キヤノンITSの最新IoTビジネス動向 "IoT"
- Pickup Solution
エッジコンピューティングを核とした
次世代のIoTソリューション
デジタル化が加速する社会において製造業の課題は、歩留まりの向上や生産設備の稼働率の改善などにとどまらず、よりインテリジェントな機能を持ったリアルタイム制御やサービスを主体としたビジネスモデルへの転換などへと高度化しています。そうした課題に応えられる新たな付加価値をキヤノンITソリューションズのIoTソリューションが生み出してまいります。
特長
- お客さまと共に新たな付加価値を創出
- 新たなサービスモデルを構築し、お客さまの課題解決のニーズに応えていきます。
- ソリューションの中核は「エッジコンピューティング」
- IoT・エッジコンピューティング領域を軸とした新たな付加価値創出を推進します。
- 迅速なシステム構築をサポートする次世代ソリューション群
- 高度なIoTシステムを短期間で実現する最先端の開発環境を整えています。
- デジタルビジネスを支える層の厚い技術陣
- 幅広い分野の専門チームと約800人のエンジニアを有する開発体制を構築しています。
コンセプトは「お客さまと共に」
キヤノンITソリューションズ株式会社
エンジニアリングソリューション事業部
IoTビジネス推進部
(兼)3Dソリューション本部 3DS技術一部
部長
棚野 裕氏
Yuji Tanano
昨今のITを取り巻くさまざまなトレンドの中で、最も注目されているキーワードの1つがIoT(Internet of Things:モノのインターネット)です。キヤノンITSは、製造分野で長年培ってきた生産管理、SCM、監視制御などのシステム構築経験を生かし、早くからお客さまのIoTへの取り組みを支援してきました。そして2016年1月、社長直轄のIoTビジネス推進室が組織化され、その体制をさらに強化しています。
具体的にキヤノンITSはどのようなIoTビジネスを展開し、そこからどんなソリューションを提供しようとしているのでしょうか。
周知の通り、昨今ではセンサーモジュールとモバイル通信SIM、データを処理するクラウドプラットフォームをセットにして、簡易にIoTシステムを実現するさまざまなサービスが登場しています。
しかし、キヤノンITSのターゲットはそこではありません。IoTビジネス推進部の部長を務める棚野裕氏は、「私たちが指向するIoTビジネスのコンセプトは『お客さまと共に新たな付加価値を創出する』ことにあります」と話します。
例えば、工場内の多様な機器からミリ秒オーダーのサイクルで取得したデータ挙動の特性を捉えて瞬時に適切な手を打つ。あるいは“モノからコトへ”のパラダイムシフトが急務となる中で、保有するデータを生かした新たなサービスモデルを構築するといった課題解決のニーズに応えていくためには、これまでとは次元の違ったSIの知見が求められます。「まさにそれこそが私たちの強みを発揮できる領域です」と棚野は強調します。
インテリジェントな機能を現場でリアルタイムに実行
キヤノンITSが提供するIoTソリューションの中核に位置するのがエッジコンピューティングです。
IoTで収集したデータを処理する基盤として、まず候補に挙がるのはクラウドではないでしょうか。もちろんその考え方は間違いではありませんが、すべてのIoTシステムがクラウドだけで完結するというわけでもありません。IoTシステムを利用する製造現場とクラウドをつなぐ通信回線には多少なりとも遅延があり、場合によっては切断されることもあります。先述したようなミリ秒オーダーのサイクルで取得したデータ挙動の特性を捉えて瞬時に適切な手を打つといった、工場のシビアな要件を満たすことはできません。
そこで重要となるのがエッジコンピューティングなのです。クラウドのスケーラブルな特性を生かして大量に蓄積されたIoTデータをAIで分析し、そこから導き出された学習モデルをエッジコンピュータに展開するといったハイブリッド運用によって、かつてないインテリジェントな機能を製造現場でリアルタイムに実行することが可能となります。
「そうした高度なIoTシステムを短期間で実現すべく、私たちはエッジコンピューティングを支える最先端の開発環境を整えています」と棚野は話します。
多種多様なイベントをリアルタイムに処理することで情報の伝達スピードを高め、迅速な意思決定とアクションを促すイベント・ドリブン型アプリケーションの開発プラットフォーム「VANTIQ(バンティック)」とともに、多様なセンサーコントローラーとダイレクトに通信を行うことで高速かつ安定的なデータ収集を実現する当社独自のエッジプラットフォーム「PlatSquare(プラットスクエア)」を提供しています。また、生産現場でのIoT活用を加速させるオープンプラットフォームの普及・推進を目指す業界団体「Edgecross(エッジクロス)コンソーシアム」に加入。FA(ファクトリーオートメーション)とITの連携を実現するインタフェースの新たな選択肢として、同コンソーシアムが販売するソフトウェアプラットフォーム「Edgecross」の対応も予定しています。
デジタルビジネスを支える層の厚い技術陣の知見を結集
もっとも、いかに優れたツールを取りそろえたとしても、それだけで高度なビジネス価値を生み出すIoTシステムを実現できるわけではありません。棚野が強調するのは、デジタルビジネスを支える層の厚い技術陣であり、「私たちのR&D組織にはデータサイエンスの専門チーム、画像認識や自然言語処理をはじめとするAI関連技術の専門チームもあります。一方、デバイスやセンサーなどの分野では、光学系や車載系などのエンベデッド(組込み開発)分野に関する豊富な経験とノウハウを持つ800人近いエンジニアを有する体制を整えています。これは他のSIerには見られない、弊社ならではの特長です」と語ります。
この組織体制によりキヤノンITSは、IoTシステムの構想から要件定義、設計、実装、構築、運用まで、お客さまのあらゆる課題に一気通貫で対応することができるのです。モノづくりの勘所を熟知したお客さまのアイデアと、デザインシンキングから足回りのデータ収集までカバーした裾野の広い私たちの技術を融合し、そのコラボレーションを通じてまだ世にない“新しい答え”を共に探り出していくことが、キヤノンITSの提供するIoTソリューションの核心です。
※ 記事中のデータ、人物の所属・役職などは、記事掲載当時のものです。