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PLM導入の羅針盤~第4回:PLMの導入効果(検索、分析)~コラム

第3回は、BOMの種類とPLMでの活用と効果について説明しました。しかし、PLMを導入する目的は、BOMの管理・活用だけではありません。今回は、BOMの活用だけに限らない、その他のPLM導入効果について説明します。

1.検索による効果

製品に関する情報が連携されず、分散管理された環境、すなわち情報を適切に検索できない環境では、市場トラブルと生産情報・技術情報が結びつかず対応に時間を要したり、情報伝達のミスや製品切り替え時のタイムラグによる混乱が生じたりなど、非効率な業務プロセスによる品質低下を招く要因となります。このような課題に対し、PLMシステムのように高度な検索機能を備えた基盤に情報を集約することで、分散していた製品情報を一元的に管理でき、非効率な業務やミスの削減が可能となります。
例えば、品質・信頼性の向上の観点では、過去に出図された部品に関する技術情報(設計部門)、製造工程情報(生産部門)、トラブル情報(サービス部門)を統合し検索できるようにすることで、トラブル対応による設計変更が、今後の製造工程や交換手順に影響しないか、設計部門が関連部門の情報を事前確認しながら、適切かつ迅速に対応することができるようになります。
コストの最適化の観点では、同様の部品を多方面から調達していると、調達だけでなく管理コストも増加しますが、日々、複数の設計部門が出図を続ける中で、結果としてこのような非効率な状況になることがあります。情報を検索できる環境があることにより、過去の手配情報を新たな部品出図に反映することで、このような調達・管理の多重管理を効率化することができます。
設計リードタイムの観点では、過去の類似データの技術情報を検索し参考にすることで、設計検討にかかる時間を短縮することができます。また、設計検討だけではなく、作図や資料化にかかる工数も省力化することができ、設計の短納期化にも貢献します。

図:検索による効果

2.分析の効果

PLM導入によるデータ分析

製造業では製品の高機能化やニーズ多様化により、設計判断の迅速化と精度向上が求められています。その鍵となるのがデータ分析であり、利用実績やコスト情報を分析することで、客観的で品質の高い設計判断のスピードを向上させることができます。
PLMシステムでは、設計情報やBOM、変更履歴などを一元管理することにより、単一の情報だけではなく、複合的な情報を加味した分析が行えるようになることで、設計判断と設計精度向上に貢献します。

逆検索

逆検索機能は、部品が使われているユニットを一覧表示します。この分析により、設計変更時にどのユニットに影響が及ぶのか漏れなく瞬時に把握することができます。

BOM比較

BOMの比較機能では、設計変更前後のバージョン間の構成を比較できるほか、類似するユニットの構成の違いを比較することができます。部品の標準化の検討や、設計変更による部品変更が正しく構成されているかといった検討を支援します。

類似形状検索・形状比較

類似品を検索し、検索結果の形状の違いを分析します。この機能により、属性からだけでは分からなかった形状的な違いを視覚的に把握することができ、より具体的に標準化やVE(Value Engineering)の可能性を探ることが可能になります。

属性情報比較

属性情報の比較により、設変部品の変化点を漏れなく把握することができます。
変更点だけを分析して把握することで、承認ワークフローを回す際や、後工程の担当者との共有など、設計変更の伝達時に、漏れやミスを生まない確かな確認手段となります。

属性/変更前/変更後 品番/M500001P01/M500001P01 品名/軸受/軸受 バージョン/2/3 区分名/金属/金属 ステータス/制定/制定 重量/245.32/233.52 単価/500/480 登録者/管理者/管理者 更新日/2025/12/13/2026/1/21

クロス分析

どの部品がどの製品に幾つ使用されているか、利用実績を一覧で漏れなく確認できます。例えば、部品の標準化や、調達・在庫管理の効率化など、共通化できるものが無いか、共通化することでどれくらいのVE効果が見込めるのかといったことを分析するために有用な機能となります。

図:クロス分析

品目による情報一元管理

BOM/形状/図面・技術ドキュメントなどの必要な情報を一画面でシームレスに表示できるため、どの形状がどの品番でどの技術文書・図面と対応しているのか分析できます。
この機能により、属性だけではなく、形状をキーにした情報の特定が可能になります。

図:品目による情報一元管理

コスト分析

部品に連携した原価情報からコスト分布を集計できます。この分析により、どの部品をターゲットに改善をすすめれば原価低減につながるのか把握でき、VE設計や、新機種のコスト要件検討など、コスト最適化の検討を支援します。

第4回では、PLM導入により高度な検索・分析機能を利用することにより得られる効果について説明しました。第5回も引き続きPLMの導入効果を取り上げますが、次回は業務効率に直結するような効果ではなく、一方で、事業を継続的に支える上では重要となる「データの堅牢性」と「トレーサビリティ」について解説します。

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