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エンジニアリングチェーンとサプライチェーンの連携によるスマートSCMでお客さまの価値を創造するMessage from Us ~私たちの想い~

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公開日:2025年7月10日

キヤノンITソリューションズ株式会社
取締役 常務執行役員
大久保 晴彦

IT技術を駆使してお客さまへの提供価値を高める

取締役 常務執行役員 大久保晴彦

私たちキヤノンITソリューションズ(以下キヤノンITS)は、2003年にキヤノンマーケティングジャパングループの一員となりましたが、その前身である住友金属システムソリューションズの時代から培ってきた経験と業務知見をもとに、お客さまの良きITパートナーとして認知、信頼いただける存在になるべく、日々活動しています。
私はその中で、製造業/流通・小売業向けのシステムインテグレーションおよびエンベデッド(組込みシステム)の領域におけるソリューションビジネスを担当しています。

市場環境に目を向けますと、昨今はVUCAの時代と言われていますが、まさに予測困難な事態が相次いでおり、サプライチェーンに与えるリスクは増大しています。国内を中心とした製造業は、原材料の高騰やエネルギー高などに起因し業績にも大きな影響を与えています。また、新型コロナの流行以降、顧客の購買動向がECの利用に大きく変わり、それに伴う物流や配送における課題も鮮明となっています。このような市場環境の中、「物流クライシス」や「2025年の崖」、「カーボンニュートラル」への対応など、IT技術を駆使した課題解決への投資意欲は旺盛な状況だと認識しています。

一方で、製造業および流通業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)は発展の余地があると感じています。
日本の製造業は欧米と比べ、業務の効率化や生産性の向上に向けた、作業手順、プロセス、設備の統一などの標準化が遅れており、ものづくりの品質は高いものの属人性が強く、労働人口の減少による技術継承の問題も抱えています。
ディスクリート製造業では、部品の仕入れから組み立てを経て最終製品になるため製造工程のプロセスが明解ですが、プロセス製造業では、原材料から最終製品にいたる製造工程のプロセスが非常に複雑であり工場のラインも多種多様なため、標準化が進まない、かつDXが帳票のデジタル化など限定的な取り組みとなっている要因の一つだと考えています。各種データをどのように取得し管理するか、顧客ニーズにこたえられる製品開発や品質向上のためにデータをどのように活用するか、シームレスなデータの一元管理と活用が大きな課題となります。
また標準化が進んでいないことによる影響は、属人性の強さという課題にも繋がっていると考えています。これまで匠の技、匠の目利きが企業の強みの一つであった時代から、少子高齢化に伴い労働人口が減少し、高齢化による匠のリタイア、人材不足による技術継承の難しさなどの課題に直面しています。

流通業や小売業に目を移しますがこの領域も、長時間労働、賃金などの問題に加え、少子高齢化、労働人口の減少にともなう人材不足など多くの課題を抱えています。また、消費者の必要な時に必要なものを買うという購買動向の変化についていけず、旧来のものの売り方では思うように売れないということも大きな課題といえるでしょう。
さまざまな外部要因を分析しながら、販売計画を立てなくてはならず、欠品がないよう仕入れの計画も重要となります。過剰に仕入れてしまうと在庫になりますし、在庫は保管するだけでも費用がかかります。欠品がないように、特に売れ筋の商品は店舗に並んでいるようにしなくてはいけない、一方で極力在庫は最小化したい、というような対応に迫られています。必要なものが必要な時に、必要な分そろっている、シンプルではありますがこのような状況にあることが大切です。
流通業においてDXを進める重要な要素の一つとして、IT技術を駆使しながら、季節や気象情報などのコーザルデータも考慮したお客さまの購買動向分析が今後ますます重要となるのではないでしょうか。

キヤノンITSは、お客さまが直面している課題に対し、IT技術を駆使してどのような価値を提供できるか、日々お客さまやパートナー企業と共に課題解決に向けて取り組んでいます。

お客さまの事業基盤を支えるソリューションの提供

取締役 常務執行役員 大久保晴彦

製造業については、標準化の遅れやデータの利活用に関する課題についてお話ししました。キヤノンITSはお客さまのエンジニアリングチェーンにおけるプロセスにおいて、設計開発の段階で3DCADやPLM(Product Lifecycle Management)を有効活用し、試作段階の設計品質やデータの一元管理による標準化および共通化を図るエンジニアリングの基盤を構築することで、製品の開発リードタイムの短縮、品質の向上、製品トレーサビリティの迅速化などにつなげています。
またサプライチェーン領域では、事業の変革やDXの推進に不可欠なSCM/ERPの領域に対し、基幹業務トータルソリューション「AvantStage(アバントステージ)」の提供を通じて、需要予測、生産計画、生産管理、販売管理、購買管理、物流など各種の業務連鎖を高め、お客さまに安定した製品供給が可能となります。
このように、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンを連携する「スマートSCM」が、お客さまに提供できるキヤノンITSの大きな価値であり強みとなります。

流通業および小売業については人材の不足やお客さまの購買動向の変化についてお話ししました。流通業と小売業では、製造業よりも顧客の購買情報、商品の在庫情報などのデータをリアルタイムに、かつ正確に、迅速に収集し分析することが重要です。需要予測や需給計画、現品管理や物流では、キヤノンITSの研究開発部門であるR&D本部が持つ数理技術を駆使した、需要予測・需給計画ソリューション「FOREMAST(フォーマスト)」による需要予測の最適化や、サプライチェーン計画ソリューション「SCPlanet(エスシープラネット)」による検査/検品/物流の効率化などにより、お客さまの事業に貢献できます。

またエンベデッドの領域にも強みを持ち、AIと画像/映像認識の技術を組み合わせた外観検査/省力化を実現するAI検査プラットフォームの構築などにも注力しています。製造工場、設備点検、物流倉庫における検査の省力化を実現するために、お客さまと実証実験を重ねながら実運用に向けて取り組んでいます。

AIと生成AIの利活用による新たなシステムインテグレーションを目指す

取締役 常務執行役員 大久保晴彦

キヤノンITSは、長年培ってきた業務知見や先進技術などの強みを最大限に生かしながら、お客さまとともに、限定的なDXにとどまらず業務の個別最適から全体最適に向けて共にチャレンジし、共に成長したいと考えています。

そのためには、私たち自身もお客さまも、AIの利活用を加速させる必要があると考えています。先に述べましたように、労働人口の減少にともなう人材の不足においても、AIを活用して業務の効率化や生産性の向上、品質の向上につなげていくなど、幅広く利活用する場面が増えてきていると感じています。
私たちも、新しいシステムインテグレーションの姿として生成AIを活用し、設計/開発/テストの生産性を高め、高品質かつ短納期を実現できる取り組みを強化しています。人のチカラに依存した業務体質からの脱却を進めながら、私たち自身が新たな価値を生み出すことで、お客さまによりよいご提案が可能となりますし、共に新たな価値を創り出せると信じています。

キヤノンITSが掲げているビジョン、「先進ICTと元気な社員で未来を拓く"共想共創カンパニー"」は、AIや生成AI、画像/映像解析をはじめとした先進技術を磨きながら、社員やパートナー企業とともに、お客さまや社会の未来を拓いていきたいという想いが込められています。また、お客さまの目指す未来や、そのために日々取り組まれている業務を深く理解し、課題解決に向けてお客さまと共に成長していける価値を創造し続けられるよう、私たちも努力を続けてまいります。今後もキヤノンITSの取り組みにご期待ください。

取締役 常務執行役員 大久保晴彦

取締役 常務執行役員 大久保 晴彦

1985年4月に住友金属システム開発株式会社(現キヤノンITソリューションズ株式会社)に入社し、西日本でのシステムインテグレーション事業に従事。2016年に執行役員 SIサービス事業本部 産業事業部長、2017年にスーパーストリーム株式会社(現キヤノンITソリューションズ株式会社)代表取締役社長、2019年に上席執行役員に就任。現在は取締役 常務執行役員として、製造・流通ソリューション事業部門を担当し、キヤノンITSの成長を支えている。

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