- イベント・セミナーレポート
第15回 EDIX東京(教育総合展)
日時:2024年5月8日「水曜日」~10日「金曜日」
10:00~18:00(最終日17時終了)
場所:東京ビッグサイト 西展示棟
■主催者発表の速報値
来場 | 8日(水) | 9日(木) | 10日(金) | 計 |
---|---|---|---|---|
来場者数(VIP含む) | 7,405 | 9,064 | 10,013 | 26,482 |
対前年比 | 120.9% | 120.4% | 112.2% | 117.3% |
- ※ 来場者数・セミナー受講者数は主催者公式サイトより引用(前年比は過去の公式発表より算出)
■展示会概要
当日受付による入場の可能性を排除して(例外対応の有無は未確認)事前登録と入場バッジの出力を来場者に依頼することにより受付を設けず、入場バッジの携帯用フォルダのみを配布することでスムーズな入場導線を確保すると共に、会場内、各ブースでの名刺提出が不要となった(代わって入場バッジのQRコード読み取り)ことにより、来場者、出展者、両者にとって効率的な活用が可能な展示会にリニューアルされました。
EDIX東京2024来場者は昨年を上回る117%となったもののコロナ前の状況には依然、及ばず、セカンドGIGAを前にした状況下でもICT端末機器展示の集客状況や全体の展示ブースの対応状況を観るに出展社サイドの圧力は感じるものの来場者側の真剣度が伝わってこないのと、来場バッチの業種別の設定色でもベンダー関連の色が目立つため、この展示会の必要性や意義も15回を数えてピークを過ぎたように思えるのは筆者だけでしょうか。
それでも、開催した対面セミナーは、ほぼ満員に推移し昨年と比較すると途中退出者が増えた印象はあるものの盛況だったとの印象です。ただ、いくつかのセミナーでは何年も前から同じ講師が登壇し、新たな視点や斬新な意見などが感じられないものも散見されてきており、常に話題の中心となっている生成AIについても法整備の不備やリテラシー構築の遅れなど、指摘するポイントが似てきているように思えます。
今回、キヤノングループの出展は2か所、キヤノンITSとしては2月に発表発売した「in Campus School IS」をスキャナオプションとして活用するMFP(複合機)と共に昨年同様チエル㈱ブースに出展するとともにGoogleブースでのハンズオンセミナーも実施するなど公立の小中教育関係者向けに積極的な告知活動を行いました。
また、キヤノンMJとしては、放送機器を担当する部署が新時代の教育配信ソリューションを新製品として発売予定の放送用カメラと共に出展し、多くの教育関係者への課題解決策訴求を図りました。
特別講演・セミナーレポート ※弊社にて受講したセミナーのみ記載
①「2022 OECD PISA の概要と日本教育の課題」
東京大学 公共政策大学院 教授
(前・文部科学大臣補佐官、 元・文部科学副大臣)
鈴木 寛
[所感] PISA調査では15歳児を対象に読解、数学的、科学的、リテラシーの三分野について、3年ごとに実施。結果は、コロナを経たが日本の子供たちの学力低下が起きていないなど日本教育の優位性を評価する部分と自殺者の増加や探求型教育の力不足など大きな課題の顕在化に繋がっている調査結果をどのように活用していくべきか、について識者としての提言を期待したい。
②「デジタル学習基盤を活かした授業づくり~個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実のために~」
東京学芸大学 教育学部 教授
高橋 純
[所感] 最初にめざすべき姿を、「未知の山を登る力~生涯にわたって能動的に学び続ける力~」として、デジタル学習基盤を活かした授業づくりの話をされていました。
デジタル学習基盤を活かした授業づくりをする上で、「一人一人の子供が主語であること」、「複線型の授業の実践」、「個別最適・協働的な学び・自由進度学習の理論」、「自己決定、自己調整」、「一人一台端末」、「情報活用能力」といったキーワードを用いながら、愛知県の春日井市立高森台中学校の実際の授業スライドを見ながらわかりやすく説明をしてくれました。高次な資質・能力を育成するための授業作りの話は分かりやすかったのですが、実際に行うとなるとそれは容易なことではないと感じました。
③「教育DX・データ利活用の現状と今後」
文部科学省 総合教育政策局 主任教育企画調整官(兼)教育DX推進室長
藤原 志保
[所感] 学校端末は一人一台になってある程度、定着したものの使える状態を今後はどう活かしていくかが課題になる。特に各端末からもたらされる教育データの利活用状況も地域間で大きな差があり、全国では活用が出来ていないため渋谷区などのいくつかの成功事例を研究し、今後は共通化したフォーマットの展開やノウハウ、ダッシュボードの共有に注力したいとの見解は印象的でした。
■開催の様子
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