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東京薬科大学様

AjaxによるWebコラボ機能でポータルのような操作環境を実現 学内コミュニケーションの要、メールシステムをZimbraで統合・整備

  • 情報漏洩対策
  • 事務生産性向上
  • パフォーマンス・可用性向上
東京薬科大学

東京薬科大学では、従来より学内に情報システムを導入してきたが、コミュニケーションの要となるメールシステムは、薬学部、生命科学部、事務と、それぞれ個別のサーバで運用されていた。そのため学内での情報共有が大きな課題になっていた。

導入ソリューション
導入製品

お客様データ

東京薬科大学
創 立:1880年
所在地:東京都八王子市堀之内1432-1
学生数:2970名(2008年5月1日現在)

1880年に東京薬舗学校として創立。以来、日本で最古・最大の私立薬学教育機関として、多くの優秀な人材を薬学界・薬業界に送ってきた。現在は薬学部の他に、生命科学部(1994年設立)を有する。「ヒューマニズムの精神に基づいて、視野の広い、心豊かな人材を育成し、薬学並びに生命科学の領域にて、人類の福祉と世界の平和に貢献します」という理念のもと、「花咲け、薬学・生命科学」のメッセージを掲げ、学生にとって満足度の高い学園づくりを目指している。

2007年度、文部科学省の大学教育改革支援事業である「学生支援GP」と「社会人学び直し委託事業」に採択されるほか、2008年3月実施の第93回薬剤師国家試験で全国1位の合格率(新卒399名・合格率98.03%)を叩き出すなど、各方面から注目を集める存在。

お客さまが実現できたこと

  • メールシステムの統合による情報共有・活用環境の整備
  • データ占有領域強化による業務効率化

お客さまのご要望

  • 全学的な情報活用と業務改善に繋がるメールシステムの統合
  • 大容量のユーザー領域の確保

全学的な情報活用と業務改善に向けメールシステムの統合を

東京薬科大学では、従来より学内に情報システムを導入してきたが、コミュニケーションの要となるメールシステムは、薬学部、生命科学部、事務と、それぞれ個別のサーバで運用されていた。そのため学内での情報共有が大きな課題になっていた。

「こうした問題に関して2006年ごろよりネットワーク運営委員会にて話し合いが始まりました」と語るのは庶務課(情報処理教育センター担当)の松﨑氏。

ネットワーク運営委員会には、メールシステムの統合にあたり添付ファイルも含めたメールのデータを一元管理でき、個々人が必要なものだけをクライアント端末に取り込むスタイルが必要と現場から要望が出された。というのも「運用ルールでは禁止であるにも関わらず、研究論文や資料といった大容量ファイルを添付して一斉送信するユーザーが後を絶たないのです。膨大なトラフィック負荷によりサーバやネットワークへの影響もしばしばでした」と生命科学部 助教の宮川氏は振り返る。

また、高い資質をもつ薬剤師の養成に向けた履修制度への変更も要因のひとつ。「2006年度から "薬学6年制"を敷き、現在3年生の薬学生たちが5年生になると学外の医療機関へ研修に出ます。彼らとの連絡手段として、携帯電話からのアクセスも必須でした」と情報処理教育センター長の加藤氏は話す。

さらに「薬学部ではCybozuで学外の研究関連機関とも連絡をとっていたのですが、Outlookなどのメーラーソフトと操作性が異なるため、特に学内の教員側で利用が進まなかった」と薬学部 准教授の小杉氏が指摘するように、リテラシーの差から"グループウェアは敷居が高い"ことも伝えられていた。

「学内のコミュニケーションはメール主体。なら、メールシステムをポータルと捉えられるWebメールで」(松﨑氏)という方向性は、こうして固められていった。

左から<br />
東京薬科大学 情報処理教育センター長 薬学部 薬学教育推進センター長 教授 薬学博士<br />
加藤 哲太氏<br />
同大学生命科学部 生命物理科学研究室講師理学博士<br />
森河 良太氏<br />
同大学生命科学部 生命物理科学研究室情報処理教育センター 助教<br />
宮川 毅氏

左から
東京薬科大学 情報処理教育センター長 薬学部 薬学教育推進センター長 教授 薬学博士
加藤 哲太氏
同大学生命科学部 生命物理科学研究室講師理学博士
森河 良太氏
同大学生命科学部 生命物理科学研究室情報処理教育センター 助教
宮川 毅氏

自前運用前提でポータル的なメールシステムを選ぶ

同校の学内メールシステム統合は、30数社を俎上に挙げ、じっくり比較検討していくツール選定のフェーズに入っていった。

当初、GoogleやYahooなどが提供する教育機関向けの無料メールサービスの活用も検討された。しかし、「ネットワーク運営委員会では論外と即断でした。イニシャルや運用のコスト面から考えると魅力的ですが、学外にデータを委ねるスタイルは、万一の際のリスクが大きすぎます。費用よりセキュリティ重視という意識は、当初から委員会メンバーに浸透していました」と東京薬科大学 講師の森河良太氏は振り返る。

そんな同校は、アプリケーション選定を進めるに当たり、5つのポイントを設けた。「1.メールサーバの統合、2.携帯電話などによる学外からのアクセス、3.ブラウザベースでのサービス提供、4.壊れない・止まらない安定的なシステム、5.大容量のユーザー領域の確保、これらの観点から絞り込みを行いました」と森河氏と松﨑氏が説明する。そして、最適なソリューションとして白羽の矢が立ったのが、Zimbra Collaboration Suite(ZCS)だった。

左から<br />
東京薬科大学 学務部 庶務課(情報処理教育センター担当)係長<br />
松崎 日出海氏<br />
同大学 薬学部機能性分子設計学教室准教授薬学博士<br />
小杉 義幸氏

左から
東京薬科大学 学務部 庶務課(情報処理教育センター担当)係長
松崎 日出海氏
同大学 薬学部機能性分子設計学教室准教授薬学博士
小杉 義幸氏

先進的なソリューションにファーストユーザーとして挑む

同校がZCS に注目したのは、革新的なメッセージングとコラボレーションの機能を有していた点。最先端のオープンソース・ソリューションで、ユーザーはもちろん管理サイドにも多くのメリットを提供してくれるとの判断からだ。

こうした点について宮川氏は「AjaxによるブラウザベースのGUIで、メールだけでなく、アドレス帳、スケジューラの共有、オンライン・ドキュメント・オーサリングなど、様々な機能を統合して利用できます。1日に何十通、何百通もメールが届くユーザーでも、件名、本文内容、添付ファイルからキーワード検索するだけで、ほしい情報に素早くリーチできるのも助かります。オープンソース技術、Zimletで他のアプリケーションを組み合わせるマッシュアップも魅力でしたね」と語る。

しかし、同校がZCSの導入検討を行っていた当時、国内教育機関での事例はSaaSタイプがあっただけ。自前で学内にサーバを立ててシステム構築していた例はなく、日本語化も進まないことから躊躇する声があったのも事実。

そんな同校に朗報が届いたのは2008年初頭。ZCSのローカライズと携帯電話対応が果たされ、導入の条件が整ったのだ。「機能面で先述の5つの要件を満たしており、『ファーストユーザーとして挑戦したい!』という機運が、委員会内やシステム運用の現場で高まりました」。

先進的なメールシステム構築に臨むことで、情報活用と業務改善に臨むモチベーション醸成も果たされた。その背景には、「今回の学内コミュニケーションツール統合は、全学で取り組む情報活用と業務改善の第一歩」という同校ならではの共通認識があったからだ。

Zimbraのログイン画面とウェブメール画面

Zimbraのログイン画面とウェブメール画面

現場の想いを共有し、とことん追求する姿勢を評価

「あとは、先進的なシステム構築に一緒に臨むパートナー次第」と宮川氏が言うように、同校のアプリケーション選定時より支援するキヤノンITソリューションズへの期待も高まった。

「SIerとしてメールシステム構築の実績や技術ノウハウの蓄積はありましたが、ZCSに関しては私たちと同じで初めて。でも、ZCSを導入してみたいと技術陣が手を挙げていただけ、そして何があってもやり遂げようという姿勢を見せてくれた。うまくコラボレーションできたと思います」(松﨑氏)。

同校とキヤノンITソリューションズの協同で、ZCS導入によるメールシステム統合は進められた。「サーバ構築はふたを開けてみないとわからないもの。実際、トラブルも発生しましたが、チューニングなどとことんつきあってくれ、比較的スムーズに移行できました」と森河氏は評す。

2008年10月、ZCSによるメールコミュニケーションが同校でスタート。5年先でも十分機能し得る、全学に均質なサービスを提供できるインフラが整った。

ZCSのインフラをベースにその次の情報活用・共有環境へ

ZCSによる学内コミュニケーションは、学生をはじめ教員や職員など各ユーザーからも好評のようだ。「ZCS内で独自にサイトを立ち上げた職員がおり、その方法を公開して輪を広げようとする動きも。以前とは比べ物にならないほど、コミュニケーションツールとして機能しています」。

また、「教員一人あたり5GB、学生は2GBのデータ占有領域が割り当てられ、ラクになりました。以前は一人あたり10MBで、研究論文や資料の送付に気を遣いましたから(笑)」と委員の方々が話すように、ストレージ増強による恩恵もあった。

今回のプロジェクト成功を機に、同校では全学的な情報活用と業務改善を加速化させる予定だ。「各学部で走っているeラーニングシステムをZimletで連携し、付加価値教育の実践に磨きをかけたい」(森河氏)、「既存のスケジューラであるキャンパスライフをZCSと一元化したい」(加藤氏)などの声も寄せられており、ZCSをベースにさらなる情報共有・活用環境の整備が進められていくことだろう。

システム構成

システム構成図

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システム構成図

・Zimbra はジンブラ・インコーポレイテッドの登録商標です。

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