ホーム > トピックス > コラム > シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第34回)
ネットワークカメラソリューション [2022.04.27]
  • コラム

シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第34回)
ネットワークカメラソリューション [2022.04.27]

マシンビジョン市場動向・2023年予測

今回は、パン、チルト、ズーム、オートフォーカスといった駆動機能を備えた監視カメラと画像処理技術を組み合わせることで、現場の自動化や無人化を実現する「ネットワークカメラソリューション」についてご紹介いたします。

ネットワークカメラソリューションについて

昨今、デジタル技術を活用し企業変革を行う、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が、各方面で話題になっています。
イメージング技術もその一つで、これまで、目視検査の代替として、主に産業用カメラによる外観検査システムの導入が進められてきましたが、生産現場(工場や施設など)に対する監視や巡視点検など、人の確認作業についても、自動化への取り組みが進められています。人の代替となると、高度な認識機能をもつ自律走行型ロボットが必要となりますが、その前段として、普段作業者が行う巡視点検や確認作業に対して、工場や施設などに監視目的で設置されている駆動機能をもつネットワークカメラを利用し、様々な箇所を撮像した映像をもとに分析や認識を行う「ネットワークカメラソリューション」が注目されています。

パン・チルト・ズーム駆動可能なネットワークカメラ

図1 パン・チルト・ズーム駆動可能なネットワークカメラ

 

ネットワークカメラは、固定焦点で駆動部をもたない産業用カメラと異なり、パン(左右移動)、チルト(上下移動)機能で視野の変更ができ、ズーム(前後方向)とオートフォーカス機能で指定箇所を高解像度に撮影できるなど、1台のカメラで広範囲の視野をカバーできるシステム開発ができます。開発には、ネットワークカメラとメーカーが提供するソフトウェアツールキット、さらに画像処理ソフトウェアを用いて開発することになりますが、キヤノングループでは、キヤノン社製ネットワークカメラ(監視カメラ)と、簡単にシステム構築が可能なネットワークカメラ対応のフローチャート式画像処理ソフトウェアツール「Vision Edition」を提供しています。

ネットワークカメラ用画像処理ツール「Vision Edition」について

「Vision Ediion」対応カメラとシステム構成イメージ

図2 「Vision Ediion」対応カメラとシステム構成イメージ

キヤノン社製 Vision Edition(以降VE)は、ネットワークカメラの撮像制御から、画像処理、判定機能をフローチャート式で開発可能なソフトウェアツールです。対応カメラは、キヤノンおよび、AXISのネットワークカメラに対応しています。
構成では、1台のコントローラPCにインストールした状態で使用し、同時に最大4台までカメラ制御可能です。開発は、フローチャート式で、カメラ撮像も1つのブロックで作成し、実施したい処理は、下方向へ処理ブロックを追加していくことで構築します。工場内でよくみられるアナログメーターの数値読み取りや、物流などで利用されるバーコード認識、外観検査で利用可能な粒子解析や測長など、さまざまな機能が活用できます。さらに、ロボットとの連携制御機能もあり、ネットワークカメラを利用して、状態を認識し、結果をもとにロボット制御を行うなどの駆動系の活用も可能です。

「Vision Ediion」の画像処理機能

図3 「Vision Ediion」の画像処理機能

「Vision Ediion」のフローチャート設定画面

図4 「Vision Ediion」のフローチャート設定画面

ネットワークカメラソリューションの事例

撮像制御と処理機能の組み合わせ

図5 撮像制御と処理機能の組み合わせ

VEでは、カメラのパン・チルト・ズーム・オートフォーカスといったカメラ制御と撮像、実施したい画像処理をそれぞれ組み合わせることができるため、基準位置では、QRコード認識を行い、ズーム望遠機能を使って、遠くの位置のアナログメータを確認し、別の位置の対象ワークの測長を行うといったことが可能で、様々なシーンに対応できます(図5)。
例えば、物流での入出庫時のバーコード認識とデータ出力(図6)、さらに、画像処理で商品棚の在庫状況を確認し、URロボットと画像処理でマテリアルハンドリングを実現したり、画像処理で射出成形機のモニターの表示内容を読み取り、結果をURロボットに返すことで、URロボットは成形機の稼働状況に応じた連携が可能です(図7)。

物流入出庫時のバーコード認識

図6 物流入出庫時のバーコード認識

「Vision Ediion」のロボット連携

図7 「Vision Ediion」のロボット連携

今回のまとめ

今回は、ネットワークカメラのパン、チルト、ズーム、オートフォーカス機能による広範囲な視野をもち、局所に対しては高解像度な撮像が可能なこと、さらに、カメラ制御から画像処理、ロボット連携までを簡単に構築できるフローチャート式開発ツール「Vision Edition」について、ご紹介いたしました。 工場や施設、さらには、ビルやスマートシティなど現場での目視による作業に対する自動化要望の際は、「ネットワークカメラソリューション」をご検討いただければと存じます。

 

筆者紹介

シニアアプリケーションスペシャリスト 稲山

稲山 一幸(いねやま かずゆき)

エンジニアリング事業 シニアアプリケーションスペシャリスト

1992年住金制御エンジニアリング入社、Matrox社製品の国内総代理店立ち上げに参画、以降25年マシンビジョン業界に携わる。
2013年~2016年、キヤノン株式会社にてマシンビジョン関連の新製品開発のソフトウェアリーダとして従事。現在は、エバンジェリストとして活躍中。

関連するソリューション・製品

ホーム > トピックス > コラム > シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第34回)
ネットワークカメラソリューション [2022.04.27]