセスにおいて、キヤノンのMRシステム「MREAL」を活用されています。MREALは、3Dのデジタル・モックアップを現実空間に投影し、ユーザーが実際に手をかざしながら、製品の大きさや奥行き、距離感などを直感的に確認できるのが特長です。
一般的なVR製品では、すべてが仮想空間内で完結するため、実際の空間との整合性を把握するのが難しく、AR製品では3Dモデルをデバイス越しに見るため、空間認識に限界があります。
その点、MREALは現実空間と3Dモデルを融合させることで、よりリアルな設計レビューが可能となり、ダイキン工業さまでは「距離感やサイズ感を正確に把握できる最適なツール」として導入されています。
実際のインタビュー映像をご覧ください。
次回もお楽しみに
前回のコラム『XR×スポーツ』とは違い、今回はXR技術を活用したものづくり例をご紹介しました。
XRの活用は、さまざまな活用用途があり、他にも多くの事例があります。
XR体験がもっと皆さまの身近な存在となるよう、私たちも引き続き努力してまいります。
次回も、みなさまの人生を豊かにするヒントをお届けできれば幸いです。
筆者紹介

黒川 富士子(くろかわ ふじこ)
キヤノンITソリューションズ株式会社
製造ソリューション事業部 ソリューション企画部(XR・イメージング担当)
専門分野は、PR、広告・宣伝プロモーション、マーケティング。
1998年、SF・ロマンス・ファンタジーなどを絡めたストーリー仕立ての企業メールマガジンを執筆。当時の会員登録数(現在でいうフォロワー数)は18万人。約20年以上、デジタルマーケティングなどインターネット関連業務に従事。WEBアナリスト。
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キヤノンが開発したMRシステム「MREAL」は、現実映像とCGを違和感なく融合し、自由な視点から体験できる映像技術です。
光学技術と映像技術を結集した「MREAL」により、幅広い分野にソリューションを提供しています。