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銀行のコールセンターで在宅ワークを導入導入事例

働き方改革と同時にBCP 対策も強化

株式会社イオン銀行様のケース

コロナ禍を機に在宅ワークが急速に拡大する一方、お客さまの情報を取り扱う金融機関のコールセンターでは、その漏洩対策が大きなハードルとなります。株式会社イオン銀行は、顔認証技術などで金融機関のセキュリティ要件に応えるクラウド型テレワーク支援サービス「テレワークサポーター」を導入。働き方の多様化に対応するとともに、災害発生時などの事業継続対策(BCP 対策)の強化も実現しています。

  • コンプライアンス体制の強化
  • 情報漏洩対策
  • 顧客満足度向上
  • ブランドイメージ向上
  • 営業・販売力強化
  • 多様なワークスタイルへの対応

お客さまが実現できたこと

  • 情報管理が厳格な銀行のコールセンター業務で在宅ワークを実現
  • 情報漏洩リスクのないセキュアな在宅ワーク環境の整備
  • 従業員満足度の向上、人材の採用面でのメリット
  • 自然災害などが発生した際のBCP対策の強化

お客さまのご要望

  • 金融機関のセキュリティ要件を満たす在宅ワーク環境を整備し、働き方改革を推進すると同時に、災害発生時などのBCP 対策も強化

テレワークサポーターを選択した理由

  • 金融機関の高度なセキュリティ要件に対応した在宅ワーク環境
  • 顔認証技術で第三者によるなりすましやのぞき見を防止
  • スマートフォンを使った画面撮影などの不正検知、情報漏洩対策

背景・課題

コールセンターの在宅ワークで不可欠な金融機関のセキュリティ要件への対応

小売業から誕生した金融機関として「商業と金融の融合」「リテール・フルバンキング」を事業コンセプトに、お客さまに寄り添った多彩なサービスを展開するイオン銀行。コールセンターを重要なお客さまとの接点と位置づける同社では、2023年9月に対話型ボイスボットを活用した「AI 自動応答サービス」をリリースするなど、すべてのお客さまが金融サービスにアクセスできる「フィナンシャルインクルージョン(金融包摂)」の促進にも取り組んでいます。

同社のコールセンターは東京・大阪・札幌の3拠点で運営されており、お客さまからの問い合わせに約200名のオペレーターがシフト勤務で対応しています。このコールセンターの業務に在宅ワークを導入した経緯について、コンタクトセンター運営部 運営G 統括マネージャーの小松史貴氏は次のように話します。

「大きな理由は、やはりイオン銀行全体で推進する働き方改革です。当社では数年前より在宅ワークを導入しておりますが、お客さまの情報の厳格な管理が求められるコールセンターは対象外となっていました。そこで、2023 年4月から情報を取り扱わない業務に限定して、在宅ワークの試験運用を開始しました」

これと並行して、同社ではコールセンター業務の在宅ワークを支える新たなソリューションの選定に着手します。ここでも、金融機関が避けて通れない要件をクリアする必要がありました。「金融機関のリスク管理項目の1 つにオペレーショナルリスクがありますが、そこにはシステムリスクも含まれます。在宅ワークの導入においても、情報漏洩対策などセキュリティの担保は最優先の課題でした」(小松氏)

解決策・効果

機能面やサービスの継続性を厳格に審査しテレワークサポーターの採用を決定

情報漏洩リスクのない安全な在宅ワーク環境の整備に向けて、イオン銀行はキヤノンITソリューションズが提供する「テレワークサポーター」の採用を決定しました。

採用に至る過程では、顔認証技術を使った第三者によるなりすましやのぞき見の防止、スマートフォンを使った画面撮影などの不正検知といった機能面での評価はもちろんのこと、同社のセキュリティ要件との適合評価、クラウドサービスとしての安全性の審査など、いくつものハードルがありました。

「法務、人事、経営企画、システムなど、社内の各部門からは多くの質問が寄せられました。例えば、クラウドサービスとしてのセキュリティ評価、脆弱性診断、障害時の対応、事業者としての財務状況(サービスの継続性)などです。これらのすべてについてキヤノンITソリューションズと協議しながら、1つひとつクリアしていきました」(小松氏)

その後、テレワークサポーターのデモ環境を使った検証などを経て、2024年2月に正式運用に至りました。以降は1カ月に5名程度の規模で段階的に在宅ワークへの移行を開始しました。本格運用を開始した当初について、コンタクトセンター運営部運営G の隅田隆哉氏は次のように振り返ります。

「まず検証でも指摘されていた顔認証の誤検知による業務の停滞は避けなければなりませんでした。オペレーターの顔の向きを変えた複数の画像やヘッドセットを付けた画像を撮影して登録したほか、感度のチューニングも念入りに行いました」

また、オペレーターの心理的な負担を和らげるための配慮も欠かせなかったといいます。小松氏は「オペレーターの中にはカメラで撮影されていることに抵抗を感じる方もいます。そこで、この仕組みの目的はオペレーターの監視ではなく、お客さまの情報を守ることにあることを丁寧に説明しました」と話しています。

多様な働き方への対応で従業員満足度が向上災害時のBCP 対策でも大きな成果

テレワークサポーターの本格運用から約半年が経過した現在、新たな在宅ワーク環境は現場のオペレーターからも好意的に受け止められています。コンタクトセンター運営部 運営G の越田直樹氏は次のように評価します。

「より多様な働き方を支援する在宅ワークが実現したことで、オペレーターからは『子供を保育園に迎えにいくぎりぎりの時間まで仕事ができるようになった』『出社時と在宅時の業務の区別がなくなり、仕事がしやすくなった』といった声が寄せられ、従業員満足度の向上につながっています」

また、流動性が高いコールセンター業務の人材確保においても、在宅ワークが実現したことで応募数や人材の維持率が高まることが期待されるほか、自然災害などが発生した際のBCP 対策の基盤が強化されたことも経営面でのメリットだといえます。

イオン銀行様イメージ

今後の展望

在宅ワークを他部門のコールセンターに拡大し、さらなる働き方改革を推進

現時点において在宅ワークを行っているオペレーターは20名程度ですが、イオン銀行では今後も希望者の声に応えながら順次拡大していく方針です。

「毎月実施しているアンケートでは、ほとんどのオペレーターが在宅ワークの継続を希望しています。今後も家庭の都合で遠隔地での勤務を希望するオペレーターの声に柔軟に対応していきます」(小松氏)

キヤノンITソリューションズとは現在も定例ミーティングなどを通じて、課題の抽出と改善を行っています。今後に向けた機能強化としても、「誤検知の傾向を把握する分析機能を提供してほしい」「顔認証の精度をさらに高めて、オペレーターのストレスを軽減したい」「顔認証の機能をオペレーターの健康管理に応用したい」など、現場からはさまざまな要望が寄せられています。

また、他のセンター部門からも大きな関心が寄せられており、働き方改革を支える基盤として、テレワークサポーターにはますます大きな期待がかけられています。

イオン銀行様担当者

株式会社イオン銀行様プロフィール

所在地
東京都千代田区
事業内容
イオン総合金融事業の一環として銀行業へ参入し、2006 年に準備会社を設立。2007 年より営業開始。全国のイオングループのショッピングセンターを中心に店舗を展開し、クレジットカードなどの決済サービスに加え、預金、住宅ローン、保険、投資信託(金融商品仲介)など、幅広い金融商品・サービスを提供。2024 年2 月末時点で口座数は859 万口座、預金残高は約4.5 兆円。現在はDXの推進にも注力し、有人店舗などリアルチャネルと先進技術を導入したオンラインチャネルをシームレスにつなげることでOMO バンクの実現を目指している。
  • 本記事の内容は、取材時点のものです。

ご採用いただいた製品・ソリューション

テレワーク
社員のワークライフバランス向上や、育児・介護と仕事の両立サポートなど、多様な社会課題解決や働き方改革を推進するテレワークが昨今注目されています。政府は企業へのテレワーク導入を推進していますが、実施にあたって課題が発生することも少なくありません。キヤノンITソリューションズはITの力で、企業のテレワーク導入の課題を解決します。
テレワークサポーター
在宅勤務や、サテライトオフィスなどで業務を行うテレワークが、働き方改革の一環として拡大しています。メリットが高く評価される一方で、重要な知財や個人情報などの情報漏えいリスクへの対策も不可欠となります。キヤノンの顔認証技術を用いた常時顔認証とクラウドを用いて、第三者からの、のぞき見・なりすましなどの不正アクセスから重要な情報を守り、企業・勤務者の双方に不安のないテレワーク環境を提供します。

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