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シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第10回):産業用偏光カメラ その2

シニアアプリケーションスペシャリスト 稲山

エンジニアリングソリューション事業部
シニアアプリケーションスペシャリスト
筆者 稲山 一幸

 

 

前回に続き、困難なワーク撮像の救世主として話題の「偏光カメラ」についてお話しさせていただきます。偏光技術と金属光沢面の撮像事例について紹介させていただきましたが、続けて、透明ワーク、刻印ワーク、黒色ワークの撮像事例についてご紹介します。

偏光カメラでの撮像事例「透明ワーク」

透明ワークに対しては、特に凹凸や歪など表面状態についての可視化要望が多くみられます。例えば、透明ペットボトルの底の撮像事例では、通常撮像(グレースケール)でも陰があり凹凸変化を再現しているようにも感じられますが、表面の反射と屈折率の関係で一定方向の変化については再現されていません。一方ADOLP画像(コラム第9回「偏光技術の進化」参照)では、変形部と変形の方向性が可視化できています(図1)

続いて、透明ワークの僅かな歪を可視化する例です。メガネの留め金の締め付けによるレンズ歪を可視化する例ですが、通常撮像では何も映っていません。
偏光撮像では、AOPで歪の変形部が抽出されおり、ADOLPでは歪の変形部とその方向性が可視化されています(図2)。

ペットボトルの偏光画像

ペットボトルの偏光画像(図1)

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メガネレンズの偏光画像

メガネレンズの偏光画像(図2)

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偏光カメラでの撮像事例「刻印ワーク」

ブリスターパックの偏光画像

ブリスターパックの偏光画像(図3)

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続いて、表面印刷と刻印印刷の可視化例をご紹介します。例えば、薬のブリスターパックにある表面印刷と同位置に刻印文字も含まれるような場合、検査では、印刷文字と刻印文字を分けて可視化したい場合があります。本例では、印刷文字については通常撮像で可視化できています。刻印文字に対しては、特にDOLPが背景全体の交差模様もわずかに見られますが、より深い凹凸をコントラストよく可視化しています(図3)。

偏光カメラでの撮像事例「黒色ワーク」

黒色立体物の偏光画像

黒色立体物の偏光画像(図4)

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黒色ワークは、そもそも反射率が少ないこともあり各面反射が一定の輝度で撮像されます。 そのため物体の面情報はもとより境界線の検出ができないケースが多くみられます。
偏光撮像では、特にADOLPにて方向性と強度を再現できるため、面や境界線も可視化できています(図4)

今回のまとめ

前回と今回の2回にわたり、最新の偏光カメラ技術と撮像事例についてご紹介してきました。繰り返しになりますが、マシンビジョンシステムでは可視化は命です。可視化ができれば、その後の処理は簡易なものですみます。困難なワークでお悩みの方は、一度偏光カメラで撮像してみてはいかがでしょうか。

 

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