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【ホワイトペーパー】変化に強い組織を手に入れる「データマネジメント」の実現方法

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新型コロナウイルス感染症が経済に大きな影響を及ぼし、先行きが不安定な昨今、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいます。その中で、自社内に存在するデータの利活用に着目する企業も増えていますが、データを適切に整理・分析して有効活用するためには、「データマネジメント」に取り組むことが鍵となります。本ホワイトペーパーでは、そのデータマネジメント実践における重要なポイントとその支援サービスを解説します。

目次
1.今データマネジメントが求められる理由
2.変化に強い仕組みを作るためのステップ
3.PDCAサイクルでデータの価値を高める「データマネジメント」の実践へ
4.データマネジメントにおけるPDCAの具体的な実践策
5.データマネジメントをワンストップで支援するサービス
6.長年にわたり培ってきたデータマネジメントの知見

今データマネジメントが求められる理由

経済産業省による「DXレポート」は2018年の登場以来、版を重ねながら日本企業を取り巻く現状や企業の実態を示し、DXへの取り組みを促してきました。同資料では、DXが「レガシーシステムの刷新」であると短絡的に捉えられている状況や、「現時点で競争優位性が確保できているのであればDXは不要」と判断されている状況に警鐘を鳴らしています。こうした誤ったDXとの向き合い方や企業文化は、DXの推進にブレーキをかけてしまいます。
今、ビジネスにおける価値創出の中心はデジタルに移行しています。コロナ禍のようなゲームチェンジを誘発する環境変化へ素早く対応するためには、デジタル技術を使ってレガシーな企業文化から脱却することが必要です。
取り組みの端緒として大いに参考となるのが、経済産業省が取りまとめた、企業価値向上に向けて実践すべき事柄を示した「デジタルガバナンス・コード」です。同資料ではDXに向けて「柱」となる考え方をいくつか示した上で、その考え方を実現するための取り組みを例示しています。以下ではその一部を抜粋しますので、まずは自社と対応付けて考えてみてはいかがでしょうか。

・ 取り組み例1
経営状況や事業の運営状況を把握できる仕組み(システム)があり、そこから得られるデータをふまえて経営・事業の意思決定が実施されている
・ 取り組み例2
新しい挑戦を促すとともに、継続的に挑戦し、積極的に挑戦していこうとするマインドセット醸成を目指した、活動を支援する制度、仕組みがある
・ 取り組み例3
情報システムの全社最適を目指し、全社のデータ整合性を確保するとともに、事業部単位での個別最適による複雑化・ブラックボックス化を回避するための仕組みがある

このうち3点目は、キヤノンITソリューションズがお客様と対話する中で、特によく耳にします。実際に「各事業体でそれぞれにシステムを持ち、サイロ化して独立した類似システムが乱立しているので、事業間で整合性のないデータが存在したり、属人化したりしてしまっている」という状況は珍しくありません。もちろん、事業最適化が効果的な場合もあるでしょう。とはいえウィズ/アフターコロナや、変化が激しく不確定要素を多く含むVUCAと呼ばれる時代では、今の経営環境がベストだと言いきれません。これからの企業に必要なのは、「変化への強さ」なのです。

変化に強い仕組みを作るためのステップ

「変化に強い」とはどのような状態なのか、改めて考えてみます。1つは「再利用しやすい仕組み」になっていること。もう1つは「保守性の高い仕組み」になっていることです。そのためには、データを物理的な制約から切り離して論理的に再配置することが重要です。
では現在、個別最適化されている環境で、どのようにして変化に強いデータ構造の最適化を進めていけばいいのでしょうか。原則となるのは以下の3つです。
(1)One Fact in One Place(同じ意味のデータは1カ所で管理)
(2)データの「共通」「個別」の分類
(3)モレとダブりのないMECEなデータ配置
この原則をふまえて、構造の最適化を進めるステップを見ていきましょう。まずは、個別最適な状態である現場のデータを論理的に可視化します(Step1)。次に、各事業で持っているマスターのうち共通の意味を持つものを共通リソース化します(Step2)。3番目に、情報系の統廃合です。情報系システムが乱立しないように、DWH(データウェアハウス)をまとめて必要に応じてデータマートを作成し、統廃合を行います(Step3)。そして最後に行うのが、共通で利用する機能などをまとめるイベントの共通化です(Step4)。

PDCAサイクルでデータの価値を高める「データマネジメント」の実践へ

こうしたステップは、理論としては分かっていても、実際にどう進めればいいのか戸惑うことも多いでしょう。そこでご提案するのが「データマネジメント」による解決です。
DMBOK2によると「データマネジメントとは、データとインフォメーションという資産の価値を提供し、管理し、守り、高めるためにそれらのライフサイクルを通して計画、方針、スケジュール、手順などを開発、実施、監督することである」と記載されています。データマネジメントは、データ構造の最適化を図り、改善していくためには重要な要素であることがご理解いただけるでしょう。
PDCAサイクルを回すことによって、「データマネジメント」はデータの価値を高める活動になります。先述したデータ構造の最適化のステップにおいても、As-Isである「Step1:個別最適の状態」からTo-Beである「Step4:イベントの共通化の状態」へ一足飛びに進めるのではなく、まずCan-Beである「できること」から実行の計画を行い、To-Beの「Step4:イベントの共通化の状態」へ進めていくことが正攻法と言えます。
DMBOK2では、データマネジメントに必要な11の知識領域をDMBOKホイールと呼ばれる図で表現しています(図)。それぞれの知識領域の重要性は企業によってさまざまですので、例えばある企業では、「今回はデータモデリングを重点的に実施する」などと、強化する項目を決めてPDCAサイクルを回します。
DMBOKホイールの中心にあることからわかるように、データガバナンスは組織ないし役割の手続きを作るとともに、文化醸成をするために非常に役に立つ項目ですので、早めのタイミングで実施することをお勧めします。
PDCAサイクルは繰り返し周回していきますので、特段の先行関係は設けていません。お客様によっては、現状のチェックや改善点の洗い出しといったアセスメントから行う場合もあれば、データモデル作成計画といった計画策定から開始することもあります。

  • 全世界のデータ専門家のための国際的な非営利団体であるDAMAが作成した「データマネジメントに関する知識体系」の第二版

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