新しいデータ活用環境を整備
データマネジメントサービス・導入事例
多様なデータから顧客の「今」を知り「ともにしあわせ」のために寄り添う
株式会社フェリシモ様のケース
ファッションや生活雑貨など、自社企画商品の通販事業を展開する株式会社フェリシモ。データ活用基盤を刷新して、基本となる顧客プロフィールや購買履歴、そしてWeb 上の行動を組み合わせ、より深く顧客を理解しようとしています。その取り組みを支援したのがキヤノンITソリューションズです。伴走型の支援を通じてデータの組み合わせ、粒度、階層構造など、最適なデータ活用環境を実現。多様な施策に積極的にチャレンジしていける体制を整えました。
- 顧客満足度向上
- 製品・サービス品質の向上
- 設備・資産の有効活用
お話を伺ったお客さま
お客さまが実現できたこと
お客さまのご要望
- 精度を高めたり、応用したり、将来も踏まえたデータ活用環境を整備
- Web上の行動などを組み合わせた分析で顧客の「今」を把握
- 外部メディア広告の成果を詳しく評価して出稿計画を最適化
- 今、顧客は何を求めているのか。より深い顧客理解で提供価値を高めたい
鮮度の高いWeb 上のデータで、顧客の“ 今”を知りたい
背景・課題
ファッション、生活雑貨などの自社企画商品や、独自の視点でセレクトした国内外の商品を、カタログやEC を通じて提供しているフェリシモ。社名の「FELISSIMO」は、「最大級で最上級のしあわせ」を意味しており、ひとりひとりがしあわせ共創の担い手となること、人をしあわせにすること、自然・社会・人としあわせになることを通じて「ともにしあわせになるしあわせ」を具現化していくのが同社の思いです。
同社は自身が顧客とつながり、直接アクションを起こすダイレクトマーケティングの会社です。そのため、顧客をいかに理解するかは重要な取り組みとなります。近年は顧客を深く理解するためのデータ活用、および、そのための分析環境や整備に力を注いでいます。 例えば、基幹システムから顧客プロフィールや購買履歴などを抽出して、データウエアハウスに展開。それを分析してマーケティングに役立てたりしています。
しかし、課題も感じていました。1つはデータの鮮度です。
「購買履歴は、お客様の嗜好や関心を知る重要な情報ですが、それは、あくまでもその時点の情報でしかありません。もしかしたら、ライフイベントなどによってライフスタイルが変わってしまっており、現在のお客様を正しく反映していないかもしれません」とフェリシモの長谷川 和之氏は語ります。
そこで現在、同社が重視しているのがECをはじめとするWeb 上の行動データです。「どんなメディアから当社のECにたどり着いているか。最終的な購買には至っていなかったとしても、どのページを中心に閲覧しているかなど、お客様の『今』を反映している行動を把握すれば、興味を持っていただけそうな情報をお届けすることができます。また、商品やブランドの観点でも、どのようなお客様に気に入っていただいているかが分かれば、ブランドの構築や商品企画の有力な材料となります」と長谷川氏は続けます。
どのデータを、どう整理しておくか、データマネジメント支援に期待
解決策
データ活用を促進するため、同社はTreasureData CDP を新たに導入。顧客のWeb 上での行動、送付したメールDM の開封状況など、複数のシステムから得られる多様なデータを一カ所に統合し、目的に応じた分析を柔軟かつスムーズに行える環境を整えました。
「BtoC 領域での実績が豊富で、他システムとデータ連携するための多彩なコネクタが用意されていることを評価しました」と長谷川氏は言います。その後、活用フェーズで同社が採用を決めたのがキヤノンITソリューションズの「データマネジメントサービス」です。
新たに構築したデータ活用基盤を積極的に使いこなして、より大きな成果につなげたい。専門家の力は、その一助になるはず──。そう期待したのです。
「既に多くの企業のデータ活用をサポートしている上、Treasure Data CDPについての知見も蓄積している。例えば、分析のスピードやデータ利用の汎用性を高めるには、どのようなデータを、どの粒度で、どのような階層構造に分けて整理しておくべきか──。将来の可能性までを見据えたデータマネジメント支援に期待しました」と長谷川氏は語ります。
3つのシナリオのもと、多様なデータを最適に整理
成果
まずキヤノンITソリューションズは、フェリシモで開催されたデータ活用に関するブレインストーミングに参加しました。フェリシモがデータ活用についてどのような考えを持っているのか、社内にはどんなニーズがあるのか、どんなインサイトを得ればフェリシモのビジネスに役立つのかなどを把握するところから支援を開始したのです。
その上で3つのシナリオを作成してデータマネジメントを開始。1 つ目はメールDM の人ごとの閲覧状況の詳細な把握です。「よりきめ細かなパーソナライズやアナログ施策である紙のDMとの連動などを行うためです。これまでもメールDMごとの閲覧状況は計測していましたが、『誰が』『いつ』『何を』開封・閲覧したかといった人軸でより詳しい状況を把握することを目指しました」と長谷川氏は述べます。
2つ目は、外部メディアを使った広告とEC サイト内の行動とのひも付け、および成果の計測です。「外部メディアを使った広告については、計測ツールのレポートで確認していましたが、あくまでもその広告がどれくらいクリックされたか、その結果コンバージョンしたかどうかまでが示されているだけ。その後、お客様が引き続きEC サイトに訪問しているか、商品を購入しているかまでは分かりません。Treasure Data CDPを使って、それを把握し、広告出稿の最適化を測りたいと考えました」(長谷川氏)。
3つ目は、Web 上の行動データと基幹システムで管理している顧客プロフィールおよび購買履歴のひも付けです。紙カタログとEC、フェリシモのあらゆるビジネスを横断して、顧客の興味や関心、ライフスタイルをリアルタイムに把握し続けるためです。
「キヤノンITソリューションズは、課題や目指す姿の把握から具体的な施策の策定まで、文字通り『伴走型』で取り組みを支援してくれました。具体的なデータ環境の整備においては、目の前の課題だけにとらわれるのではなく、将来を見据えて拡張性を持たせた構造を提案してくれました。結果を検証して解析精度を高めたり、既存の解析シナリオを別のシナリオに応用したり、データ活用に向けた取り組みを加速させやすい環境を実現できたことが何よりの成果です」と長谷川氏は強調します。
メールDM の最適化やカタログのカスタマイズに向けたデータ活用イメージ
今後の展望
キヤノンITソリューションズと共に整備したデータ活用環境をベースに、フェリシモは3つのシナリオの精度向上、それ以外の活用アイデアの実装などに取り組んでいきます。
「私たちが目指すのは『ともにしあわせになるしあわせ』。そのための大きな一歩を踏み出すことができました。データを通じて、お客様に寄り添いながら提供価値の向上に貢献していきたいと考えています」と長谷川氏は意気込みを述べました。
株式会社フェリシモ 様プロフィール
- 事業内容
- ファッションや生活雑貨などの自社企画商品を中心に、カタログやWeb などを介した通信販売事業を展開。顧客との継続的・発展的な関係性に基づき、「ともにしあわせになるしあわせ」を追求した事業活動を推進している。
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本記事の内容は、取材時点のものです。
ご採用いただいたソリューション・製品
- データマネジメントサービス
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消費者ニーズやビジネス市場の変化に柔軟に対応するためには「データ活用」が必要です。そのデータ活用には、データとデータを活かせる人材が重要です。
ビジネス変革に効果的なデータ活用には、活用の目的に沿ったデータを整備し、そのデータを蓄積する仕組みを作る必要があります。かつデータを分析しインサイト(本質を突いた気付きや洞察)を得るためのデジタル人材が欠かせません。
キヤノンITソリューションズは、データを整備・活用する仕組みを構築し、「価値あるデータ」と「データを活かせる人材(デジタル人材)」の創造を『データマネジメントサービス』として提供することで、お客さまのDX実現を支援します。 -
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DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称です。経済産業省ではDXの意味として 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 と定義されています。
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キヤノンITソリューションズ株式会社