ISO20022対応を乗り越え外国送金基盤のクラウド化に成功EDI-Master Cloud導入事例
既存システムに依存しない新たな外国送金基盤を構築し、限られた期間で確実に本稼働へ移行したい
全日空商事株式会社様のケース
全日空商事では、航空機部品や機内サービス品などの海外調達に伴う外国送金業務に関して、金融通信メッセージフォーマットの国際標準規格「ISO20022」への期限内における確実な対応が求められていました。既存システムでは期限内対応が難しく、限られた期間で新たな仕組みの構築が必要となり、「EDI-Master Cloud」を採用。基幹システムとの自動連携により、確実な制度対応と安定運用の両立を実現し、将来の拡張も見据えた送金基盤を構築しています。
お話を伺ったお客さま
経理部 財務チーム チームリーダー
山下 昇一郎 様

経理部 財務チーム
増田 雅彦 様

お客さまが実現できたこと
- 外国送金業務の安定運用・業務効率化を実現
- クラウド化により、運用負荷・ITリソース負担を最小化
- 制度に対応した送金基盤のスムーズな期限内稼働を達成
お客さまのご要望
- ISO20022への対応に向け、既存システムに依存しない新たな外国送金基盤を構築し、限られた期間で確実に本稼働へ移行したい
制度対応を迫られた外国送金業務
不透明な状況下で進めた基盤整備
航空機部品や機内サービス品などの海外調達を担う全日空商事にとって、支払いの遅延や不履行は取引先との信用問題に直結し、調達業務や事業活動にも影響を及ぼします。こうしたなか、SWIFT(国際銀行間金融通信協会)や世界各国の国内決済において採用されている金融通信メッセージフォーマットの国際標準規格であるISO20022への対応を取引銀行から求められ、新たな送金基盤の構築に取り組むことになりました。
なぜ今回ISO20022対応が必要となり、どのような背景から新たな仕組みの導入を検討されたのでしょうか?
当社では、航空機部品や機内サービス品などを海外から調達しており、外国送金は日常的に発生しています。送金の遅れは調達の遅延につながり、その先の事業活動にも影響が及ぶため、外国送金業務は事業運営を支える基盤と認識しています。こうしたなか、SWIFTは昨今の国際的なアンチマネーローンダリング規制強化の高まりや、送金処理の迅速・効率化など、外国送金の課題に対応するため、2025年11月までにISO20022へ移行することを発表。当社においても、その対応を求められました。当初は、インターネットバンキングの活用を考えていましたが、一部手作業が必要となることが判明し、現行の基幹システムでの改修を迫られました。しかし、具体的な仕様決定が難航し、既存の仕組みでは改修範囲も大きかったため、厳しいスケジュールのもとで新たな送金基盤を早急に整備する必要がありました。
不確定な仕様とタイムリミット
手探りで進めたシステム選定
既存システムが利用できない状況で、どのようにシステム選定を進められたのでしょうか?
前述のとおり、当初は現行のインターネットバンキングの活用を考えていたため、新たな仕組みの導入が必要となりました。複数の外部サービスの比較検討を進めるなかで、多くのベンダーの提案は、自社に新たな専用回線を敷設することが前提で、インフラ負担の大きさが課題でした。その点、EDI-Master Cloudは専用回線なしで利用できることに加え、営業・SE・サポートチームによる支援体制に安心感があり、限られた期間で導入プロジェクトを進めるうえで大きな決め手となりました。
不確実な仕様とタイトなスケジュール
並行開発で進めた導入プロジェクト
仕様変更や調整が続くなか、導入プロジェクトをどのように進めたのでしょうか?
本プロジェクトは、検討に半年、構築に約半年を要し、検討開始から本稼働までおよそ1年にわたって進められました。ISO20022は共通フォーマットでありながら、銀行ごとに求められる項目や設定が一部異なり、本稼働直前まで仕様調整が続く状況でした。金融機関からの要件提示と並行して開発を進めるなか、テスト送信を重ねながら一つひとつ課題を解消。基幹システム側の修正も含め、社内外の関係者と連携しながら段階的に本番運用へ移行を進めました。リスクを抑えるため、まずは送金件数の少ないタイミングで運用を開始し、問題なく処理できることを確認したうえで本稼働へと移行しました。
導入を振り返って、特に苦労されたのはどのような点でしょうか?
やはり、仕様が固まらないなかで進めなければならなかった点です。銀行ごとに要件が異なり、途中で変更が入ることも多かったため、その都度調整が必要でした。スケジュールも限られていたため、並行して判断していく場面が多く、常にスピードと正確性の両立が求められていました。
そうしたなかで、キヤノンITソリューションズ(以下キヤノンITS)の営業・SE・サポートチームから支援いただき、密に連携しながら進められたことは、大きな支えになったと感じています。特に、自社だけでは対応が難しい部分も多く、体制面での安心感がプロジェクトを進めるうえで大きなポイントになりました。
柔軟なデータ変換で安定運用を実現
制度対応後も広がる活用の可能性

実際に導入してみて、運用面ではどのような効果や変化を感じていますか?
特に効果を感じているのは、データ変換の柔軟性です。基幹システムから出力されるデータに対して、データの桁数調整や項目の編集といった変換処理を行いながら各銀行のフォーマットに合わせることができるため、個別の要件にも対応しやすくなりました。稼働後も銀行側から仕様に関する要望が出ることがありますが、その都度キヤノンITSに相談し、的確なアドバイスをいただくなど、柔軟に対応できる点が大きなメリットです。以前は手作業で行っていた業務をEDI-Master Cloudを導入することで自動化でき、業務効率化につながりました。また、送金処理の一連の流れが整理されたことで、業務全体の見通しも良くなり、担当者としても安心して業務に取り組める環境が整ったと感じています。
今後の活用についてはどのようにお考えでしょうか?今後の展望をお聞かせください。
現在は外国送金での活用が中心ですが、将来的にはEDI-Master Cloudを活用し、国内送金との統合も視野に入れたいと思っています。可能であれば同様の仕組みで一元的に管理できる形が望ましいと考えており、さらなる業務の効率化や標準化にもつながるのではないかと期待しています。
また、現在インターネットバンキングを利用しているグループ会社への展開についても、今後の検討対象の一つとして考えています。EDI 規格変更への対応をきっかけとした今回の取り組みですが、結果として将来の業務基盤を見据えた環境整備にもつながったと感じています。今後の業務の変化に応じて、さらに活用の幅を広げていきたいと考えています。
キヤノンITソリューションズ担当者より
EDIソリューション営業本部
EDIソリューション営業部 東日本営業第一課
森 健一
全日空商事様のご尽力のもと、対応期日が迫るなかでISO20022外国送金業務の本番稼働を迎えることができ、心より感謝申し上げます。当社は、お客さまの業界・業務特性を踏まえ、個別要件対応や基幹システム連携を含めた最適な仕組みづくりを目指し、EDI-Master Cloudを提供しています。全日空商事様の業務を支えるEDIクラウド基盤として、安定かつ継続的な付加価値を提供していくとともに、今後も業務環境・市場ニーズの変化に応じてサービスの改善・進化を続けてまいります。
お客さまプロフィール
- 会社名
- 全日空商事株式会社
- 所在地
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東京都港区東新橋1-5-2
汐留シティセンター - Webサイト
- 事業内容
- 全日空商事はANAグループの商社機能を担い、航空機部品の調達、航空機の輸出入・リース・売却及び機内サービス品の企画・調達等の航空附帯事業の他、半導体・電子部品の輸出入、広告代理業、インターネットショッピングサイトの運営等、国内外で幅広い事業を手がけており、グローバルな取引を通じて安定したサプライチェーンの構築に貢献しています。
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本記事は、取材時(2026年3月)のものです。
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AnserDATAPORTは株式会社NTTデータにおける登録商標です。
お客さまにご採用頂いたソリューション・製品
- EDI-Master Cloud
- 通信・変換・ジョブフロー・運用管理機能と各種APIを備え、サーバ不要でEDI機能をクラウド上でご利用いただけるのに加えて、EDI業務運用サービスも提供します。
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キヤノンITソリューションズ株式会社EDIソリューション営業本部 EDIソリューション事業企画部