第11回 教育ITソリューションEXPOコラム
公開日:2020年10月2日

- 開催日
- 2020年9月16日(水)~18日(金)10:00~18:00(最終日17:00終了)
- 会場
- 幕張メッセ
速報値・概要
主催者発表の速報値
来場 | 16日(水) | 17日(木) | 18日(金) | 計 |
---|---|---|---|---|
来場者数(VIP含む) | 3,662 | 3,565 | 3,136 | 10,363 |
対前年比 | 37.1% | 35.5% | 32.0% | 34.9% |
セミナー | 16日(水) | 17日(木) | 18日(金) | 計 |
---|---|---|---|---|
セミナー受講者数 | 2,748 | 2,598 | 1,238 | 6,584 |
対前年比 | 51.3% | 37.0% | 25.4% | 38.2% |
セミナー来場構成比 | 75.0% | 72.9% | 39.5% | 63.5% |
展示会概要
2020年は5月に昨年と同会場(青海展示棟)で開催予定もコロナ影響により9月に延期、会場も幕張メッセへ変更し入場時の手指消毒と検温による対策下での開催となった。
展示会場に入場し案内図を見ると例年の1/3以下となる200社前後の出展社が記載されていましたが実際には社名看板のみ、受付テーブルだけのブースが散見されるなど元々の空きブースと併せフリースペースの目立つ会場レイアウトでした。
今回、キヤノングループとしての出展は昨年時点で見合わせましたが更にNTT、富士通、など大手文教ベンダーが出展を控えたことや会場変更の影響か人通りがほとんど見られず終始、閑散とした状況が続いていました。
また、主催者セミナーを会場内にて開催(オンラインでなく)したことにより来場者のセミナー受講者構成比率が昨年を大きく上回る結果となりました。
来年2021年は主催者より5月に青海展示棟での東京地区開催が発表されていますが、キヤノングループとしての出展は現状、未定でコロナの状況などを見ながらぎりぎりまで検討を続けてまいります。
主催者セミナー
-
※
弊社にて受講したセミナーのみ記載
《セミナー1》「大学教育とAI戦略:今後の展望」
(独)日本学術振興会 顧問/内閣府 人工能戦略実行会議 座長 安西 佑一郎
- 内容
- 大学教育でのAI戦略は企業や官公庁を含めた社会全体の変革を前提としなければ実現できないとしたマクロ的な見解と内閣府で19年にまとめ上げたAI戦略を骨子とした具体的な教育改革施策のポイントを解説いただきました。
- 所感
- 少子化による人口減少が予想される日本においてGDPを維持、拡大するためには大学卒業者の50%をAI人材(AI技術者ではなく数理・データサイエンスとしてAIを活用できる人材)に育成すべく大学教育に目標値(国家試験であるITパスポートなどの認定制度を見直し有資格者50%を目指すなど)を設けていく施策は興味深かったのと育成目標となる人材が高偏差値取得ではなく「人生の自由度増大」というのはこれまでに無い斬新性を感じました。
《セミナー2》「これからの大学の在り方とは?~改革し続ける東洋大学の取り組み~」
東洋大学 学長 矢口 悦子
- 内容
- 20年4月に新たに着任した矢口学長から東洋大学の簡単な沿革や早々に直面したコロナ対策を大学の特徴を交えて紹介いただき後半は21年から始まるキャンパス改革や学部、学科の新設など具体的な変革施策を説明されていました。
- 所感
- 建学の精神に基づく一貫した教育方針だけでなく2013年~2019年で完成した願書から入学手続きまでの完全オンライン化やいち早く取り組んだグローバル化、障がい者学生対策など先手、先手の施策を実現してきた推進力に感心しました。
《セミナー3》「ポストコロナの時代に向けての大学ICTの課題~大学ICT推進協議会の部会の視点から~」
大学ICT推進協議会 会長・理事 深澤良彰(早稲田大学)その他5名
- 内容
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大学ICT推進協議会(AXIES)とはICTを活用した高等教育、学術研究機関における教育・研究の飛躍的強化を目指すため10年前に作られ、この1年間で19大学が新たに加わるなど年々拡大しており19年度末時点で132大学が正会員、78企業が賛助会員として登録されている。
その協議会にあって中核的な活動である各種、研究部会の代表者(先生)が各々のテーマに沿ったICT課題を発表しました。
- 発表内容抜粋
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慶應義塾大学 細川先生(国立情報学研究所 主査)
今年の基盤システムのトピックスはコロナ禍における情報基盤センターの負担増。
- 課題①:オンライン会議サーバの選定(予算、どこにするのか?)
- 課題②:LMSサーバ(ダウンもあった)
- 課題③:様々なサービス利用に伴う認証サーバ強化の必要性が急務。
- 課題④:学生の通信環境安定化支援など。
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放送大学 近藤先生
EdTech(教育技術開発部会)の説明。この部会は8名の会員がいて、半分は民間企業。
産学連携、アクティブラーニング、ポートフォリオ、LMS、LAなどの講義を主催。先日はmanabaの学習会を開催(朝日ネット)。
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北海道大学 棟朝先生(情報基盤センター長)…クラウド部会
ベストプラクティスの共有、サービス型の共同開発が大きなテーマでどんなクラウドを選べばいいのか、セキュリティやプライバシーをどう守るのか?大学全体としてのクラウド利用のガバナンス、シャドーITへの対策、利用規定のチェック、統一的データ管理など(データが分散してしまう)課題は多いとの認識です。 クラウドはなし崩し的に使われてしまうリスクがあるが、今後、「本当に必要なものは何か」という可視化がされていくとの見通しでまとめていました。
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北海道大学 重田先生
これからのICT教育のあり方についてICT化の推進の阻害要因は予算・人員・スキル不足である。インフラの整備は整ったので、今後は学習支援が主眼となる。
また、BYOD対応校が増える中、BYODではコストが減らないという報告に会長・理事である深澤先生から驚きの声がありました。
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京都大学 喜多先生
学術・教育コンテンツについてオンデマンド授業の増加で授業コンテンツが多くたまった。今後は溜まったものをお互いに使いあう!再利用が重要であるとの話がありました。
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慶應義塾大学 細川先生(国立情報学研究所 主査)
《セミナー4》「withコロナ時代の学校ICTの考え方」
東北大学 大学院情報科学研究所 堀田 龍也
- 内容
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コロナの教訓をうまく生かして学校生活を送っていく際の学校ICTの考え方について以下3点のポイントで解説。
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Society5.0と中教審での議論
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今なぜ学校ICTなのか
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一人一台の次は個々の情報活用能力向上。
これからはデータに支援されて暮らす。例えば、食べログで簡単にレストランを見つけたり、雨雲レーダーで30分先の天気がわかったり、今やスマホで何でもできる。
でもスマホが凄いのではなく、その先にあるクラウドにアップされた様々なビッグデータをAIが分析している。それが凄い。スマホは表示をしているだけ。
少子化で労働人口が減りながらも仕事のパフォーマンスを上げなくてはならないから、もっと合理的にする必要がある。だからICT(クラウド&AI)を使う。これからの子供たちはICTの使い方を教える必要はないので、学校はどういう経営や授業を実現するかが重要になる。
これからの子供には情報活用能力を学んでもらい産業構造を変えることが重要である。
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開催の様子



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