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AIを活用したセキュリティ運用高度化──増え続けるセキュリティアラートへの対処を支えるマネージドSOCサービスの実践アプローチイベントレポート

公開日:2026年8月27日

Canon キヤノンITソリューションズ株式会社/WEBINAR/AIを活用したセキュリティ運用高度化 増え続けるセキュリティアラートへの対処を支える マネージドSOCサービスの実践アプローチ/マジセミ
会場
オンライン
開催日
2026年6月4日
主催
キヤノンITソリューションズ株式会社

2026年6月4日、当社主催で「増え続けるアラート、インシデントの兆候を見逃していませんか?~マネージドSOCで優先度を可視化し再発防止まで支援~」というセミナーを開催しました。今回は、その講演内容のポイントをご紹介します。

増え続けるアラートが、見逃しと運用形骸化を招く現実

はじめに、EDRやSASE、ファイアウォールなど複数のセキュリティ製品を導入していても、日々発生する大量アラートにより重要な兆候を捉えきれない企業が増えている背景を解説します。アラート疲れが、セキュリティ運用の実効性を下げる構造を明らかにします。

サイバー攻撃は常に発生しており、非常に身近なものになっています。サイバー攻撃はパケット数の異常な増加として現れます。NICTのダークネット観測では、2025年の総観測パケット数が7010億パケット、1IPアドレスあたりの年間総観測パケット数が250万パケットとされており、インターネット上では常に攻撃関連の通信が発生している状況です。
​さらにIPAの調査では、サイバーインシデントによって取引先に影響が及んだ中小企業が約70%にのぼっており、被害が自社内で完結しにくい現実も見えてきます。攻撃をすべて防ぎ切ることが難しい以上、前兆を捉えて素早く対処する運用が欠かせません。​

サイバーセキュリティを取り巻く現状

ただ、現場ではセキュリティ製品の導入そのものがゴールにはなりません。むしろ製品が増えるほどログやアラートの発生源が分散し、限られた担当者が大量の通知を受け続ける状態になりやすくなります。

こうした状態が続くと、ノイズと本当に危険なアラートの区別が難しくなります。毎日大量に届く通知の一部だけを確認して終わる運用では、インシデントの発見や初動対応が遅れやすくなり、結果としてセキュリティ運用そのものが形骸化しかねません。
​アラート疲れは単なる業務負荷の問題ではなく、対処の優先順位を見誤らせる構造的な問題です。​

なぜSOCが必要なのか

人手だけではセキュリティアラート対処が追いつかない理由

次に、専任人材の不足や属人化により、人手中心のSOC運用ではログ監視・分析・初動対応を安定して回しにくい理由を解説します。
SOCは、ネットワークやシステムを継続的に監視し、サイバー攻撃や不審な挙動を検知・分析し、対応支援まで行う専門組織です。各種製品から出力されるログやアラートを収集し、監視、検知、トリアージ、影響評価を通じて、脅威の兆候を早期に見つける役割を担います。
さらに、原因分析や再発防止の改善提案まで含めて、組織全体のセキュリティレベル向上を支える点に特徴があります。

なぜSOCが必要なのか

一方で、この役割を社内だけで安定運用するのは簡単ではありません。専任のセキュリティ運用者が不足していれば、アラートの一次判定や相関分析は後回しになりやすく、担当者ごとの経験や判断基準に依存した運用になりがちです。
監視対象が複数製品にまたがる場合、個別のログを追うだけでは原因や影響範囲を十分に把握しにくく、初動の遅れや対応のばらつきが起こります。

だからこそ、重要なのは通知を受け取ること自体ではなく、マネージドSOCサービスを通じて重要度を見極め、適切な順番で対応できる運用体制を整えることです。

マネージドSOCサービスの価値は、単にアラートを増やすことではなく、トリアージによって見るべきものを絞り込み、相関分析によって事象の全体像をつかみ、現場が次に取るべき行動を明確にするところにあります。
​人手だけでは回らない工程を、監視と分析の仕組みで支えることが、セキュリティ運用を実務として成立させる前提になります。

AIによる相関分析・自動通知・端末隔離を組み込んだマネージドSOCサービス

そして、AIを活用したマネージドSOCサービスが、どのようにセキュリティ運用の高度化と初動の効率化を実現するのかを具体的に解説します。
​AIが分析や優先度判定を支援し、人が最終判断と高度な対応に集中する体制の実装イメージを示します。

キヤノンITソリューションズのマネージドSOCサービスは、まずCato SASEクラウドのアラートやログを起点に脅威を検出し、インシデント発生時には初動対応から応急対応の提案までを一貫して支える設計です。
​収集されたログはSOC基盤で分析され、その結果が有人対応またはAIによる自動対応を通じて通知されます。必要に応じてESETと連携し、感染の可能性が高い端末をネットワークから自動隔離することで、被害拡大の抑止にもつなげます。

マネージドSOCサービス 概要

サービスメニューは、スタンダードとアドバンスの2段階で整理されています。
​スタンダードでは監視・分析、自動通知、インシデント連絡、暫定対処提案、QA対応、結果報告までをカバーします。アドバンスではこれに加えて、根本原因調査、本格対処提案、再発防止策提案まで含まれます。単に検知して知らせるだけでなく、再発防止まで踏み込めるかどうかが、運用高度化の分かれ目になります。

マネージドSOCサービス サービスメニュー

レスポンス面でも、自動化の効果は大きく現れます。
​有人対応時間帯に発生した優先度の高いアラートは、10分以内に自動通知され、その後60分以内を目安に有人でのインシデント連絡や暫定対処案内が行われます。有人対応時間外に発生した場合でも、自動通知は24時間365日で動作し、営業開始後に有人対応へ引き継がれます。
初動の速さを自動化で確保し、その後の判断や深掘りを人が担う構成です。

マネージドSOCサービス レスポンスタイム

このサービスの中核にあるのが、AIによる相関分析と優先度可視化です。
​AIは、監視・検知の段階で異常な挙動や脅威をリアルタイムで捉え、トリアージの段階でアラートの自動分類や優先度判定を支援します。さらに、調査分析・判断の段階ではインシデントのサマリー作成や対応アクションの提案まで行い、対応・封じ込めの段階ではプレイブックに基づく自動実行も支えます。
​人は最終判断や高度な対応に集中しやすくなり、運用全体の効率化と高度化を進めやすくなります。

マネージドSOCサービスにおけるAIの活用

AIと人の協働で、再発防止まで見据えたセキュリティ運用へ

まとめとして、AIが検知・分析・通知などの初動を支援し、人が意思決定と高度な判断を担うことで、アラート過多、人材不足、初動遅延といった課題にどう向き合えるのかを整理します。

セキュリティ運用を見直すうえでは、SOCを導入するかどうかだけでなく、SOCの中で同じアラート疲れを起こさない仕組みを持っているかが重要です。AIを活用したマネージドSOCサービスは、監視、分類、分析、通知、自動対処までを連携させることで、現場の負荷を抑えながら、見るべきアラートに集中しやすい状態をつくります。
​人の判断をなくすのではなく、人がより重要な判断に時間を使えるようにする点に価値があります。

今後の拡張性も見逃せません。経済産業省が2026年度末に施行予定としている「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」への対応を見据え、ID管理・認証、ログ監視・相関分析、要求事項に沿ったレポート、被害の封じ込めなどの領域で、SOCが体制の一部として機能する方向性が示されています。
​監視対象についても、IDaaS製品やUTM/ゲートウェイ機器への拡張が予定されており、制度対応や運用標準化を支える基盤としての広がりが期待できます。

アラート過多に悩む現場では、製品導入の数を増やすだけでは限界があります。重要なのは、アラートの優先度を可視化し、初動を早め、原因分析と再発防止まで一続きで支えられる運用体制を持てるかどうかです。
​AIと人が役割分担しながら動くマネージドSOCサービスは、セキュリティ運用の自動化を進めつつ、実務として回り続ける体制をつくる現実的な選択肢といえます。

まとめ

よくある質問

Q1
監視対象となる製品は今後も拡張されますか?
A1

はい。監視対象は今後も拡張予定です。まずは「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」への対応を意識しながら、IDaaS製品やUTM/ゲートウェイ機器などへ広げていく方針です。

Q2
自動対処はどこまで可能ですか?
A2

現時点で示されている自動対処の中核は、ESETが導入された端末に対するネットワーク隔離です。高優先度アラートを起点に、人手を介さず端末を隔離することで被害拡大を抑えます。今後は、ID管理製品でのアカウント無効化や、UTM機器でのポリシー変更などへの拡張も予定されています。

Q3
ESET PROTECT MDRとの違いは何ですか?
A3

主な違いは、対応の起点と支援範囲です。ESET PROTECT MDRは端末上で検知したアラートを起点とする一方、マネージドSOCサービスはCato SASEクラウドのアラートやログの監視・分析を起点に、必要に応じてESET連携による端末隔離や、初動対応提案、根本原因調査、再発防止支援まで含めて提供します。

Q4
低優先度のアラートはどのように通知されますか?
A4

自動通知の対象になるのは、AIによる一次判定で優先度が高いと判断されたアラートです。それ以外のレベルについては、人による判定を経たうえで、最初の連絡が行われる運用です。

Q5
ログの復元やエクスポートは可能ですか?
A5

はい、可能です。方法は2つあります。1つは、再分析のために分析基盤へデータを戻す方法です。もう1つは、CSV形式でエクスポートし、指定されたクラウドストレージ経由で受け渡す方法です。

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