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PLM導入の羅針盤
~第5回:PLMの導入効果(堅牢性、トレーサビリティ)~
コラム

第4回は、PLMを導入し、検索・分析することで、品質向上・コストの最適化・設計リードタイムの短縮につながることを紹介しました。
今回は、最適化されたQCDを永続的に保証する基盤としてのPLM導入効果を説明します。

1.堅牢性

PLMでは、品目を中心に製品情報を一元管理し、帳票によるワークフロー管理やリビジョン管理を通じて、データの正確性・一貫性を確保します。このように管理された品目および関連データは、誰が・いつ・何の目的でといった変更履歴と共に承認されるため、不具合情報・コスト削減・組立性改善といった変更の経緯を迅速かつ正確に把握できます。
また、これらの承認を受けたデータは読み取り専用データとしてこの時点のリリースデータとして永続的に残ることとなり、例えば小数を丸めるなどわずかな修正であってたとしても、改版をせずに修正できません。さらに、改版し編集する場合においても、排他制御がかかるため、作業者が編集中に他者が上書きできません。
このように、変更履歴や出図の経緯といった情報を一意に管理されたデータに保持することで、品質問題においては、問題の再発・先祖返りの防止につながり、設計品質を保証することができます。コスト面においても、各リビジョンで管理される合理化・最適化された生産準備情報を踏襲しながら、変更点に対し適切な再設計を行うことができます。また、過去のリビジョン毎にそれぞれ構成情報が保持されるため、過去の構成の一部を別ユニットへそのまま再利用も可能となり、流用設計によるリードタイム短縮を進めるための重要な基盤となります。

このようにPLMは、「常に正しい情報を、全社で共有し続ける」環境を実現することで、品質・コスト・納期の観点から製品開発全体の最適化を安定して支える業務基盤となります。

紙やデータ・フォルダ管理における課題イメージ

2.トレーサビリティ

PLMは全リビジョンにわたる構成情報と変更履歴を保持し、特定の製品がどの部品構成で、いつ出図され、どこで製造されたかを一貫した追跡が可能です。例えば特定部品の組み合わせで不具合が発生した場合でも、該当リビジョンや出図時期、製造拠点を即座に特定できます。さらにM-BOMと工程・工順情報が連携されていることで、問題が発生した工場や工程単位での切り分けも可能です。SCMやERPと連携すれば、号機・ロット単位まで遡及でき、影響範囲を限定した具体的で迅速な是正対応を実現できます。

例えば、設計変更した部品の製品への適用タイミングの認識にずれがあり、製品の取り違えが発生したとします。このとき、適切に管理された情報があれば、どの工場・どのタイミングで製造されたユニットに影響があるかを絞り込むことができます。こういった情報が無い場合には、可能性のあるすべてのユニットが影響範囲となり、対応の遅れや、不要な対応コストを生む原因となります。

トレーサビリティにつながる情報を管理することは、製品の設計製造プロセスそのものを効率化するものではありませんが、信頼される製品を持続的に提供するための重要な要素として認識されています。

トラブルの追跡イメージ

第5回は、PLMシステムの導入により、堅牢性とトレーサビリティを確保し、QCDを安定して持続的に提供する基盤としての効果を紹介しました。
第6回は、システム導入による効果から視点を変え、似たようなシステムであるPDMとの違いについて紹介していきます。

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