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コンタクトイメージセンサ [2019.08.30]
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シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第11回)
コンタクトイメージセンサ [2019.08.30]

シニアアプリケーションスペシャリスト 稲山

エンジニアリングソリューション事業部
シニアアプリケーションスペシャリスト
筆者 稲山 一幸

 

 

今回は、ラインセンサの一種で、撮像素子、レンズ、照明を一体化することで、コンパクトで非常に取り扱いやすいCIS(コンタクトイメージセンサ)についてご紹介します。

コンタクトイメージセンサとは

コンタクトイメージセンサの構造画像

コンタクトイメージセンサの構造(図1)

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ラインセンサとは、1ラインの素子をもち、対象ワークまたは、カメラが移動することで撮像でき、シート状、回転体、円盤の撮像などの撮像に適したカメラです(第3回第8回コラムを参照)。
CISカメラは、ラインセンサの一種で、特に一定距離に焦点を合わせた固定焦点レンズと、撮像時に同期した光源を併せて搭載した一体型のラインセンサです(図1)。

マシンビジョンシステムで活用できるCISカメラ

キヤノン・コンポーネンツ社製CIS「IDCシリーズ」画像

キヤノン・コンポーネンツ社製CIS
「IDCシリーズ」画像(図2)

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ここでは、キヤノン・コンポーネンツ社製CISカメラIDCシリーズを例にご紹介します。キヤノン社製複写機に搭載されているスキャナ部をマシンビジョンシステムで活用できるように、CameraLinkインタフェースを備えた産業用ラインセンサカメラとして構築されています。IDCシリーズには、A4用紙に合わせた横幅330mmのもの「IDCCFC-330」と、A3用紙に合わせた476mm「IDCCFC-476」の2種類があります(図2)。
通常のラインセンサでは、レンズを変更することで分解能を変えることができますが、CISカメラでは、配置された最大素子数が最大分解能となります。IDCシリーズでは、330mmは7763ピクセル、476mmは11232ピクセルで構成され、ともに600dpiに相当します。分解能より撮像ラインレートが必要な場合は、300dpi,200dpiに変更することで高速撮像が可能です。

通常のラインセンサとコンタクトイメージセンサの違い

ラインセンサとCISとの比較画像

ラインセンサとCISとの比較(図3)

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通常のラインセンサでは、レンズの他、撮像ラインに合わせたライン照明を別途用意する必要があり、レンズや照明照射に対する歪やシェーディング補正や、設置自体も比較的大掛かりな構成となりますが、CISカメラでは、ワーク距離さえ合えば、ピント調整や照明調整や補正を行うことなく、容易に高精度なライン撮像が可能になります(図3)。

今回のまとめ

CISカメラは、対象ワークを一定距離で搬送させやすい印刷検査やシート状検査で多く使用されていますが、さらに、これまで困難とされてきた製品内部などより省スペースな領域での撮像デバイスとしての活用も進められています。

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