東京理科大学 MacのNetBootシステムにParallels DesktopとBootCampを両立
進化した統合管理ツール“Total Manager for Mac”で運用効率も向上

統合管理ツール“Total Manager for Mac”

東京理科大学

創立:1881年
所在地:東京都新宿区神楽坂1-3
学生数:20,543名(2009年5月1日現在)

URL:http://www.tus.ac.jp/
(東京理科大学のサイトへリンク)

1881年に「理学の普及をもって国運発展の基礎とする」との志のもとに、東京大学の物理学科を卒業したばかりの青年学士ら21人により「東京物理学講習所」として創立。2年後には東京物理学校と改称、1949年の学制改革で「東京理科大学」となり、今日では8学部33学科を基盤とする理工系総合大学に発展してきた。神楽坂地区に理学部第一部、理学部第二部、工学部第一部、工学部第二部の4学部と理学専攻科、野田地区に薬学部、理工学部、基礎工学部、そして久喜地区に経営学部を擁し、うち基礎工学部一年生には、北海道長万部地区で新しい教育理念に基づく全寮制教育を実施する。

既存システムが抱えていた課題解消に向けリプレイスへ

東京理科大学理工学部情報科学科教授 工学博士 武田正之氏

東京理科大学理工学部情報科学科教授 工学博士

武田正之氏

東京理科大学理工学部情報科学科助教 工学博士 松澤智史氏

東京理科大学理工学部情報科学科助教 工学博士

松澤智史氏

MacベースによるNetBootシステムへ演習用情報基盤をリプレイスした東京理科大学理工学部情報科学科。その背景を同校教授の武田正之氏は「3年生後期から専門領域を深く学ぶ学生たちに最適な実習環境を提供するためだった」と語る。
 
もともと野田キャンパスには、UNIXサーバのマルチウインドウ・システム(X端末)機能を活かしネットワーク化された端末があった。情報科学科では、この端末とは別に学科独自にWindows/Linuxのデュアルブート環境を用意していた。
 
「従来の環境でも基礎的な講義なら問題はないのですが、専門領域の演習になると少し不便な点がありました。管理にも手間がかかり、改善の余地がありましたね」と振り返るのは、同校助教の松澤智史氏だ。

「学生のIDやパスワードはNISで管理していたのですが、情報科学科には毎年平均120人の学生が入ってきます。Windows上とLinux上で同一のアカウントを作成しなければならない煩わしさは否めませんでした。また、新たなアプリケーションを使う際には、演習用端末それぞれにインストールが必要で、講義の準備が大変でした」(松澤氏)

さらに武田氏からも「複数のOS環境で特殊なアプリケーションを走らせたり、プログラムを作成する場合、その都度、起動ストレージを差し替えていました。しかも接続不良などハードウェアのトラブルに見舞われることもあり、授業の進行に支障があったのも事実です」と、それぞれ具体的に顕在化していた課題を指摘する。

MacのNetBoot環境にParallelsとBootCampが共存!

講義内容の深耕化とその準備作業の軽減、運用管理業務の効率化を目指し、大幅に刷新された演習用情報基盤には、Mac OSが採用されることになった。
 
「Mac OS XからUNIXベースになったことで扱いやすくなりましたからね。東京大学で大規模システムが運営されていることも不安払拭の材料でした」と松澤氏は採用のポイントを語る。

具体的なハードウェア構成としては、Xserveが6台(NetBoot用3台、ファイル兼認証用1台、バックアップ用1台、メール兼Web用1台)、クライアント端末のイメージ作成用にiMacが1台、そして学生用の端末にiMacが80台だ。
 
この新たな演習用情報基盤には、大きな特徴がある。それはMacのNetBoot環境のもとで、Parallels Desktop for MacによりWindows環境を実現すると同時に、BootCampを使ってもWindowsがローカルで起動するよう配慮されている点だ。
 
「Parallels Desktop for MacでWindows環境が実現するのに、なぜBootCampによるOSの切り替えが必要なのか不思議に思われるかもしれませんよね(笑)。しかし、より実学に近い領域だったり、学生が興味を持って取り組めるような新たな講義内容の展開では、Windowsのローカル環境が不可欠だったのです」と武田氏は、その必然性に触れる。

たとえば、FPGAボードを使って論理回路設計技術を学ばせたい時などは、USBデバイスから直接プログラムを書き込む場合があります。しかし、Parallels Desktop for Macではドライバの問題などからボードを認識してくれないことがある。それだけに、ローカルでもWindowsが走る環境を共存させた方が理に適っていたわけです」(武田氏)

進化した管理ツール“Total Manager for Mac”を採用

情報科学科の教室には、Xserveが6台、学生用の端末にiMac80台が配置されている

また、リニューアルされた演習用情報基盤では、運用管理業務の大幅な効率化も実現されている。それが同校のシステムリプレイスでMac領域を担当するキヤノンITソリューションズが提案したNetBootシステムを統合管理する専用ツール“Total Manager for Mac”の導入だ。
 
これまでは“NetBoot管理ツール”の名称で知られ、複数のXserveを管理する専用サーバと連動し、Webブラウザ上で動作する(ブート)イメージ管理、イメージ配信、フィルタ管理、端末管理、ジョブ管理の5つの機能を備えたツールだった。今回の名称変更に伴う機能向上で、6つ目のリストア管理機能を追加。同校のようにParallels Desktop for MacとBootCampが共存する環境には、不可欠な機能だったと言えるだろう。
 
「OSのバージョンアップや端末交換時などに、ローカルのブート端末のリストアを一斉にできるのはありがたいですね。複数のOSを管理画面上で簡単にマネジメントできるので、たとえば60台の端末をグルーピングして、AグループにはこのOS、Bグループには違うOSと、さまざまな環境を学生に提供しやすくなりました」(松澤氏)

これまでのように、講義準備のイメージ配信に3~4時間要していたものが格段に短縮されるなど、改善効果も顕著だ。
 
「効率化が図れた分、その時間を講義内容の向上に使えるなど自分たちの本来業務に注力できるようになりました。また、“Total Manager for Mac”で管理業務がほぼ自動化されたことで、運用管理業務を大学院生に手伝ってもらう時にも、均質な業務遂行が可能で安心です」(武田氏)

常に実習環境の向上を目指してチャレンジし続ける

ブラウザ上でから簡単に操作ができる“Total Manager for Mac”の管理画面

この他にも、Macを導入したメリットとして同校が挙げているのがARD(Apple Remote Desktop)だ。
 
「学生の端末に一斉にロックをかけて講義に集中させたり、見本となるプログラムが書けた学生の画面を教室内の大画面に表示させたり、スムーズな講義進行が可能となりました」(武田氏)

さらにシステムの刷新、そして運用間もない同校では、新たな環境のもとでの管理ノウハウの蓄積に余念がない。
 
「運用で困った時などにキヤノンITソリューションズさんに質問しても、レスポンスが早いし的確。裏技なども教えてもらえました(笑)」(松澤氏)

今後、同校ではローカルでWindowsが走る環境を活かし、センサーネットワークのデバイスを制御するなど、より奥行きのある講義を展開していきたいと考えている。
 
「複数のOSを共存させられる環境を手に入れたので、学生にもたくさんのOSに触れてもらうような講義を企画したい」(松澤氏)など、新たな演習用情報基盤をフル活用していく計画だ。

MacのNetBootシステムにParallels Desktop for MacとBootCampを共存させた特徴的な実習環境を整えた同校の、これからの取り組みに注目していきたい。

システム構成鵜図


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  • Xserve,iMacは、米国Apple Inc.の登録商標です。
  • WindowsはMicrosoft Corporationの登録商標です。
  • Parallels Desktop for Macは、Parallels Software International,Incの登録商標です

東京理科大学導入事例[PDF:1.6MB/ 2ページ]

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この事例は取材時の情報に基づき構成されています。
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