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「データ」が導くカスタマーサクセス革命!?顧客ロイヤルティ向上の秘訣コラム

公開日:2025年4月22日

近年、市場の環境の変化や消費者の価値観の変容により、顧客ロイヤルティ(顧客が企業やブランドに対して抱く忠誠心)の在り方も顕著に変わってきています。

このコラムをお読みいただいている皆様の中にも、「これからの時代、顧客ロイヤルティを向上させるにはどうすればいいのだろう?」と考えていらっしゃる方もいるでしょう。そこで、本コラムでは、データドリブン(Data Driven:データに基づいた判断・アクションすること)をキーワードに、顧客ロイヤルティ向上を模索していきます。

データドリブンなカスタマーサクセスの重要性

近年、市場の環境の変化や消費者の価値観の変容により、顧客ロイヤルティが大きく変わってきています。インターネットやスマートフォンの普及により、消費者は多様な情報や製品・サービスに容易にアクセスできるようになり、特定のブランドや企業への愛着が希薄化しています。そうした背景もあり、昨今の消費者には、次のような傾向があります。

顧客体験(CX:Customer Experience)の重視
消費者は、パーソナライズされた対応や迅速なサポートなど、製品やサービスの購入前後も含め、総合的な体験価値を求める傾向が強まっています。製品やサービスそのものだけではなく、トータルして“どのような体験ができるか”、“自分自身にとって有意義な体験ができるか”を重視します。
口コミやレビューの影響力が増大
SNSやレビューサイトの普及により、他者の意見や評価、体験が、消費者の購買行動に大きな影響を与えるようになりました。そのため、企業は、顧客がポジティブな口コミを発信したくなるような、より良い顧客体験を提供できるように努めることが必要になっています。
価値観の多様化と共感の重要性
消費者は、企業の社会的責任(CSR)や環境への配慮、倫理的な取り組みなど、企業の価値観や姿勢に共感するか否かを重視するようになってきました。消費者の持つ価値観と、企業の掲げる理念や価値観、それに基づく活動が一致している場合、ロイヤルティが高まる傾向があります。

このような消費者の傾向がある中、重要になるのが、カスタマーサクセスです。消費者(顧客/カスタマー)に対して、伴走支援など能動的なサポートをし、より良い顧客体験を提供することを目指します。このとき、データに基づき、消費者にとってより最適な顧客体験(例えば、パーソナライズドされている、「自分のためのもの」と感じられる)を提供することができれば、消費者の製品・サービス、あるいは、そのブランドに対する愛着は高まります。そのためにも、企業は製品・サービス、ブランドを取り巻く環境や消費者の価値観に敏感である必要があります。

しかし、市場の環境の変化や消費者の価値観の変容に追いついていない企業も多いのが実情です。では、企業は何をするべきなのか…。データドリブンなカスタマーサクセスの実現には、デジタルマーケティングが有効です。デジタルマーケティングによって、市場の環境の変化や消費者の価値観の変容をキャッチアップしながら、消費者との接点の持ち方に工夫を凝らしている企業もあります。ところが、次のような状況により、消費者の変化に柔軟に対応することが難しい場合があります。

デジタルマーケティングの実態と課題

様々なツールを活用してデジタルマーケティングを行っている企業においても、ツールの使い方がアナログ的であったり、リソースが限られていたり、と、企業内で「できること」「できる範囲」が限定的である、という場合も少なくありません。具体的には、次のような課題が挙げられます。

不適切なターゲティング
顧客の行動に結び付いたターゲティングができていない、単純なセグメント設定しかできない
不適切なアプローチ
リーチしやすい特定の層にのみアプローチしている、複数のチャネルでバラバラにアプローチしている、一貫性のある施策を実施できない
施策の効果検証ができない
企業の中長期的な目標に対する施策効果を適切に評価できない、評価の仕組みが整っていない、主観的である
担当者への依存、業務の属人化
ツールを利用できる/理解できる特定の担当者に一任してしまっている、業務がブラックボックス化している

その結果、費用をかけている割に効果がない、という結果になってしまいます。また、不適切なターゲティングや不適切なアプローチにより、消費者との関係悪化・信頼度低下を引き起こしてしまうリスクがあります。

世間の動向に柔軟に対応しつつ、消費者との関係性向上を図るためには、デジタルマーケティングにおける課題の解決・改善を試み、その上で、カスタマーサクセスの向上にも併せて取り組む必要があるでしょう。

カスタマーサクセスを成功させるための改革

カスタマーサクセスを成功させるためにも、市場の環境の変化や消費者の価値観の変容に柔軟に対応し、迅速な意思決定を行うには、次の「4つの改革」に着手していくことが有効です。

画像:カスタマーサクセスを成功させるための4つの改革
【1】データの整備
顧客データを一元管理するDB(データベース)の構築が不可欠です。バラバラになっているデータを統合し、各部門が必要な情報に迅速にアクセスできる環境を整えることが重要です。
【2】組織づくり
目標策定から施策実施までを計画主導型で実行できる横断的な組織が必要です。各部門が連携することで、一貫した戦略に基づく、施策の選定・実施が可能になります。
【3】属人化からの脱却
デジタルマーケティングの知見を有する人材を育成すること、必要に応じて、外部から知見のある人材を採用することが求められます。同時に、組織全体のリテラシーの底上げも行い、特定の部署、個人に依存しない組織を目指すことが必要です。
【4】効果の「見える化」
KPIなどの指標に沿った施策効果の評価を実施し、短期的な成果だけでなく長期的な目標の達成状況を評価できる仕組みが必要です。その際、効果を「見える化」することが大切です

以上、データの整備/組織づくり/属人化からの脱却/効果の「見える化」を通して、データドリブンなカスタマーサクセスを実現していきましょう。顧客が望むタイミングで情報やサービスを提供し、顧客ロイヤルティを向上させることが可能になります。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパー「データドリブン・カスタマーサクセス、未来を創る力~データに基づく洞察で、顧客満足度とブランディングを形成します~」では、顧客が望むタイミングで情報やサービスを提供し、顧客ロイヤルティを向上させていく、“データドリブン・カスタマーサクセス”について詳しく解説しています。ぜひ、ご一読ください。

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データマネジメントサービス
消費者ニーズやビジネス市場の変化に柔軟に対応するためには「データ活用」が必要です。そのデータ活用には、データとデータを活かせる人材が重要です。ビジネス変革に効果的なデータ活用には、活用の目的に沿ったデータを整備し、そのデータを蓄積する仕組みを作る必要があります。かつデータを分析しインサイト(本質を突いた気付きや洞察)を得るためのデジタル人材が欠かせません。
キヤノンITソリューションズは、データを整備・活用する仕組みを構築し、「価値あるデータ」と「データを活かせる人材(デジタル人材)」の創造を『データマネジメントサービス』として提供することで、お客さまのDX実現を支援します。
  • DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称です。経済産業省ではDXの意味として「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 と定義されています。