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画像入力ボード(フレームグラバ)
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シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第6回)
画像入力ボード(フレームグラバ)

エンジニアリングソリューション事業部
シニアアプリケーションスペシャリスト
筆者 稲山 一幸

 

 

前回のコラムでは、デジタルインターフェース(DIF)についてふれましたが、今回は、マシンビジョン用のDIF規格(CamerLinkやCoaXPress)の画像入力ボード(フレームグラバ)についてお話しさせていただきます。

バス規格について


バス規格の変遷(図1)

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今回は、フレームグラバの老舗メーカであるカナダMatrox社製品を例にフレームグラバの変遷を見ていきましょう。
フレームグラバの誕生は、1980年後半から、CPUの処理速度向上と、パソコンに外部機器を取り付けるための拡張バスの規格化により、カメラ映像をパソコンに取り込む撮像信号の入力機器として製品化が進められました。
特に当時のカメラはアナログ信号(テレビ映像と同じサイズとフレームレートRS170規格)であったため、フレームグラバによるAD変換が画質に影響するため重要な役割を担っていました。

当初は、映像信号の伝送速度としては、パソコンとボードとの拡張バス規格の方がボトルネックとなっていましたが、5年ほどで単位時間内の動作周波数の向上と物理的にビット数を増やし、ISAバス規格でモノクロ信号(RS170規格)、拡張型ISA(EISA)でカラー信号(NTSC規格)、PCIバス規格でISAバスの10倍以上の転送速度を実現し、高画質なカラーカメラ映像もリアルタイムに取り込めるレベルとなり、拡張バス規格として定番化しました。
しかし、物理的にビット数を増やしパラレルでデータ転送するPCI方式は、PCI-Xバスで頭打ちとなり、その後は、周波数圧縮によるシリアル転送技術へ移行し、PCI-Expressバス規格が誕生しました。現時点での主流となっており、現在リリースされているフレームグラバは、すべてPCI-Expressバス規格のものとなっています。

最新のフレームグラバについて


Matrox社製フレームグラバの変遷(図2)

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最新のフレームグラバを見てみると、拡張バス規格はPCI-Express、カメラと接続するデジタルインターフェース規格は、(前回コラムの通り)CoaXPress、CameraLink、GigE、USBの他、ディジーチェーン接続ができるIEEE1394や、TVやモニター出力で主流のSDI、UHD、HDMI規格の入力ボード、そして、誕生から30年以上も現役のアナログ信号用が現行品としてリリースされています。

工場内など数多く設置されたアナログカメラは、簡単な監視レベルなど過度な要求のないない現場では現役稼働しており、世界的な産業用デジタルカメラの普及比率を見ても、近年ようやくアナログを超えたばかりの状況です。テレビ放送の世界では、順調にアナログからデジタル化が進み、解像度もハイビジョンからフルハイビジョン、そして次世代4K放送へと進んでいます。フレームグラバには、産業用カメラだけでなく、こうした4Kテレビの映像信号を取り込むためのものも、需要にあわせリリースされていますのでご参考ください。

今回のまとめ

コラム第1回の「マシンビジョン市場動向」でご紹介しましたが、フレームグラバの成長率が、2020年予測ではじめてマイナスとなりました。まだ数%減ではありますが、汎用IFの波が来ています。
しかし、フレームグラバの変遷は、コンピュータ技術の進化と共に成長し、また汎用化前の最先端技術は先に専用のフレームグラバとして登場しています。そのため、差別化要素を含める意味において、フレームグラバの動向を確認しておくことは、非常に重要な観点となります。

 

※内容は予告なく変更になる場合があります

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