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AI技術について その3 [2020.12.25]
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シニアアプリケーションスペシャリストによる「技術トレンド情報」(第23回)
AI技術について その3 [2020.12.25]

AI技術

今回は、人の骨格や関節の動きを検出するポーズ認識(PoseNet:姿勢推定モデル)についてご紹介いたします。これまでご紹介した「物体検出」と「物体分類」についてはコラム第21回、「画素分類」と「3D認識」についてはコラム第22回をご覧ください。

ポーズ認識「PoseNet」について

SiNGRAY事例

SiNGRAY事例(図1)

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前回の3D認識では、目的の対象物の3Dモデル(CADデータなど)を用いて、対象物の位置や姿勢を抽出することで、山積みピッキングやモデルとの差異による形状検査に活用するお話をいたしました。3D認識では、対象となるモデルは1つの個体を想定しており、山積みの中から最もピッキングしやすいものの特定や、設計時と製造後の差異を検知することなどに用いられます。

今回のポーズ認識は、姿勢と動きを検出するものになります。もちろん、3D認識でも個体を複数登録し、各フレームでの個体それぞれの位置や姿勢を抽出することで、個体同士の位置関係や動きを検出することもできますが、個々の形状変化を認識する精度をもつため、処理速度とのトレードオフとなっております。

また、ゲーム業界や放送業界などで活用されるモーションキャプチャーでは、人の各関節にマーカを取り付け、そのマーカを検出するための複数台のカメラを設置いた領域内でその人の姿勢や動き(マーカの動き)を抽出するものになります。今回のポーズ認識では、人の骨格と関節のみに着目し、姿勢や動きを検出する場合に用いられます。姿勢を推定するモデルとして頭部、胴体、腕、足など複数個所の軸と関節を学習し、それらを2D画像から検出する技術になります。

ポーズ認識の事例

ポーズ認識での事例をご紹介します。1つ目は、作業評価です。作業者の作業中の動きを認識し、作業の進捗や状況、作業の段取りの確認、近年では、ARグラスとの組み合わせで、作業者に改良点や指示をフィードバッグするなどに活用されています。

また、医療分野においては、リハビリによる患者の改善状況の可視化などの目的で導入されています。さらには、2D映像から検出を行うため、場所や空間の制約なく、屋外のスポーツの分野などでも簡単に活用できるものとなりました。

弊社取り扱いのHMS社製AIスマートカメラ「SiNGRAY」では、カメラ上でPoseNETを実行可能ですので、非常にコンパクトな構成でご利用いただけます。

今回のまとめ

今回は、ポーズ認識「PoseNet:姿勢推定モデル」についてご紹介いたしました。これまで高価な設備と場所と空間に制約のあったモーションキャプチャーと異なり、画像AI技術により、2D映像から人の動きを検出が可能となってきましたので、近年では個人での動画配信など様々な領域で活用されています。

 

筆者紹介

シニアアプリケーションスペシャリスト 稲山

稲山 一幸(いねやま かずゆき)

エンジニアリング事業 シニアアプリケーションスペシャリスト

1992年住金制御エンジニアリング入社、Matrox社製品の国内総代理店立ち上げに参画、以降25年マシンビジョン業界に携わる。
2013年~2016年、キヤノン株式会社にてマシンビジョン関連の新製品開発のソフトウェアリーダとして従事。現在は、エバンジェリストとして活躍中。

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