- テクニカルレポート
「医療情報システム向けAWS利用リファレンス(厚生労働省版)」を公開
2021/4/23
当社は、日本電気株式会社、株式会社日立システムズ、フィラーシステムズ株式会社の3社と共同で、医療機関等におけるクラウドの活用を促進することを目的に、「医療情報システム向けAWS利用リファレンス」(以下「リファレンス」)の作成を推進しています。
近年、AWSをはじめとするクラウドサービスが医療機関の課題を解決する手段として活用の動きが強まっており、Withコロナの時代はさらにその重要性が増すことが予想されます。しかし、クラウド活用の前提としてクラウド事業者が開示しているシステム仕様が厚生労働省や経済産業省、総務省が発行する医療情報システムに関するガイドライン(以下、3省3ガイドライン)の要求事項に対応できているかを調査、解釈、判断しなければならないという難しい課題がありました。
昨年から今年に掛けてはガイドラインの大規模な改訂が実施されており、2020年8月21日に総務省および経済産業省の2つのガイドラインが統合・改定され「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン(第1版)」として策定・公開されました。また、2021年1月には厚生労働省が発行する「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が第5.1版に改定されました。これにより、医療情報システムに関するガイドラインは3省が発行する2つのガイドライン(以下、3省2ガイドライン)に再編されています。
このガイドラインの改定に対応し、AWSのパートナーである当社および日本電気株式会社、株式会社日立システムズ、フィラーシステムズ株式会社の4社は最新のガイドラインへのAWS上での対応を目的に、AWSが「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5.1版)」の各要求事項に対して、どのように適合するかを共同で調査、検討してきました。
その成果として、今回新たに、2021年1月に厚生労働省から発行された「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5.1版)」に対応した、「医療情報システム向けAWS利用リファレンス(厚生労働省版)」を公開しました。リファレンスは以下URLからどなたでも無償でダウンロード可能です。
当社では引き続き医療情報システムにおけるAWS環境の活用促進などを通じ医療機関等におけるクラウド活用支援やシステムコストの最適化、運用管理の効率化を支援する各種のITサービスを広く提供していく予定です。
関連するソリューション・製品
- クラウドインテグレーションサービス
ブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスのシームレスな連携により、お客さまのニーズに沿ったクラウド環境を提案します。
また、オンプレミスのシステム開発で培った確かな技術力を活かし、開発、運用・保守までワンストップで提案します。
お客さまの課題や要望に合わせたシステム基盤を提案し、リリース後の運用・保守までトータルにサポートします。
クラウドインテグレーションサービスは、提案から開発、運用・保守まで、お客さまのシステムライフサイクルをトータルにサポートすることで、高品質で安心できるソリューションをワンストップで提供します。 - 医療
昨今、医療情報の電子化が進んでいます。従来は紙媒体で管理/やり取りしていた医療情報を電子化することで、業務の効率化が期待できます。しかし、電子化された医療情報の保存にはITシステムの構築・運用が不可欠です。医療機関をはじめとする医療関連団体・企業では、IT専門家の不足・不在による運用管理の難しさ、IT投資コスト、ITセキュリティ・ソフトウェアのバージョンアップなど、新たな課題が浮き彫りとなってきています。そうした医療情報の電子化にまつわる課題の解決手段として、クラウドが注目されています。
キヤノンITソリューションズでは、医療情報ガイドライン(3省2ガイドライン)に準拠したクラウド活用ソリューションの提供を通じて、お客様の医療ITにかかわる課題を安全・安心に解決できるようにご支援いたします。
※医療情報ガイドライン(3省2ガイドライン)とは、医療情報システムの構築・運用を行う医療機関等や医療機関等から医療情報を受託管理する事業者・団体向けに医療情報の安全管理策を示した厚生労働省、総務省、経済産業省の3省が発行するガイドラインです。
■こんな課題をお持ちのお客様におすすめします■
・紙媒体での医療情報の管理にリスクを感じている
・IT専門家の不足・不在により、医療情報の電子化が進まない
・医療システムの運用を効率化したい/コストダウンしたい
・現行のシステムをクラウドへ移行したいが、医療情報ガイドライン(3省2ガイドライン)に対応できる人材がいない - ITインフラサービス SOLTAGE クラウドインテグレーションサービス、ネットワークサービス、システム運用・保守サービス、セキュリティサービス、データセンターサービスを組み合わせてご利用いただくことで、お客さまが保有するシステム全体の運用負荷を軽減し、コア業務へのリソース集中が可能となります。
- クラウドインテグレーションサービス for AWS アマゾン ウェブ サービスをクラウド開発の基盤として活用し、より付加価値の高いサービスを提供します。
- 医療IT クラウドコンサルティングサービス
医療情報システムをクラウド化する際の課題となる医療情報ガイドライン(3省2ガイドライン)への対応。キヤノンITソリューションズの3省2ガイドラインに精通したセキュリティ専門チームがご支援します。
主要メンバーには、医療情報システム監査人補、公認情報セキュリティ監査人、ISMS審査員補、ISO/IEC27017 クラウドセキュリティ審査員などの医療・情報セキュリティ関連の資格保有者および、AWS Certified Solution Architect – ProfessionalなどのAWS認定資格保有者がおります。医療・セキュリティとシステム現場の視点からご支援いたします。 - 医療IT クラウドコンプライアンスサービス
医療機関、医療系メーカー、ヘルステック企業、および医療業界への参入を検討している企業が、医療情報を取り扱うシステムをアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)上に構築する際に遵守するべき「医療情報ガイドライン(3省2ガイドライン)」。医療ITクラウドコンプライアンスサービスは、そうしたガイドライン対応とAWS初期構築/アカウント提供をいたします。
医療情報ガイドライン(3省2ガイドライン)・情報セキュリティ・AWSに精通したコンサルタントが、AWSの初期設定からサポート。そのため、専門知識が無いお客様であっても、システム基盤に関する基準を満たす環境設定が可能です。また、監査情報の取得設定も代行。お客様側での設定手続き不要で、当社提供の監査用ツールから必要な情報をシンプルな操作で取得できます。
コンサルタントがガイドラインに沿ったお客様の対応方針の策定を、他社事例等をもとにご支援いたします。