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清教学園様

将来を見据え学園内いつでもどこでもアクセスできるネットワークを整備

  • パフォーマンス・可用性向上
清教学園
導入ソリューション
導入製品

お客様データ

清教学園
創立:1951年
所在地:大阪府河内長野市末広町623
学生数:1,934名(2014年4月1日現在)

2011年に創立60周年を迎えたキリスト教主義の中学校・高等学校。「神なき教育は知恵ある悪魔をつくり、神ある教育は愛ある知恵に人を導く」という建学の精神に基づき、「一人ひとりの賜物を生かす」という教育方針を日々実践している。南大阪地域では指折りの進学校ながら、生徒たちは、文武不岐の姿勢で毎日の学習・活動に励んでいて、全国大会やハイレベルな地方大会で活躍する部活動も少なくない。

お客さまが実現できたこと

  • 全フロア全教室の大規模Wi-Fiネットワークを構築した
  • 高速化・大容量化の全学無線環境を構築できた

お客さまのご要望

  • 強固なネットワーク基盤を構築したい
  • 将来的なICT活用体制の基盤を築きたい

日本の教育現場が抱える課題に明確な答えを提示する

地域では屈指の進学実績をもちながら、部活動も非常に盛んであり、文武両道の実践で生徒一人ひとりの個性や能力を伸ばす、清教学園中・高等学校。従来より同校では教育および校務へのICT活用に積極的であり、生徒の学びの環境づくり、また、教職員の業務環境づくりにおいては一日の長がある存在だ。

そんな同校が、2014年に、全学14棟全フロア全教室の大規模Wi-Fiネットワーク構築に取り組んだ。タブレット等の無線端末の有効利用のためには、従来の有線ベースのインフラでは不足を感じていたときでもあった。トフォリオやLMSの運用開始前に、それらシステムやアプリケーション、DB、サーバなど各種ハードウェアが載るネットワーク基盤の整備から着手したことが、大

「現在の日本の教育現場全体が抱えている課題は、指導者が『教える』から、学習者が『主体的に学ぶ』への基本姿勢の転換です。それに対する答えを提示できる取り組みにしたい」と語るは、清教学園中・高等学校の理事・総合企画部長の小林直行氏。2013年度から文科省より調査研究校の指定を受け、学園の特任教諭で日本の情報教育を実践者の立場から常に牽引してきた田邊則彦氏らとともに、eポートフォリオシステムの研究開発に取り組んでいる。

「教えるから学ぶへシフトする中で、生徒一人ひとりに自立・協働・創造の芽を育むためにどうすればよいのか。その具体策のひとつとして、積極的なICT利活用があると考えています。一人ひとりの学びや活動の履歴を蓄積し、振り返り、生徒・保護者・教員が三位一体となって生徒の現在と将来を考えるためのツールとして、eポートフォリオは最適であるといえます。またLMSも重要であると考えており、eポートフォリオシステムへの組み込みや別途導入等も検討しています」(小林氏)

清教学園中・高等学校 理事・総合企画部長 小林 直行氏

清教学園中・高等学校 理事・総合企画部長 小林 直行氏

全学無線ネットワーク活用に向け足元を見つめ直し課題を炙り出す

まさに理想の教育環境創出に向けた同校の取り組み。これは全ての学校のテーマでもあるが、同校の場合、eポートフォリオやLMSの運用開始前に、それらシステムやアプリケーション、DB、サーバなど各種ハードウェアが載るネットワーク基盤の整備から着手したことが、大きなポイントとなっている。

「というのも…」と語るのは、清教学園ICTコーディネータの高橋安史氏だ。

「私たちの場合は、将来的にすべての生徒がいわゆるBYOD(Bring Your Own Device)で自分のタブレットからアクセスできる環境が必要だろうと考えていました。そこで、中・高の生徒と教職員(計約2000人)が一斉にアクセスしても快適に使用できるためのインフラとして、“いつでもどこでも使える全学無線ネットワーク” の構築に取り組んだわけです。eポートフォリオ、LMS等を定着させ、運用していくためにも、それらを支える強固なネットワーク基盤が不可欠と考えた結果です」(高橋氏)

実際、更新前の同校の既存ネットワーク環境は、大部分が100Mbps対応。おのずと100Mbpsハブの多階層構造となるなどネットワーク構成も複雑になり、複数機器がボトルネック化していた。また、端末の増加が十数年前の構築初期当時の想定を超え、IPアドレスも枯渇。一部に導入されていた無線環境も、帯域確保や負荷分散設定の不十分さもあって接続遅延等に悩まされることも多かった。

「環境整備で先行する学校への見学やヒアリングでも、ネットワークインフラの大切さを痛感しました。中には、不十分なインフラのままタブレットやスマホ活用に着手し、困った状況になったというケースも耳にしましたので」(高橋氏)

清教学園中・高等学校 法人事務局 ICTコーディネータ 高橋 安史氏

清教学園中・高等学校 法人事務局 ICTコーディネータ 高橋 安史氏

すべてのネットワーク課題を解消し、将来的なICT活用体制の基盤を築く

将来のBYODまで見据え取り組んだ、同校のネットワーク基盤整備による全学無線化。先述の課題を把握した同校は、その内容をまとめ公開入札の場を設定。3社の応札からキヤノンITソリューションズの提案を選択した。

「提案内容は正直に言うと、機能性やコスト面など含め3社ともほぼ横一線でした。そんな中でも、キヤノンITソリューションズをパートナーに選んだのは、提案内容やプレゼンテーションだけでなく、他校の導入事例紹介や現地見学の手配など労を惜しまず動いてくれたことが大きかったですね」と選択理由を話す高橋氏に続き、小林氏も「担当の営業やエンジニアが自信を持って提案してくれたことが、なにより信を置けた」と振り返る。

こうして両者のタッグのもと、ネットワークのリプレイスが行われた。その全容は、基幹ネットワーク機器を100Mbpsから1Gbpsに置き換え、校舎間をリンクアグリゲーションによる2Gbps直接集約の光配線で冗長接続。複雑な構成をシンプルにまとめ直し、細かな要望にはL3スイッチ部にVLANを追加。将来的な端末増加に備え16ビット化(65534個のIPアドレス)と既存 ネットワークの統合を共に施すものだ。無線帯域も802.11n(理論値最大300Mbps)を採用し、学内に184台のAPを新設。無線コントローラで一括管理し負荷分散を図る同時に、各種のセキュリティ向上策も実施している。

「想像以上に快適な無線環境、それも全学全教室全フロアでつながる状態に底上げできました。今後は様々な試みを本格化させ、ICT活用による教育の質の向上や生徒の主体性を引き出せる教育現場づくりに役立てていきたいと思います」(小林氏)

高速化・大容量化の全学無線環境で見えてきた新たな学びの可能性

全学スケールで無線環境を整え、高速化・大容量化の枠を広げた同校では、すでに現場での活用事例がいくつも立ち上がっている。

「体育館や運動場での利用もできるようになり、体育の授業や部活の中で先生が生徒の動きをタブレットで動画撮影し、それを生徒と共有しながらフォーム改善などの指導を行っています。技術家庭科では、半田ごての使い方のコツを伝授する際に、同様の試みを行っているようです。また、教室内でパソコンの前にいることが多かった教員がタブレットに換えて教室内を移動。立ち位置の自由度が増した分、授業の進め方における発想の自由度も拡大することが期待されます」(高橋氏)

また、BYODを見据えモバイル端末活用の可能性が飛躍的に広がったことから、e-ポートフォリオの研究開発やLMS導入を模索していく取り組みにおいても余念はないところを見せている。

「中学校で校外学習時に活用してみたり、高等学校では夏休みの課題をタブレットで作成する、そんな試みにも挑んでみました。生徒からもおおむね好評で、スマホやタブレットが一人一台も当たり前の時代になりつつある今、まずはネットワーク基盤の整備を果たせたことで胸をなでおろしています」(小林氏)

全学無線環境のフル活用に向け長期的な視野でチャレンジを継続

同校が盤石で臨む全学無線ネットワークだが、今後の運用段階で修正を重ねながら模索して行かねばならない課題もいくつかあるようだ。

「Webフィルタリングやファイアウォールなどのセキュリティレベルをどのように規定するかについては、基本的な要件は策定済みですが、細かな調整は、実運用の中で模索するしかないと考えてます。生徒たちのITリテラシーやモラルの学びを深めつつ、生徒たち同士でもお互いで指摘しながら学びあうなど、あくまで自主性を尊重しながら、どのあたりが妥当かは、もう少し手探りしながらになるでしょう」(高橋氏)

「BYODを実践するにあたっては、マルチデバイス環境になりますので、コンテンツ配信などをどうしていくかが課題ですね。ここも仮想化、DaaS(desktop as a service)などでクリアしたい。まずは15年ほど前から自前で構築してきたサーバなどの整理をいち早く進め、最適な環境に仕上げていきたいと考えています」(小林氏)
こうした今後の取り組みに関しても、以前から教務システム導入などでパートナーシップを結ぶキヤノンITソリューションズには解決策=最適ソリューションがある。生徒「一人ひとりの賜物を生かす」環境づくりに尽力する同校への支援は、これからも続いていくだろう。

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