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ISDN終了問題 - 2024年1月「ISDN」終了でEDIユーザが“今”やるべきこととは?

NTT東西は2024年初頭を以って「ISDN(INSネット ディジタル通信モード)」のサービス提供を終了することを発表しています。この余波をまともに受けるのがINSネット ディジタル通信モードでEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)を利用する企業です。そこでこれを機に、ガラパゴス化した日本特有のEDIから脱却し、グローバルスタンダードとなっているインターネットEDIへの移行を検討する動きが見られます。
今回は、従来型EDIに対するインターネットEDIの優位性(メリット)について改めて確認しつつ、移行プロジェクトにおける注意点や、外すことのできない3つのポイントについて紹介します。

IP網完全移行で「INSネット ディジタル通信モード」が終了

2015年11月、NTT東西は、加入契約数の減少や中継交換機・信号交換機などインフラの維持限界が近いことなどを理由に、「公衆交換電話網(PSTN)をIP網に移行する構想」を発表。その後、2017年10月には、IP網移行の具体的スケジュール(下図参照)を発表し現在にいたります。

NTT東西によるIP網移行スケジュール


それによれば、基本的にはそのまま利用し続けることができる音声サービス(「INSネット 通話モード」を含む)に対し、「INSネット ディジタル通信モード」は2024年1月を以って終了、既存の通信機器(ルータ/TA)が使えなくなります。これを回避するための補完策(メタルIP電話上のデータ通信)が用意されることになっていますが、提供が2027年頃までということで、あくまでIP網完全移行に向けた経過措置と考えた方がよさそうです。

特にEDI利用企業にとって深刻な事情とは?!

「2027年頃までは既存通信機器が使えるようだし、まだまだ先の話…」と安心するのは早計です。というのも、2024年初頭のINSネット ディジタル通信モード終了に合わせ提供される補完策(メタルIP電話上のデータ通信)では、伝送途中でアナログデータをIPパケットに変換するプロセスが入るため、どうしても通信遅延が発生します(モデム通信の場合も、同様です)。NTTのサイトなどでEDIでの検証結果が公表されていますが、それによると、メタルIP電話上のデータ通信はINSネット ディジタル通信モードに比べ、最大4倍程度通信に時間を要することがわかっています。
受発注業務などに利用され確実性とともに迅速性が“命”のEDIにとって、通信の遅延は、そのまま出荷・納品の遅れにつながりかねないだけに深刻な問題です。

あまり悠長に構えていられない事情は、ほかにもあります。まずEDIの場合、データ通信を行う相手(取引先)と対策のタイミングや通信方式などを合わせる必要があり、自社の都合だけで対策を進めることができないこと。また、EDI利用企業がいっせいに対策しようとする結果、EDIに精通したベンダのSEリソースが不足しプロジェクトが滞る事態が想定されることなどです。さらに、遅延が発生し始めるタイミングについても、予想されている2024年より早くなる可能性もあり、予断を許さないというのが現実です。

インターネットEDI移行でガラパゴスからの脱却を

これまで独自の仕様で発達してきた日本のEDIは、グローバルで見ると完全にガラパゴス化しており、日本以外では電話回線ではなく世界中に広く普及したインターネット回線を使う「インターネットEDI」がスタンダードとなっています。
高速化と低価格化が進むインターネット回線を利用することで、EDI業務のスピードアップとコスト削減が可能になるほか、モデムなど専用機器を使うことなく、ごく標準的な機器構成で利用できることなどから、今後、日本でもインターネットEDIへの移行が一気に進むものと思われます。
問題はインターネットEDIへの移行をいつ実行するかですが、前述の諸々の事情を勘案して余裕をもって進めたいなら、できるだけ早期に移行すべきということになります。

通信遅延を回避するには2023年1月までにインターネットEDI移行を


インターネットEDI移行で失敗しないために!3つのポイント

ポイント1.取引先の方針や業界動向を調査…EDI方式をじっくり検討!

EDIでは取引先とプロトコル(通信手順)を統一する必要があるため、取引先との協議がマストとなります。また、業界ごとにEDI標準を確立する動きも進んでいるため、こうした動向・情報を参照しながら、将来を見据えたEDI方式を慎重に選定する必要があります。参考までに、流通、銀行、電子部品、化学の4業界のEDI標準について、紹介します。

流通業界(流通BMS協議会)

  • インターネットEDI標準として、2007年より「流通BMS標準」が普及。2018年2月時点で、すでに約11,700社が移行済みとされる。
  • プロトコルは、「JX手順」「AS2」「ebMSv2」のいずれかを選択でき、メッセージ形式はXMLを採用。
  • 業務プロセスも標準化しているほか、2019年10月1日から実施予定の消費税軽減税率制度(複数税率)にも対応。

銀行業界(全国銀行協会)

  • 2017年5月、全銀ベーシック手順と全銀TCP/IP手順(2023年12月末をもってサポート終了予定)の後継として、インターネットに対応した全銀TCP/IP手順「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」を制定。
  • ファームバンキングで利用されている全銀フォーマットのXML化に向け、全銀協と全銀ネットが新システム「ZEDI(Zengin EDI System:ゼディ)」の2018年末稼働を目指している。プロトコルは、「JX」を採用。既存のEDIシステムではZEDIとの連携ができず、ZEDIに対応したシステムが必要となる。

電子部品業界(JEITA)

  • 「ebMSv3」「拡張Z手順+L2TP/IPsec」「拡張Z手順+SSL/TLS」の3方式を移行対象プロトコルとして位置づけている(「ebMSv3」への移行を推奨)。メッセージ形式の変更は必要ない。
  • 移行ガイドラインの整備や実証実験の実施など、インターネット通信方式への移行に向けて動いている。

化学業界(CEDI)

  • JPCA方式において、「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」の採用を表明。メッセージ形式の変更の必要はない。
  • 2018年度に実証実験やガイドライン作成を進める予定で、2022年12月までの移行完了を推奨している。

各業界のインターネット通信方式


ポイント2.サーバ側は方針検討/クライアント側はそれを確認…今からでも早すぎることはない!

インターネットEDIへの移行の段取りは、サーバ側(流通業の場合、主に小売企業)とクライアント側(同、主に卸・メーカー企業)で異なります。まずはサーバ側が業界標準やクライアント側の状況を加味した上で方針を定める必要があり、クライアント側はその方針を確認し、それに沿った自社の方針を決めるという流れが一般的です。
前述の通信遅延発生が早まる可能性や、ベンダのSEリソース枯渇、取引先との調整期間など、不確定要素を加味しつつ、方針検討・予算化からシステム改修・接続先テストを経て移行にいたる“無理のないスケジュール(下図参照)”を考えるならば、今からでも決して早すぎることはありません。特にJCA手順から流通BMS標準への移行では、プロトコルだけでなくメッセージや業務プロセスを含めたシステム全体の移行となり、基幹システムへの影響も想定されるため、半年~1年をかけて効率化に向けた業務見直しを進めるのが理想的です。

システム移行の理想的な段取り


ポイント3.近道は…EDIのエキスパートをパートナーに!

前項で説明したとおりインターネットEDI導入プロジェクトは時間を要するだけでなく、取引先とのすり合わせや業界動向調査など方針を定めるための検討・準備を含め、タスクが多岐におよぶため、一筋縄ではいきません。移行プロジェクトをスムーズに進めるためにも、そして、最も重要な方式検討で最適な判断を下すためにも、EDIに関するノウハウやソリューション導入実績が豊富なITベンダへの相談は必須です。

キヤノンITソリューションズ株式会社では、従来型EDIからインターネットEDIまで幅広く対応し、EDIシステムの設計・構築から導入・運用支援にいたるまで、EDIシステム全般のサポートを行うことができます。EDI導入でお悩みの企業様は、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

キヤノンITソリューションズの関連ソフトウェア

EDI-Master B2B TLS-Accelerator

通信システムと連携し、SSL/TLSによる暗号機能を提供する中継サーバー。全銀TCP/IP手順システムのインターネット対応に最適です。

EDI-Master B2B Gateway

様々な業種・業界企業とデータ交換を行うためのEDIサーバを、必要規模に応じて構築が出来るEDIミドルウェアです。

EDI-Master B2B for BANK TCP/IP-Client

全銀協TCP/IP手順通信ソフト(端末仕様)の決定版。ファームバンキングや企業間ファイル転送システムとして多数の導入実績。

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