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第14回 EDIX(教育総合展)東京

第14回 EDIX(教育総合展)東京

日時:
2023年5月10日「水曜日」~12日「金曜日」
10:00~18:00(最終日17:00終了)

場所:
東京ビッグサイト 西展示棟

■主催者発表の速報値

来場 10日(水) 11日(木) 12日(金)
来場者数(VIP含む) 6,129 7,528 8,925 22,582
対前年比 99.7% 111.2% 127.7% 113.5%
  • 来場者数・セミナー受講者数は主催者公式サイトより引用(前年比は過去の公式発表より算出)

■展示会概要

展示会名称やロゴデザイン、受付方法(Webによる事前登録の徹底でメイン受付の導線を大幅改善)なども刷新し4年ぶりにコロナへの意識を遠ざけての開催となったEDIX東京2023でしたが来場者は昨年を若干、上回る114%に留まりコロナ前の状況には程遠いものとなりました。実際、開催直前の8日にコロナが5類へ変更されたばかりとあって会場内外でのマスク着用者は80%強(筆者の概算)となり、今だ手探りでのイベント開催となりました。それでもオンラインでの参加にマンネリ感を感じているのか開催した対面セミナーは超満員に推移し筆者が参加したセミナーは全て満席を通り越し立ち見が常態化する状況が続きました。その中で話題の中心になったのは「ChatGPT」に代表される対話型AI、たった半年で、どの登壇者においても無視することのできないICTイノベーションの代表となった「ChatGPT」に対し様々な見解が飛び交うさまを見るに2023年は教育分野のみならず社会全体の分岐点に成りうるような気さえする瞬間でした。会場展示においては少しネガティブに捉えすぎですが隆盛を極めたGIGA関連ハードの展示がひと段落し、ソフトベンダーも顧客課題の細分化に走る傾向が見られるためかGoogleブース以外には大きな求心力を感じられませんでした。

今回、キヤノングループの出展は無く、キヤノンITソリューションズとしては昨年12月に資本業務提携を発表した「チエル」様のブースにて2024年春、発売を予定する『学校情報システム(仮称)』をスキャナオプションとして活用を計画するMFP(複合機)と共に出展し、教育関係者向けにデモンストレーションを行いました。

■特別講演・セミナーレポート ※弊社にて受講したセミナーのみ記載

① 「教育DX・データ利活用の現状と今後」

文部科学省 総合教育政策局
主任教育企画調整官(兼) 教育DX推進室長 藤原志保

[内容]
GIGAスクール進展によるデジタル学習環境が定着しつつある中、学校現場や教育行政において教育データ利活用への注目度が上がってきている。諸外国の動きや国の最新の政策動向をふまえて、教育DXとデータ利活用の現状や課題、今後のポイントをお伝えする。

[所感]
GIGAスクール後の文部科学省の各種データ取得の取り組みとして、児童生徒が学校や家庭において、国や地方自治体等の公的機関等が作成した問題を活用し、オンライン上で学習やアセスメントができる「文部科学省CBT(Computer Based Testing)システム(MEXCBT:メクビット)」と教育委員会や学校等を対象としたアンケート調査をクラウド上で行い調査集計の迅速化や統合作業の削減を図る「文部科学省WEB調査システム(EduSurvey)」を中心に解説いただきつつ、デジタル化やデータ取得・分析の目的が子供たちの学びにおける個別最適化や教職員の働き方改革にあることを強調されていて今後の教育行政の方向性について大いに参考となる講演だと感じました。

② 「GIGAの次へ、教育DXに必要なこと ~EdTechがもたらす教育改革~」

デジタルハリウッド大学 教授 学長補佐 佐藤 昌宏

[内容]
テクノロジーの進化は止まらない。ChatGPTの使用を禁止する海外の学校もでてくる中、テクノロジーは教育の何を変え、私達は何に備えるべきなのか。そんな中、GIGAスクール構想は3年目を迎え、その本質はハードからソフトへ移行している。各省庁が「教育データ利活用」を検討しているのは、GIGAの次、教育DXに進もうとしている。これからの教育のカタチとは何か。テクノロジーと制度、そして人の関わりを考える内容でした。

[所感]
複数の省庁においてEdTechを推進する登壇者が、昨今、特に注目を浴びるChatGPTを中心に教育におけるAI活用について、自身の考え方をわかりやすく解説いただきました。中でもテクノロジーの進化は止められないし、AIの普及は止められないので正しく理解して教育現場での活用を検討すべきであり、活用にあたっては悪用の危険性を排除するためにもリテラシの向上と使う倫理の浸透=リベラルアーツや、教育から学び、個別学習への変革が重要であるとの考え方が印象的でした。

③ 基調講演「DX時代の12の「学びの基本項目」とその教え方・学び方」

元慶應義塾長/内閣府AI戦略実行会議座長  安西 祐一郎

[内容]
安西『教育の未来』(中公新書ラクレ)第8章をもとに、DX時代に必要な、以下の12の「学びの基本項目」とその教え方・学び方を解説いただきました。:知識を鍛える、経験から学ぶ、認知バイアスから脱却する、知識をチャンク化する、合理的思考のスキルを身につける、目標発見の体験を得る、得意・不得意を理解する、協働学習に参加する、歴史と世界動向の見方を身につける、尊敬できる人を見つける、「言葉の力」をつける、「社会的関係を築く力」をつける。

[所感]
日本型教育の成果として何事もきちんと行う国民性が実現し世界において平均以上のリテラシを取得するに至ったことを評価しつつ、一方で「型にハマらない若手も育って欲しい」との社会要請が増える実情にあった教育への移行を自身の著作を通じて解説いただきました。特にGIGAスクールによるタブレット普及から生成型AIの普及で大きく変化する(している)教育環境には個々の生徒の思考力養成が急務で、そのためには教材準備が肝となるためデジタルをフル活用すべきとの見解は印象的でした。

④ 「我が国の教育の情報化の最新動向」

東北大学 大学院情報科学研究科 教授
東京学芸大学大学院教育学研究科 教授
堀田 龍也

[内容]
GIGAスクール構想によって児童生徒1人1台の情報端末が配備され,学習基盤が大きく変化したことを前提に,学習指導要領の円滑な実施とともに「令和の日本型学校教育」の推進が求められている。個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実,期待される情報活用能力の育成,教科書・教材のデジタル化,教育データ利活用,学校の働き方改革と校務DX,大学入学共通テストでの教科「情報」の導入など,数年先まで視野に入れた最新動向について紹介いただきました。

[所感]
~旧態依然の教育から脱却しないことは子どもの将来を危うくし,ひいては国力衰退になる~との持論に基づき教育(教員)変革とその手段としてのデジタル活用を唱える内容は教育現場に携わる登壇者の臨場感が伝わり印象的でした。今年度、デジタル学習基盤整備の検討を推進する立場での活動に注目していきます。

⑤ 「教育分野における生成系AIの利用~ChatGPTを例にして~」

早稲田大学 理工学術院 教授、大学ICT推進協議会 前会長 深澤 良彰

[内容]
対話型のAIとして、ChatGPTが注目を浴びている中、本講演では、まず、ChatGPTの使い方から始め、その構造についてを解説。続いて、教育分野においてChatGPTがどのように使われてくるかについて、学生の視点および教員の視点から概観し、その是非、対応策などについて説明いただきました。

[所感]
ChatGPTを初めて知る人に対し、その実態をわかりやすく解説いただくと共に教育分野での利活用に関する提言で締めくくる内容でしたが、具体的な活用の是非や可能性についての詳細な言及はなく、識者の中でも今後の議論が待たれる大きな変革であると感じました。

開催の様子

1Fメイン受付

1Fメイン受付

セミナー会場

セミナー会場

チエル|キヤノンITソリューションズ共同ブース

チエル|キヤノンITソリューションズ共同ブース

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