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第4回

モダナイゼーション(Modernization)

情報システムを最新のものに

「モダナイゼーション」とは、古くなった企業のITシステムをハード・ソフトの両面で刷新・改善して業務に適応させることです。それが必要な理由は、一度作った大規模ITシステムは長期間使い続けるため、やがてビジネス環境の進化に対応できなくなるからです(図1)。企業にとってモダナイゼーションは、DX(デジタルトランスフォーメーション)遂行のための重要なプロセスといえます。

モダナイゼーションの代表的なケースは、「レガシーシステム」のハードウエアを置き換えてパフォーマンスの向上を図り、合わせてソフトウエアを置き換えて最新の業界標準に最適化させることです。レガシーシステムとは、メインフレーム(大型汎用機)で構築された旧来のITシステムの総称で、肥大化、複雑化、ブラックボックス化や処理スピード不足、拡張性不足などが課題となっています。もちろんハードとソフトの両方で全システムを刷新できれば一気に最先端のIT環境を確立できますが、長年管理・運用してきた大量のデータや従業員の活用ノウハウを短期間で新システムに移行するのはかなりハードルが高いといえます。

そのような中、レガシーシステムを活用しながらモダナイゼーションを実施するための技術として、「クラウドコンピューティング」「コンテナ化AI(人工知能)活用」などが挙げられます。

クラウドコンピューティングは、クラウド上のソフトやサービスを活用してレガシーシステムのままで情報処理を迅速化させます。コンテナ化はアプリケーションとその実行環境をまとめる仮想技術で、アプリの開発や実装を容易にしてレガシーシステムの移植性を高めます。AI活用は、システムによる業務の自動化やプロセス改善などを行います。企業には「生産性向上」「セキュリティ強化」「システムが誰でも使えるようになる」などのメリットがあります。

PwCコンサルティングは2023年12月、売り上げ500億円以上の企業を対象にした「2023年DX意識調査-ITモダナイゼーション編-」を公開しました。それによると、「アジャイル開発(ソフトを縮小化して迅速化する開発)」「パブリッククラウド」「クラウドネイティブ技術(最初からクラウド上でシステム開発することを前提とした技術)」のすべてを活用する企業が61%にまで増えるなど、大企業のモダナイゼーションが進んでいることが明らかになりました。

労働人口の減少や激化する競争に直面している企業にとって、生産性の向上が必須とされています。そのためのIT施策として、モダナイゼーションは今後さらに重要になってくるでしょう。

レガシーシステムを使い続けると以下の問題が発生する。ランニングコストが増大、現行メインフレームの負荷が高い、継続的なハード・ソフトの保守が必要、最新のオープン技術が活用困難、メインフレーム技術者の不足と高齢化、開発生産性が上がらない

図1 モダナイゼーションが必要とされる理由

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from キヤノンITソリューションズ

キヤノンITソリューションズ株式会社
ビジネスソリューション統括本部
ビジネスソリューション第二開発本部 第二開発部 部長
戸村 浩明
Hiroaki Tomura

モダナイゼーションへのはじめの一歩は「脱レガシーシステム」です。進め方にマイグレーション(移植)とモダナイゼーション(近代化)があります。まずはマイグレーションで最新環境へ「経済的・短期間・安全」に移植し、その後にコンテナ化やクラウドネイティブ技術を活用し、レガシー言語を別言語へ変換することでモダナイゼーションへステップアップします。

戸村 浩明

マイグレーション(モダナイゼーション)の情報はこちら

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