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国立大学法人 東京大学様

LMS環境をオンプレミスからパブリッククラウドへ。
xAPIやLTIなど国際標準規格にも対応!

  • 顧客満足度向上
  • 製品・サービス品質の向上
  • 多様なワークスタイルへの対応
  • 事務生産性向上
東京大学 外観

その名を国内外に馳せる東京大学。同校の学内組織である情報基盤センターは学内外の研究・教育・産学連携を推進するために不可欠の情報基盤の設計・導入・運営・ユーザ支援を行っており、その取り組みのひとつがLMSの導入。2003年より学内で開発したシステムで教育支援を開始し、2009年にはシステム構成の見直しと保守運用体制の強化を行った。2014 年、安定稼働とセキュリティの向上、学務システムとの連携、マルチデバイス対応等の必要性を認識し、ベンダー開発のLMSの導入を決断、キヤノンマーケティングジャパンとシステム開発を担うキヤノンITソリューションズ(以下キヤノンITS)の“in Campus LMS”の導入を果たす。その後も、科目及び履修者情報の自動登録、教職員向け講習への対応、動画配信との連携など、機能強化を実施。2019年、パブリッククラウドへ移行し、LA※1へ向けた環境構築、LTI準拠による外部連携、LINE連携など機能拡充を図った。
※1 Learning Analytics(LA)

導入ソリューション
導入製品

お客様データ

国立大学法人 東京大学
URL:https://www.u-tokyo.ac.jp/
創設:1877年
所在地:東京都文京区本郷7-3-1
学生数:27790名(2019年5月現在)

○1877年4月12日、東京開成学校と東京医学校が合併。旧東京開成学校の法・理・文の3学部と旧東京医学校の医学部に東京大学予備門を付属して創設される。世界大学評価機関の英国クアクアレリ・シモンズ(QS)の「世界大学ランキング2020」では世界22位にランク。評価指標のAcademic Reputation(学術関係者からの世評)では、世界で8校しかない満点を獲得。創立以来、東西文化融合の学術拠点として独自に学術を発展させ、それを世界に伝えてきた伝統を引き継ぎ、未来に向けて世界の様々な人々を惹きつけ、知の探求を知の活用へとつなげる「知の協創の世界拠点」を目指す。

○東京大学情報基盤センターは、学内外の研究・教育、社会貢献等に係る情報処理の推進に向け、その基盤的研究を担当。8大学センター群から構成される学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点の中核機関としての役割を果たしつつ、基盤となる設備等の整備・提供、その他必要な専門的業務を担って活動中。

お客さまが実現できたこと

  • UI改善やLINE連携、レスポンシブ対応などLMS本体の機能を強化した他、LTIで外部のツールやサービスとの連携も可能に。
  • 教育や学習の質の向上を目的とするLAのために、LMS上の各種の履歴データを蓄積する機能を追加。
  • 上記の機能を、パブリッククラウド上でコンテナ技術を用いて構築。

お客さまのご要望

  • モバイルやクラウドなど社会基盤としてICTが進化・浸透する中、運用含め抜本的に見直したい。
  • LMS活用から20年近く経ちユーザー数が激増。高可用性と高信頼性を保ちながら機能向上したい。
  • 学生の学習度の把握に加え教材の改良やカリキュラム構造の可視化に利く教員側のツールもほしい。

導入前の課題と背景

進化するICTを導入して学内の情報基盤を整備

教育現場でのICT活用においても、世に先駆け多彩な活動を展開する東京大学。2003年より運用するLMSに関しても、積極的に活用を進め、学内すべての学生や教職員が対象の情報セキュリティ講習など、講義以外でも利用してきた。その結果、1日当りの利用者数が3千人を超えることも増え、教育・学習のための情報基盤として、システムの強化が課題となっていた。

「大きな背景としてクラウドも一般化したこと、スマートフォンなどのモバイル機器が学生にも浸透したこと、教材やレポートのやりとり、連絡もネット経由といった講義のデジタル化など、我々を取り巻く環境の変化があります」(柴山氏)

東京大学 情報基盤センター<br />
情報メディア教育研究部門<br />
教授 理学博士<br />
柴山 悦哉氏

東京大学 情報基盤センター
情報メディア教育研究部門
教授 理学博士
柴山 悦哉氏


お客さまのコメント
「ICT活用のトレンドにも明るいベンダーですね」
「今回はパブリッククラウドを利用し、内部アーキテクチャもそれに適したものを採用してもらいました。安定運用を図りつつ、新技術にもチャレンジしている点は評価できると思います」


導入の必然性

次期LMSはクラウドで構築

そんな同校では、課題対応と将来的な拡張性を視野にいれ、2017年5月頃から次期LMSの検討が始まった。

「直面するユーザー数の増加等を考慮すると、LMSには更なる信頼性と可用性、運用省力化、高いセキュリティレベル、万が一のシステム障害への対策が不可欠。それらをパブリッククラウドの上で概ね合理的なコストで実現可能になったため、学外にLMSを置くことに不安はありませんでした」(関谷氏)

「たとえばスーパーコンピュータなら夜間・休日もほぼフル稼働ですが、それに比べると、LMSの負荷が高い時間帯はかなり短い。オンプレミスだとピーク時に合わせてハードウェアを調達する必要があるため、どうしても不利になる」(柴山氏)というように、学内情報基盤としてパブリッククラウドへの移行が決断された。

また同校の教育学習環境に合わせた設計・開発に、入札による業者の決定から本格的な運用開始までに1年間程度を当てることとした。
以上の他、既存LMSサービスの安定提供と機能拡充、LAのためのデータの蓄積、外部システムとのLTI連携を実現する仕様が2017年11月に策定された。
その後入札を経て、クラウド情報セキュリティに関する第三者認定「CSゴールドマーク」を取得した、NTT東日本グループの「クラウドゲートウェイサーバホスティング(接続オプションにより、SINET(閉域網)経由のセキュアなプライベートクラウド環境が容易に実現可能な学認クラウド推奨サービスのひとつ)」と、キヤノンITSの“in Campus LMS Version2”の導入が2018年2月に決まった。
詳細設計に入る前の2018年4月には、LMSを授業で積極的に利用する学部や学内の教育支援組織に所属する教員から意見を得る機会を設けた。

「操作画面のUIやレイアウトなどで、実際に現場で使っている実感や改善要望などの意見を数多く聞くことができ、とても参考になりました」(関谷氏)
そして約1年に亘る設計・開発・構築期間を経て、2019年4月の授業から新しいLMSの利用が始まった。

東京大学 情報基盤センター<br />
情報メディア教育研究部門<br />
助教 博士(工学)<br />
関谷 貴之氏(左)<br />
<br />
東京大学 情報システム部<br />
情報支援課 係長<br />
友西 大氏(右)<br />
<br />
東京大学 情報システム部<br />
情報支援課<br />
郡司 彩氏

東京大学 情報基盤センター
情報メディア教育研究部門
助教 博士(工学)
関谷 貴之氏(左)

東京大学 情報システム部
情報支援課 係長
友西 大氏(右)

東京大学 情報システム部
情報支援課
郡司 彩氏


お客さまのコメント
「文教領域で培われた実力は大きな安心材料」
「ICTは専門外の教員からの要望はモヤっとしたものが多かったにも関わらず、的確にポイントをつかみカタチにしてもらえました。以前から文教で経験を積み重ねるベンダーならではの実力ですね」(関谷氏)
「アクシデントで重要なファイルが消去された際も、すぐにバックアップいただき、本当に助かりました!」(友西氏)


運用上での期待

LA やLTI への期待

オンプレミス環境からパブリッククラウドへの移行に関し、「特に支障はありませんでした」(関谷氏)と評する同校。その他の要望に関してはどうだったのだろう。

「LAに関しては、まずはデータの収集・蓄積が必要で、そのための機能を導入しました」(柴山氏)
「端末操作などの行動履歴や試験結果、レポート提出、出欠状況…など、教育現場で収集できるあらゆる情報のストックに取り掛かっています」(関谷氏)というように、xAPI・LRS(※2,3)環境を導入することで、同学ではさっそくLA活用の第一歩を踏み出している。

「集めたデータから、何を紐解いていくか━━たとえば、助けが必要な学生とそうでない学生を識別し、それぞれに合った指導ができるかもしれません。一方、教員に対しても、教材のクオリティを評価し、向上させるための客観的エビデンスを引き出せる可能性があります。自身の経験に基づく主観的な評価と学習行動データ等に基づく客観的な評価をうまく組み合わせ、教員が講義の進め方や教材を改善できるようになることを期待します」(柴山氏)

LTI機能に関して、同校では外部ツールの評価を行っている。
「将来に向けた拡張性の担保もLTI連携が可能になることで果たせそうです。外部の有用なツールやコンテンツの利用などが可能になるでしょう」(柴山氏)


※2 Experience API (xAPI)
※3 Learning Record Store (LRS)

取り組みの成果

教員へのメッセージなど新機能も充実

運用スタッフからは、

「レスポンシブになったことで、スマートフォン片手にサポート窓口に訊きにくる学生が増えました。各機能に関する使い方や設定方法、トラブル解消といった問い合わせ内容の具体性からも、それだけ普段から使い慣れたデバイスやアプリに近付いたんだと思います」(友西氏)

「私自身、そう感じていたのですが、学生や教員、情報セキュリティ講習の運営スタッフたちからも、操作性やスピードが格段に良くなったという声が多く聞こえます。また、駒場キャンパスで講義に臨む1・2年生は、メッセージ機能の利用が伸びていますね」(郡司氏)

「というのもLINE連携に加え、LMSのメッセージ機能もSNSライクなUIや使い心地に進化させています。学生たちのコミュニケーションツールは、SNSが趨勢。インタラクティブなコミュニケーションのやりとり履歴も、有効活用できるはずです。メール機能があればいいじゃないか、という感覚では、もう成り立たないでしょう」(関谷氏)

将来の展望

新システムで新たな学びを追求

レスポンシブ対応となりスマホからのアクセスにも最適化された
レスポンシブ対応となりスマホからのアクセスにも最適化された


「今回のLMS刷新は、今後の可視化のための一歩となる」(関谷氏)というように、eポートフォリオはじめ以前より多種多様な教育・学習履歴を取得できる情報基盤を手に入れた同学。

「授業中のLMSの利用だけでなく、スマートフォンや自宅PC等での自学自習など、学生が自身の学びの軌跡を振り返れるようにしたいと思います」(関谷氏)
「学生一人ひとりがどういう順序で何を学べばいいか。LAを用いてエビデンスに基づき提案する機能に今後は発展させたいですね」(柴山氏)と期待も高まっている。

「ときには数百人を相手に講義を行うこともある教員にとって、学生の理解度・習熟度の分布の把握が容易になり、講義内容や教材の改善を支援する機能も提供するようなLMSが期待されます。さらに、スキマ時間に視聴できる10分間程度のビデオ教材も活用した講義の設計支援、個別の講義だけでなくカリキュラム全体を対象とした設計支援などへの発展も考えられます」(柴山氏)と、LMS活用の将来の方向性を見通す同校。
「知の協創の世界拠点」として東京大学が目指すビジョンに基づくアクションの中で、特に教育に関する取り組みにLMSが役立てられることを期待したい。

システム概念図

お客さまのシステム構成


主要機能を網羅する“in Campus”ならパブリッククラウドにも対応
これまで文教市場で培ったIT基盤システムの開発・構築・運用の技術ノウハウや豊富な実績をもとに、独自開発した教育支援情報プラットフォーム“in Campus”。学内情報発信の窓口となる「ポータル」をはじめ豊富なコアユニットの中でも、本事例は「LMS」のカスタマイズで構築されました。

教育現場の声をもれなくカタチにする高カスタマイズ性も兼ね備える
本事例向けに「LMS」にアドオンされたのは、トークルームを設定するとお知らせや更新通知がアプリで受け取れる「LINE連携」や、LMS上での学生個人からの問い合わせに、SNSライクなUIで対応できる「メッセージ機能」。LTI準拠やeポートフォリオなども含め、柔軟に対応しています。

導入いただいたソリューション・製品

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