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地図上で高所カメラを操作 "カメラ地図連携アプライアンス"

  • Pickup Solution

直感的なカメラ操作で自治体の防災活動と意思決定を支援

災害から住民の安全を守るため、国や自治体では地図ソフトウェアや高所カメラシステムを導入しています。しかし、遠隔操作するカメラがどこを向いているのか分からないといった声が聞かれるのも事実です。こうした課題を解決するのが「カメラ地図連携アプライアンス」です。災害発生時の正確かつ迅速な情報収集と意思決定を支援します。

特長

地図をクリックして目標地点の映像を表示
地図上の任意の地点を選択、クリックするだけで最適なカメラ映像を表示
カメラの撮影方角を地図上に表示
カメラが向いている方角やズームに応じ、自動的に撮影方角を変形して表示
地図はオフラインでの利用が可能
地図ソフトウェアはサーバーにインストールされ、セキュアな環境で利用可能

防災カメラの課題を解決する汎用アプリケーションを開発

田中 裕、佐藤 岳志

(写真左)
キヤノンITソリューションズ株式会社
ITプラットフォーム営業統括本部
ITサービス営業本部 ITサービス営業部 部長
田中 裕
Hiroshi Tanaka

(写真右)
キヤノンITソリューションズ株式会社
ITサービス技術統括本部
ITサービス技術本部 NWサービス技術部
シニアITスペシャリスト
佐藤 岳志
Takeshi Sato

自然災害や大規模火災などに備え、多くの自治体では災害発生現場の状況を本庁舎などから確認するため、地図ソフトウェアやカメラシステムなどを導入しています。カメラシステムは自治体のエリアをできるだけ広範囲に見渡せる高所など複数箇所に設置されるケースが少なくありません。

その結果、「防災カメラの映像がどの方角を向いているのか分かりづらい」「複数カメラの遠隔操作が難しく、目標地点の映像を表示するのに時間がかかる」といった課題が自治体の防災担当部署からも指摘されていました。そこで、災害発生時などでいかに正確な情報収集と迅速な意思決定を行うか、その解決策が求められていたのです。

「地図情報を用いた防災システムとカメラシステムを連携して、映像をリアルタイムに表示するニーズは十数年以上前からありました」と、ITサービス営業部部長の田中裕は語ります。自治体ごとのニーズも異なるため、個別に開発を行い、映像ソリューションを提供してきた経緯があります。

個別開発はニーズにきめ細かく対応できるものの、要件定義を含めゼロから開発に着手するため完成までに時間がかかり、コスト負担も大きくなりがちです。「個別開発を続ける中で、お客さまである自治体のご要望も分かってきました。それまで個別に開発していた地図ソフトウェアとカメラシステムを連携するアプリケーションを開発・汎用化し、サーバーにセットアップして製品化したのが、『カメラ地図連携アプライアンス』です」(田中)。自治体ごとの要望に対しては、カメラ地図連携アプライアンス(以下、本アプライアンス)をベースに機能をカスタマイズして付加するなど、従来の個別開発同様のきめ細かな対応が可能です。

目的地点の映像を瞬時に表示 意思決定の迅速化に貢献

本アプライアンスは、カメラ映像がどこを映しているのか分かりづらいという従来の課題を解決するために、「直感的にカメラを操作できるようにしたのが最大の特長です」と開発を担当したITサービス技術本部NWサービス技術部の佐藤岳志は強調します。

第1の特長は、地図上の地点を選択してクリックするだけで、目標地点の映像を表示できることです。本アプライアンスがカメラの設置場所から選択地点までの距離や高さを計算してカメラを制御し、最適なカメラ映像を表示する仕組みです。また、住所から検索した地点に向けてカメラを制御することも可能です。

第2の特長は、カメラの撮影方角を地図上に表示できることです。カメラの向きやズームに応じて撮影範囲の形を自動的に変えて調節し、どこを映しているのかを分かりやすく表示します。こうした機能により従来のカメラ操作に要していた時間を大幅に短縮しました。

第3の特長は、地図ソフトがオフラインで利用が可能です。本アプライアンスは地図ソフトウェアやアプリケーションなどをサーバーにインストールして提供します。そのため、「インターネットに接続する必要はなく、オフラインで利用可能です。自治体の皆さまに不可欠なセキュアな環境で本アプライアンスをご利用いただけます」と田中は説明します。

図1 カメラ地図連携アプライアンス概要

図1 カメラ地図連携アプライアンス概要

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ハードとソフトの一体型提供で短期間での導入が可能に

本アプライアンスは、映像管理ソフトウェア「XProtect」、地図ソフトウェア「MapFan SDK for Windows」、キヤノンITソリューションズが開発した地図連携アプリケーションをサーバーにセットアップし、ソフトウェアとハードウェア一体型のアプライアンスとして提供します。別途、ディスプレイを用意することで、本アプライアンスはカメラシステムのサーバー兼クライアントとして動作することも可能です。一体型で提供することで従来の個別のシステム開発と比較して短期間でのシステム導入が可能となります。また、サーバーには標準で約2週間のカメラ映像を録画できます。

本アプライアンスで利用している映像管理ソフトウェアはパン・チルト・ズーム操作が可能なPTZカメラ2000機種以上に対応。その利点として、「自治体は既設のPTZカメラを利用でき、既存資産を無駄にすることがありません」と佐藤は説明します。
なお、既設のPTZカメラが利用できるかを検証するために、本アプライアンスと同一のソフトウェアやアプリケーションが導入されたデモ機(ノートPC)を無償で貸し出しており、お客さまの既設カメラの接続確認や操作イメージを事前に確認することができます。
「ある自治体においては、災害現場での利用を想定し、職員がスマートフォンのカメラで撮影した映像と位置情報を本アプライアンスで受信・管理できないかといった要望や、他のシステムからもカメラを制御したいというニーズがあります」(佐藤)

こうした自治体のニーズに対応するため、スマートフォンの位置情報を利用した新機能や外部システムから本アプライアンス経由でカメラの制御や画像の取得が行えるAPI機能を近日リリースする予定です。

災害対応と一口に言っても、自治体のニーズは千差万別です。キヤノンITソリューションズでは個別のカスタマイズを含めたインテグレーションを通じ、お客さまのご要望に対応。自治体の正確な情報収集と迅速な意思決定を支援します。

カメラ地図連携アプライアンスの詳細はこちら

※ 記事中のデータ、人物の所属・役職などは、記事掲載当時のものです。

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