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PLM導入の羅針盤~第3回:BOMの種類とPLMでの活用~コラム

第2回は、品目に情報を一元管理し、品目を基にBOMを構築することで、運用の異なる部門のBOMに対して、正しい情報を即座に反映・共有できることを説明しました。
今回は、前回の内容を深堀し、各部門で扱われるBOMの種類の詳細と、PLMでBOM管理することの効果について説明していきます。

4.BOMの種類

製造業におけるBOMは、単一の形で存在するものではありません。製品づくりの各フェーズや業務目的に応じて、部門ごとに異なる視点・構成を持つBOMが使い分けられています。ここでは、代表的なBOMの種類とその役割を整理します。

各BOM管理のイメージ

4.1 E-BOM(Engineering BOM)

E-BOMは、設計視点での製品構成を表したBOMです。
製品の構成情報をCADデータや図面と共に正しく後工程に伝える事を目的としています。
設計検討や設計変更の影響確認において、最も基本となるBOMです。

4.2 M-BOM(Manufacturing BOM)

M-BOMは、製造工程や作業単位に合わせて構成が調整されたBOMです。
部品をどの工場で、どのライン(工程)で、どの材料を用いて、どのサプライヤから購入し、どのような加工or組み立て工程で製造するのかをBOMに登録します。
例えば、工程毎の部材での取りまとめや、組立順序を考慮した構成、製造用に使用される副資材や治具などが反映されます。

4.3 S-BOM(Service BOM)

S-BOMは、保守・メンテナンスの視点で構成されたBOMです。
製品の運用開始後、交換や点検が必要となる部品や、サービス作業で使用する部材を中心に構成されます。
例えば、交換頻度の高い部品、メンテナンス用の工具や付属品、サービス作業単位での構成をひとまとめに構成します。

このように、E-BOM、M-BOM、S-BOMはいずれも同じ製品を対象としていますが、「何のために使うのか」という目的の違いにより、異なる構成情報を取ります。

5.BOM活用により可能になること

各部門のBOMがPLMシステムを通してつながることで、迅速で正確な情報共有を実現します。また、情報を部門を跨いでタイムリーに連携できることにより、間違いのない製品づくり・無駄なコスト削減・変化への柔軟な対応といった、製造業のQCDの向上に貢献します。

個別システムでのBOM管理:伝達ミス/タイムラグ/更新の手間 PLMで一括管理:データ連携/情報共有→品質担保/コスト最適化/柔軟な設計

5.1 設計変更・トラブル対応の影響確認

PLMにおけるBOM情報は、出図済みの製品構成だけを対象とするものではありません。設計中のユニットや旧版さらには廃番まで、製品ライフサイクルの各ステータスにおける構成情報を一元管理しています。
PLMの「逆展開」機能を活用することで、たとえば特定の部品に起因するトラブルが発生した場合に、その部品が使用されているユニットを漏れなく特定することが可能です。この検索対象に、PLMで管理している設計中のユニットや廃番となった過去のユニットを含めることで、製品ライフサイクル全体を通じた確実な影響確認と適切なトラブル対応を実現できます。
これにより、影響の見落としによる品質低下や手戻りといったリスクを最小限に抑えることができます。

5.2 製造・調達コストの最適化

形状定義の自由度が高い設計初期段階のE-BOMに、下流工程で付与されるコスト情報を連携させることで、コストを踏まえた製品構成や形状の検討が可能になります。これは、コスト検討を設計段階に前倒しする「フロントローディング」の考え方です。
特に重要なのは、設計初期という選択肢が多い段階でコストを意識した検討を行うことです。材料・購買品の検討が前倒しされ十分な検討時間を確保できるため、納期との兼ね合いから割高な部材・部品を選ばざるを得ないといった事態を避けられます。
また、先行手配した部品は手配後の設計変更が困難になりますが、設計初期段階からその部品との接合部・組付部を含めた製造工程の検討を十分に行うことで、工程の合理化や部品の共通化を図ることができ、製造コストの最適化につながります。

5.3 検討不足による手戻りの削減

設計中の製品では、BOMや設計情報は進捗に応じて日々更新されます。後工程となる製造・調達・品質管理などの部門が、情報の更新漏れや連携ミスに気付かずに、誤った情報で業務を進めると、大きな手戻りや再作業を招く原因となります。
特に近年の製造業で取り組まれるコンカレントエンジニアリングでは、関連部門が設計初期段階から並行して業務を進めるため、わずかな情報更新の遅れ・認識違いが後工程のトラブルとして顕在化しやすくなります。PLMでBOMを連携し、品目を通して一元管理された製品情報を同期し、全社共有で最新の情報を共有すること、つまり、コンカレントエンジニアリングを推進することによって、市場ニーズへの柔軟な対応・短納期化の要求に答える事ができます。

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