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東京電機大学様

新たな東京千住キャンパスを軸に4キャンパスを結ぶ全学レベルのICT基盤を仮想化・クラウド基盤パッケージで再構築

  • コスト削減
  • パフォーマンス・可用性向上
東京電機大学

省CO2でセキュアなネットワークインフラ確立に向けて

導入ソリューション
導入製品

お客様データ

東京電機大学
創立:1907年9月
所在地:東京都足立区千住旭町5番
学生数:約12,000名

理工系総合大学として、千住(東京都)、鳩山(埼玉県)、千葉ニュータウン(千葉県)、小金井(東京都)の4キャンパスに、大学院、工学部、未来科学部、理工学部、情報環境学部、工学部第二部を展開。約12,000名の学生を擁す。
1907年の学園創立以来、「技術で社会に貢献する人材の育成」を使命に、建学の精神に「実学尊重」、教育・研究理念に「技術は人なり」を掲げ、一世紀以上に渡り社会の第一線で活躍する技術者を数多く輩出してきた。

2012年4月から北千住駅前に東京千住キャンパスを開設。学園創立100周年記念事業の中核事業として都市型キャンパスの未来形を実現し、次の100年を目指す。
また、「東京千住キャンパス建設を端緒とする省CO2エコキャンパス推進計画」としても取り組まれ、国土交通省のモデル事業にも採択(平成21年11月)されている。

お客さまが実現できたこと

  • 新キャンパスを含めたすべてのキャンパスで利便性・運用性・拡張性が向上
  • これまで設置していたサーバスペースの75%、消費電力も従来の約65%に削減

お客さまのご要望

  • スマートでエコなキャンパスの実現に寄与する新たなICT基盤の構築

都市型キャンパスを指向する新キャンパス開設をトリガーに

学園創立100周年記念事業の中核事業として、2012年4月に開校した東京電機大学の東京千住キャンパス。2007年に創立100周年を迎えた同学の学園創立100周年記念事業の中核事業としてのメモリアル的な取り組みだ。ユニバーサルデザインの採用をはじめ、柵や塀などを設けずIDカードによる入退出管理などオープンでセキュアな環境に加え、防災機能の強化、大規模緑化など、学生が主役の地域に開かれた省CO2エコキャンパスとして、都市型キャンパスの未来形を指向したさまざまな取り組みが行われている。当時を振り返り、東京電機大学総合メディアセンター事務部長の佐藤 龍氏は次のように語る。

「便利で快適で、かつ省エネなどの効率化にもつながる。そんな新たな技術は、時代の変遷と共にどんどん生まれてきます。しかし、それらを上手く取り込むためには、ICT基盤も常に進化していく必要があります。私たちは、既に2006年から仮想化を導入するなど、システム更新時期には常にその時代の先の可能性を見据えたさまざまな取り組みを繰り返してきました。その先取的な取り組みを途切らせないためにも、今回の学園全体の基幹となるICT基盤の再構築は非常に重要な位置づけでした」

「さらに」と、東京電機大学総合メディアセンター企画・推進担当/運用(千住)担当課長の高橋陽子氏も続ける。

「東京千住キャンパスを支えるインフラとして、電気・ガス・水道などのライフラインはもちろん重要です。しかし、それを効率的にコントロールするネットワーク環境も併せ持つなど、スマートでエコなキャンパスの実現に寄与する新たなICT基盤も必須でした」

新たな東京千住キャンパスを中核拠点に、全学をつなげる情報インフラへ再構築する。この同学のチャレンジに、キヤノンITソリューションズもパートナーとして参加する。全学内のネットワーク環境の構築・更新やアプリケーションを含めたシステム全体の移行、プロジェクト管理など、一緒に新たなICT基盤の確立を担うこととなった。

上から<br />
東京電機大学<br />
総合メディアセンター 事務部長<br />
佐藤 龍氏<br />
同センター 課長<br />
高橋陽子氏<br />
同センター 技師<br />
橋本明人氏

上から
東京電機大学
総合メディアセンター 事務部長
佐藤 龍氏
同センター 課長
高橋陽子氏
同センター 技師
橋本明人氏

スマート&エコなキャンパスのICT基盤を仮想化・クラウドで

スマートな省CO2エコキャンパスとしての機能を支える新たなICT基盤は、すべてのキャンパスの学生や教職員にとって、セキュアで安定稼働する使いやすい環境であることも、必要最低条件として挙げられた。そこで白羽の矢が立ったのは、企業などで採用が進むクラウドコンピューティングだ。

「実は2006年から自前の仮想化環境でICT基盤を運用していたこともあり、全学規模での環境統合を見据えた新キャンパスのインフラも仮想化で行こうという流れではありました。オンプレミス型でハードウェアやソフトウェアなどを組み合わせ、検証を繰り返しながら、理想の姿を追求していくというものです。しかし、それは時間やコスト、マンパワーが非常にかかる作業です。日常の学内情報基盤の運用をしながらでは、どうしても限界があると感じていたのも事実です」と語るのは、東京電機大学総合メディアセンター運用(鳩山)担当/企画・推進担当の橋本明人氏。

今回のICT基盤の再構築を仮想化・クラウドで進めると抱えることになる"事前検証作業"や"機器のチューニング"、"業務アプリケーションのマッチング"といった作業に必要な時間やコストは、同学に大きな課題としてのしかかっていた。

その解決に向け、パートナーのキヤノンITソリューションズが提案したのは、国内の文教領域で全学レベルという規模では、先駆的な試みとなる、仮想化・クラウド基盤パッケージ"Vblock 300"のICT基盤への導入だった。"Vblock 300"とは、米シスコ社とEMC社によって設立されたVCE Company LLCが提供するオールインワンのソリューション。Cisco SystemsのIAサーバ(Unified Computing System)や仮想スイッチ(Nexusシリーズ)と、EMCジャパンのストレージ(VNXシリーズなど)、そしてVMwareの仮想化ソフト、これら製品の統合管理ツールを組み合わせたパッケージだ。

エコキャンパス実現に大きく貢献。全学統合に向け可能性も拡がる

"Vblock 300"は、ハードウェアやソフトウェアが導入前に最適化・標準化されたパッケージであるだけに、ユーザーサイドでの構築作業がほとんど不要になる。
「相互接続性や拡張性の課題は事前に解消済みで、システム連携やパフォーマンスについても最適化されラックごとで出荷されると聞き、すごく安心しましたね」(佐藤氏)

また、付属するVblock専用の統合管理ツールにより、仮想マシンやストレージ、サービスレベル、セキュリティなどの統合管理と一括運用を実現。WindowsやLinuxなどの主要OSをはじめ、Microsoft Exchange Server、Microsoft SharePoint Server、SAP、VMware仮想デスクトップなど、主要なエンタープライズ・アプリケーションについても、十分な稼働検証が実施されている。

カットオーバーまでの期間の大幅短縮をはじめ、同学が抱えていた課題を払拭するスペックの提案を受け、"Vblock 300"の採用が決定する。これまで学内に設置していたサーバを外部データセンターに移し、全学生と教職員に提供されていたメールシステム、メールセキュリティシステム、Webシステム、Webファイルシステム、ネットワークセキュリティ、ネットワーク認証システム、マネジメントシステム、バックアップシステムを新たなICT基盤に移行、プライベートクラウド構築に動きだした。 「これまでの中核拠点だった東京神田キャンパスからリモートでリソースデータをコピーするだけです。リアルでサーバを立てたりするオンプレミス型とは比較にならない作業負担で済んだのは驚きでした」(佐藤氏)

「全学共通のネットワーク環境ということで、東京千住キャンパスには新たにスイッチ類250基と無線LANのAPを130基設けました。ネットワークパフォーマンスを最適化するため、Wireless Control System(WCS)でWi-Fiの利用状況やカバーエリアの調整を図り、一元管理できるインテリジェンスを持たせ、リアルタイムにコントロールしていくのですが、この機能を"Vblock 300"に馴染ませるのもスムーズにできました」(橋本氏)

このように新たな機能も盛り込みながら、各キャンパスの学生や教職員が利用するデバイスをはじめ、ライフラインの制御、教室やゼミ単位で使用される各種サーバなどがつながるネットワークが安定稼働する環境整備を、"Vblock 300"を中心に進めていった。

全学内ネットワークシステムの最適化に向け、統合を徹底

"Vblock 300"でのICT基盤領域のサーバ仮想化とプライベートクラウド構築により、新キャンパスを含めたすべてのキャンパスで利便性・運用性・拡張性の向上が図られた。キャンパス内の個々のサービスで分離されたシステムを集約管理するシンプルなデータ統合環境を、約1カ月間(実質作業ベースで3週間)という短期間で実現できたことも注目される。

加えて、これまで設置していたサーバスペースの75%、消費電力も従来の約65%に、それぞれ削減できる予定だという。また、外部データセンターにICT基盤を移行したため、キャンパス内にサーバを置かずに済み、サーバの熱対策に不可欠だった空調も含め、学内電力消費の大幅削減に寄与する見込みもある。これらの取り組みは「東京千住キャンパス建設を端緒とする省CO2エコキャンパス推進計画」にまとめられ、国土交通省のモデル事業に採択(平成21年11月)されるなど、先進的な環境技術を導入した意欲的プロジェクトとして高く評価されている。

「"Vblock 300"は、仮想化・ネットワーキング・コンピューティング・ストレージ・セキュリティ…など、クラウド構築に必要な要素がつまった最適なITインフラを構築するパッケージだと思います」(高橋氏)

「ストレージでSolid State Drive(SSD)を用いた自動階層化機能を使っているなど、これまでのVMwareのサーバファームと比べても、体感レベルで足回りが速くなった実感です。デプロイの速度など顕著ですね。また、これまで複数システムを担当していた管理者の負担軽減だけでなく、4キャンパスに割り当てていた人員の効率的な再配置にもつながりました」(橋本氏)

「今後、同学では、"Vblock 300"による仮想化・プライベートクラウド環境に、各部門・学科で独自運営されているキャンパス内のサーバ集約を検討。東京千住キャンパス(工学部・ 未来科学部)を中核に据え、埼玉鳩山キャンパス(理工学部)、千葉ニュータウンキャンパス(情報環境学部)、東京小金井キャンパス(中学校・高等学校)のサーバとネットワークも統合し、学園全体での電力・CO2の削減も進めていく計画だ。さらに、東京小金井キャンパスの中学校や高等学校を含めた学園全体のICT基盤 としての活用も視野に、学内ネットワークシステムの全体最適化を図っていく予定だという。

「情報基盤ネットワークというインフラだからこそ、すべてのユーザーである学生や教職員にとって平等な環境であらねばなりません。その環境は整いつつあります。今後は各キャンパスのオペレーションやルールなども平準化させ、誰もがフラットに、どのキャンパスにいても同じ条件・環境を享受できるように、しっかり整備していきたいですね」(佐藤氏)

今回の同学の取り組みをサポートしたキヤノンITソリューションズでは、今後も同学のICT活用と省CO2エコキャンパス化を支援し続けると同時に、本案件で得た技術ノウハウをもとに、運用性・拡張性に優れた仮想化・プライベートクラウド・ソリューションを、広く文教領域に提供していく方針だ。

「建学の精神である"実学尊重"と"技術で社会に貢献する人材の育成"というミッションにも、今回の刷新はピッタリとマッチする。学生たちに最新の基幹ネットワークや仮想化・クラウド基盤という成果を実際に体感してもらえるわけですからね。そういった普段のキャンパスライフから、なにかをつかんでもらえたら幸いです」(佐藤氏)

システム構成

システム構成図

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